いびきの治療は歯医者さんでもできる!?睡眠時無呼吸症候群を防ぐために

睡眠中のいびきは、眠りを浅くして「日中の眠気」「集中力低下」などを引き起こします。また、習慣的にいびきをかいている場合は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の疑いもあるでしょう。単に「同じ部屋で寝ている人に迷惑」といった騒音の問題だけでなく、健康状にもさまざまな問題をはらんでいます。

こちらの記事では、「いびきの基本的な治療方法」に加え、睡眠時無呼吸症候群に関する基礎知識もお届けしたいと思います。

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この記事の目次

1. なぜ、いびきを治療する必要があるのか?

空気の通り道を「気道」と呼びますが、気道は「上気道(じょうきどう)」と「下気道(かきどう)」にわけられます。「口・鼻から喉まで」が上気道、「喉から肺まで」が下気道です。そして、いびきをかくのは「上気道が塞がりかけていること」が理由です。

上気道が塞がりかけているということは、呼吸が苦しくなっていることを意味します。ですから、いびきをかいているときは、多少なりと呼吸効率が悪くなっているわけです。呼吸が苦しくなれば、眠りが浅くなったり、一瞬だけ中途覚醒して姿勢を変えたりします。そのため、睡眠の質が下がり、「昼間の眠気」「集中力・記憶力低下」を招くわけです。

眠気や集中力低下は、仕事の質を落とす恐れもあり、社会人にとっては死活問題だと思います。たかがいびき…と軽視することなく、習慣的に続くようなら治療を検討するべきではないでしょうか?

2.具体的ないびきの治療法を知りたい!

医療機関の中には「いびきの治療」を扱っているところも数多く存在しています。習慣的ないびきを指摘され、「昼間の眠気」に心あたりがあるなら、「医療機関で治療を受ける」という選択肢を考慮してください。この章では、医療機関でおこなわれている主な治療法を解説したいと思います。

2-1 歯科的治療~スリープスプリントの装用

歯科的に治療するなら、スリープスプリントと呼ばれるマウスピースの装用があげられます。スリープスプリントを装用すると、自然に下顎を突きだすような形になります。顎を突き出すと気道が広くなって、塞がりにくくなります。

また、舌の付け根(舌根)が喉を塞ぐと、気道が狭くなります。仰向けに寝るといびきをかきやすいのですが、それは舌が重力に従って喉の方向へ落ちやすくなるからです。スリープスプリントには「舌を押さえる性質」もあり、舌が喉の方向に行きにくくなります。

以上から、スリープスプリントを装用することで、いびきを防止することが可能です。また、装用するのは寝るときだけなので、日中の外見・食事中の不便などを気にする必要はありません。

ただし、歯科医院では睡眠時無呼吸症候群の検査・診断ができないので、耳鼻咽頭科などの医師から紹介状を書いてもらう必要があります。紹介状がないと、少なくとも保険診療としては歯科を受診することができません。スリープスプリントによる治療を希望する場合、「睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるいびきであること」を医師に診断してもらう必要があります。

2-2 内科的治療~C-PAP療法(持続陽圧換気療法)

いびきは「気道が狭くなっている」程度ですが、睡眠時無呼吸症候群に発展すると「一時的に気道が閉塞する」というレベルになります。この段階になると、C-PAPという医療器具を用いて内科的治療で対応することがあります。

C-PAPは鼻から「圧力をかけた空気」を送り込む装置です。強い圧力で空気が入りこめば、気道が物理的に押し広げられます。結果、気道の狭窄(きょうさく)・閉塞を防いで、いびき・無呼吸を防止することが可能です。

ただ、酸素マスクのような器具を顔に装着するため、「器具が邪魔で眠れない」といった感想を持つ方もいます。また、外泊の際には持ち運びを要するので、不便を感じる方も多いようです。

2-3 外科的治療~レーザー手術・切開手術

喉にある「口蓋垂(こうがいすい)」「軟口蓋(なんこうがい)」といった部位は、気道を塞ぐ原因になることもあります。そこで、「口蓋垂」「軟口蓋」の一部を切除し、気道を広くする手術が有用です。気道を拡大すれば、睡眠中に塞がるリスクも減少します。レーザーで切除すれば、出血も少なく、局所麻酔で済みます。また、入院の必要もなく、日帰り手術で対応できます。

ほかの治療法と違い、「器具を使用しなくても気道が狭窄しなくなる」という根本解消の可能性があるのは大きな強みです。ただし、術後1~2週間は飲食物を摂取するときに強い痛みが出るなど、日常生活に影響が出ます。

また、扁桃腺肥大を伴う場合にはメスで切開する必要があり、全身麻酔下の手術(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)となります。この場合、術後の影響・疼痛ともにレーザー手術より大きくなります。この場合は入院を要します。

3.いびき治療の重要性!睡眠時無呼吸症候群のリスク

習慣的にいびきをかいている人は、睡眠時無呼吸症候群の恐れがあります。わかりやすくいうと「気道が狭窄して音が鳴る=いびき」で、「気道が閉塞して一時的に呼吸が止まる=睡眠時無呼吸症候群」です。

さて、睡眠時無呼吸症候群の定義は次のようになっています。10秒以上の呼吸停止を「無呼吸」と呼ぶとき、「7時間に30回以上の無呼吸」または「1時間に5回以上の無呼吸」があれば、睡眠時無呼吸症候群と考えます。

人間は呼吸が苦しくなると一時的に中途覚醒し、姿勢を変えるなどして気道をキープします。ですから、睡眠時無呼吸症候群だからといって、そのまま窒息するわけではありません。ただ、睡眠の質が著しく低下することで、「日中の強い眠気」「集中力・記憶力の大きな低下」を招きます。

日常的にいびきをかく人の1~2%は睡眠時無呼吸症候群といわれているので、「いつもいびきをかいている」という自覚があるなら、早期の医療機関受診をおすすめします。睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧・心疾患などを誘発することもあります。また、日中の眠気が強くなると、「運転中に眠って意識を失う」など重篤な問題を引き起こすこともあり、最終的には生命にかかわってきます。

参照URL:http://www.toyamacitydental.jp/?tid=100046

4.まとめ

いびきは「昼間の眠気」「集中力・記憶力低下」など、さまざまなトラブルを引き起こします。また、習慣的にいびきをかいている場合、睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合もあります。「いびき」「異様な眠気」という2つの要素に思い当たるなら、早めの医療機関受診を検討してください。

 

先生からのコメント

歯科的に治療するなら、スリープスプリントですが、上下、前後の位置を何回か調整してから固定しますので、寝ている間、計測する装置がないと上手くできないのと、装置の器具によっては自費になる場合もありますので、歯科医院とよく相談してください。

医院情報
住所:東京都葛飾区お花茶屋2-5-16
電話:03-3601-7051

執筆者:歯の教科書 編集部

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