歯科検診はうけるべき!?知っておきたい費用と頻度

職場や学校で健康診断を受けていても「歯科検診は行ったことがない」という人は多いのではないでしょうか?歯科検診で虫歯・歯周病などの予防や早期発見をできれば、歯を長く使い、トータル的にみた治療費を抑えることが期待できます

この記事では、歯科検診の費用や頻度の目安、どのような歯科検診があるか、検診内容などを紹介します。

この記事の目次

1.歯科検診の費用の目安

1-1 歯科検診の費用は3000円~1万円程度が目安

日本の健康保険は「治療のための制度」なので、予防目的の歯科検診には適用されないこともあります。ただし、しばらく歯医者さんに通院しておらず虫歯や歯周病が見つかった場合は、保険適用となることが多いでしょう。

《歯科検診の費用の目安》

■保険適用外(口の中に異常がなかった場合)
パノラマレントゲン:6500円程度
歯周基本検査:3000円程度
ブラッシング指導:1200円程度

■保険適用内(虫歯や歯周病が見つかった場合)
パノラマレントゲン:1220円
歯周基本検査:600円
ブラッシング指導:240円(歯科衛生実地指導料)

虫歯や歯周病といった口腔疾患が見つかれば、検診と初回の治療を合わせて3000~4000円程度(3割負担の場合)になることが多いようです。

検診の結果、異常が見つからなかったときは予防目的の検診となるため保険適用されず、6000円~1万円程度になることもあります。

保険適用外は歯医者さんごとに費用を自由に設定するものなので、詳しくは、歯科検診を受診する歯医者さんに確認しましょう。

1-2 歯科検診に行かなかった場合の費用

それでは、歯科検診で予防せず実際に歯が痛みだしてから歯医者さんに行った場合、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。進行度合いにもよりますが、保険適用の範囲で治療を済ませた場合は、一カ所の治療で2000円~1万5000円程度です。

軽度の虫歯の段階ですぐに治療すれば軽めの費用負担で済むこともありますが、「歯がズキズキと痛む段階」になってから治療を受ける方もすくなくありません。

すでに進行した虫歯の場合、1本の歯を治すために何度も通院しなければならず、総額も1万円以上になることが多いでしょう。

見た目を損なわずに治療したいならば、保険適用外の自由診療となり、詰め物やかぶせ物の種類によっては10万円以上かかることもあります。

複数虫歯がある場合や、歯が抜けた場合には、通院回数も費用もその分増加します。

こう考えると、歯科検診で仮に1万円の費用がかかったとしても、「歯を削らずに済む」というメリットも含めて、「検診を受けるほうがずっと負担が少ない」と言えます。

2.歯科検診の検査項目と検診を受ける頻度について

2-1 歯科検診の検査項目

歯科検診の目的は、虫歯や歯周病といった口腔疾患がないかチェックし、早期発見につなげたり、予防のためのブラッシング方法を指導したりすることです。

歯医者さんによって、検査項目や検査を実施する順番に多少の違いがあるかもしれませんが、一般的には次のような内容になります。

問診

自覚症状の有無、これまでの歯科検診の受診状況や歯医者さんでの治療状況、生活習慣などを詳しく問診していきます。

口腔内検査

現在の歯の状況と併せて、虫歯ができていないか、過去に処置をした歯や失った歯はあるか、歯茎の状態や歯周ポケットの深さはどうかといったことを診ていきます。

口内粘膜の病気のチェック

舌や唇も含め、口の中の粘膜に何らかの病気がみられないか、口腔がんといった病気の疑いはないかなどをチェックしていきます。

ブラッシング指導

その人の歯並びや咬み合わせといったことから、その人に合った歯みがきの方法を指導していきます。歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどの選び方に迷っている人は、このときに相談しましょう。

歯垢の染め出しをしてくれる歯医者さんもあります。

その他

歯垢や歯石のチェック、歯並びや咬み合わせのチェック、顎関節のチェックなどを実施してくれる歯医者さんもあるようです。口臭が気になる人、歯や口の中のことで不安な点がある人も、このときに相談できます。

2-2 歯科検診はどれくらいの頻度で通えばいいのか

基本的には、3カ月から半年に一度の歯科検診を推奨しています。歯垢が歯石に変わるのは2日~14日程度、歯石が付いてくるのが3カ月程度と言われているためです。

前回の歯科検診や歯石の除去といったメンテナンスから半年以上の間隔をあけてしまうと、歯石が付着している確率が高くなり、除去するのが大変になってしまうことがあります。

3カ月に一度、歯科検診を受けた場合、年間の費用の目安は1万2000円~4万円程度となります(治療が必要な場合は別途治療費)。

3.子どもや大人が無料で受けられる歯科検診もある

3-1 子どもの歯科検診

子どもの場合、1歳6カ月と3歳におこなわれる「乳幼児健康診査」の一つとして、全国の自治体で歯科検診を無料で受けることができます。

自治体によっては1歳6カ月と3歳以外の年齢でも無料の歯科検診を実施していることがあるので、住んでいる地域の自治体のホームページをチェックしてみましょう。

3-2 妊婦さんの歯科検診

ホルモンや悪阻の影響で歯肉炎、虫歯になりやすいといわれる妊婦さんも、歯科検診を無料で受けられる場合があります。

母子手帳に無料チケットが付いていたり、妊婦さん向けの歯科検診が開催されていたりするケースがあります。自治体のホームページを確認してみましょう。

なお、妊婦さんが歯医者さんで歯科検診を受ける場合は、安定期に入った16週から27週6日の間に歯科検診に通うことが推奨されています。つわりが減退していて、まだお腹がそこまで大きくなっていない時期です。

レントゲンや麻酔、投薬は妊娠中であることを考慮しておこなわれます。担当の産婦人科の先生に週数と注意事項を確認し、歯医者さんに事前に伝えるようにしましょう。

3-3 大人の歯科検診

その地域に住んでいる大人の健康診断や歯科検診、口腔がん検診などを無料で実施している自治体があります。また、健康保険組合が実施している無料の歯科検診もあります。

受付期間や実施期間、受診資格、検査項目などは自治体や健康保険組合によって変わるため、住んでいる自治体のホームページ、加入している健康保険組合に確認してみましょう。

4.歯科検診はどの歯医者さんで受ける?

かかりつけの歯医者さんがある人は、その歯医者さんで歯科検診を実施しているか聞いてみましょう。口の中の状態を知っていてくれる分、小さな異変でも気づいてもらえるかもしれません。

特に決まった歯医者さんがない人は「予防歯科」に力を入れている歯医者さんを受診するのもおすすめです。

歯科検診は、歯をいつまでも健康に保ち、虫歯や歯周病を予防したり、早期発見したりすることが目的です。予防歯科は、虫歯や歯周病を未然に防ぐことを目的としているため、目的も一致します。

歯医者さんのホームページや歯医者さんの予約サイトには、その歯医者さんが力を入れている分野が書かれていることが多いので、チェックしてみましょう。

5.まとめ

歯科検診の費用が高いと感じるかどうかは、人によって異なるかもしれません。

しかし、虫歯や歯周病が進行して痛み出してから歯医者さんを受診した場合、治療費は保険適用内でも1本2000円~1万5000円程度が目安とされています。

複数本の虫歯がある、虫歯や歯周病が進行して歯が抜けてしまった、といった場合、それ以上に費用がかかることもあります

こうした経済的な負担に加えて、通院時間、痛みによる苦痛、歯を削らなければならないことなどを考えると、歯科検診にかかる費用は一概に高いと言えないかもしれません。

毎日きちんと歯を磨いていても、歯垢を落とすには限界があり、歯石に至っては歯ブラシでは除去することができないとされています。

健康で美しい歯を保つためにも、治療にかかる費用を抑えるためにも、自宅でセルフケアを続けると同時に、定期的に歯科検診を受けましょう。

コメント

歯科には困らないと行かないという人のほうがまだまだ多い日本です。しかし、欧米に目を向けてみると銀歯があるだけで自己管理ができていないと就職試験で落とされることもあるというのが事実です。困る前に歯科で検診を受けることが健康寿命を延ばすことにもつながりますので是非検診を受けてみてください。

執筆者:歯の教科書 編集部

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