「来院される方のことは“患者さま“ではなく”患者さん“と呼んでいます。お客さまとして接するのではなく損得勘定抜きのお付き合いをしていきたいんです」。
そう話すのは川口市にある石橋歯科クリニックの院長・石橋義郎先生。患者さんとの信頼関係を築くために本音で話すことを重視しているのだそうです。
この記事では石橋先生に、診療のモットーや院内の環境づくりにおけるこだわりなどをお伺いします。
患者さんの意思を大切にし、本音のお付き合いができる歯科医院を目指します
歯科医師の意見を押し付けるのではなく、治療方法をできる限り複数案提示し、患者さんの症状やお考えに寄り添って決定します。治療方法を提示する際はそれぞれの良い点だけではなくデメリットまでしっかりとご説明しています。
患者さんとの接し方にかんしては「患者さま」としてお客さま扱いしてしまうと本音のお付き合いができなくなってしまうと考えています。患者さんのことを思い、伝えなければいけないことははっきりと伝えられる関係づくりに努めています。
怖がっている子の場合、歯科治療に対してネガティブなイメージを植え付けないよう、初診時に何もしないということもあります。
環境に慣れるためのトレーニングを重ね、お子さん一人ひとりのペースにあわせて治療に移行していきます。
当院では歯周ポケットの深さを計測し、その測定結果は患者さんがあとから振り返られるよう、紙に書いてお渡ししています。
ご自身での歯磨きだけでは行き届かない部分は、クリーニングで汚れを除去しましょう。
笑気麻酔は緊張をほぐしリラックスさせる作用があるため、不安感が強い方はもちろん、お口に器具を入れると嘔吐反射が起きてしまうような方も不快感を和らげられます。
もう一つは、診療ユニットの距離を3m程度離し、140センチメートルほどのパーティションを設けていることです。
完全個室だと隣のユニットにいる患者さんの異変に気づくのが遅くなってしまいますが、パーティションで区切ることで、プライバシーや衛生面は守りつつ、異変にも対応しやすい環境を整えています。
そして、清潔な環境で治療を行うため、院内感染対策には特に力を入れています。
当院は角部屋で窓が多いのですが、診療時間中は窓を開けて換気を行いながら治療を行っています。患者さんには「夏は暑く冬は寒いので、暑さ寒さ対策をお願いします」とお伝えしています。
患者さんのお口に入れる器具類は全て滅菌処理を行っています。滅菌器にかけられない材質のエプロンやコップなどは使い捨て製品を取り入れています。
各診療ユニットに口腔外バキュームを1台ずつ設置し、歯の削りカスや飛沫などが院内に飛散しないよう除去しています。
天井に設置している業務用空気清浄機は、2カ月に1回フィルター交換が必要ですが、患者さんに心置きなく治療を受けていただくために、手間やコストは惜しまないようにしています。
石橋 義郎先生の経歴
1983年 鶴見大学歯学部 卒業
1983年 鶴見大学保存修復学 入局
1984年 鶴見大学保存修復学 助手
1986年 三鷹台クレタ歯科 勤務
1988年 石橋歯科クリニック 開業
現在に至る
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歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。