【教授に聞く】入れ歯の素材の進化!患者さんはどのように義歯を選ぶべきか

失われてしまった歯を補う義歯には、どのような種類があるのでしょうか?

また、総入れ歯や部分入れ歯は知っていますが、これらも過去と比べて進化しているのでしょうか?

東京医科歯科大学・水口俊介(みなくちしゅんすけ)教授にお話を伺い、歯科医院で受けられている入れ歯治療の現状について解説していただきました。

※前回の記事「被せ物治療では白い素材が主流?治療後の痛みや臭いが出る原因も解説

この記事の目次

総入れ歯の人は減少!部分入れ歯は、見た目にこだわった素材が登場

歯の教科書 編集部

歯科治療の現場では、総入れ歯を選択するという方は減っているのでしょうか?

水口俊介教授

「8020運動」の普及もあって、自分の歯が残っている人が増えているので、総入れ歯 の方は少なくなってきましたね。

歯の教科書 編集部

総入れ歯は減っているとのことでしたが、部分入れ歯はどうでしょうか?

水口俊介教授

総入れ歯に比べると、部分入れ歯にしているという方は多いのではないでしょうか。

部分入れ歯には、いままでの入れ歯と違って装着していることが目立ちにくいコーヌスクローネという方法がありますよ。

総入れ歯や部分入れ歯の進化したポイント

歯の教科書 編集部

入れ歯の装着方法は、過去と比べて進化しているのでしょうか?

水口俊介教授

総入れ歯では、インプラントオーバーデンチャーという方法が出てきました。これは、歯がなくなってしまったところに、2から4本くらいにインプラントを入れて、そこに義歯をはめるんです。

部分入れ歯だと、ノンメタルクラスプデンチャーといって金属のバネを使用しないものも出て来ました。

部分入れ歯は、笑ったときなどに金属が見えてしまうということがデメリットだったのですが、歯茎に近い色をしたプラスチック素材を用いることで、より目立たなくすることができるようになりました。

特に前歯の方に部分入れ歯を入れなくてはいけない場合に、ノンメタルクラスプデンチャーという方法をおすすめしています。

歯の教科書 編集部

入れ歯の装着方法も進化しているというお話でしたが、メリット・デメリットなどあるのでしょうか?

水口俊介教授

入れ歯は、より食べ物が噛みやすくなるといったメリットがありますが、口の中でわずかに動いてしまい装着感に難がある場合があるというデメリットはあるのですが…。

磁石を使用したアタッチメントの場合、少し注意しなければなりません。磁石は、インプラントに磁石をつけたり、残っている歯に磁石を取りつけたりすることで、入れ歯をより安定させやすいという方法です。

この場合、MRI検査を受ける際に取り外さなければいけません。写真の撮り方や、機械の性能によって異なるとは思いますが、脳の一部分あるいは大部分が写らなくなってしまいますからね。

MRI検査を受ける前に、歯医者さんに行って取り外さなければならない場合がありますよ。

患者さんは、どのように義歯を選ぶべき?

歯の教科書 編集部

義歯にも、さまざま種類があるということが分かりました。患者さんはどういった基準で義歯を選択したらいいのでしょうか?

水口俊介教授

見た目的なことを考えると、入れ歯はやはり、留め具が見えにくいものがいいと思います。笑った時にちらっと見える金属は気になるでしょうね。

よりよく食べ物を噛めるようにしたいという場合には、インプラント、ブリッジ、部分入れ歯という順番でおすすめするということになりますね。

インプラントやブリッジを推奨する理由としては、取り外し式の義歯のように動かないので、歯があたかもそこのあったかのように存在するんですね。取り外しの義歯というのは、噛んでいるに少しは動いてしまう、だからどうしても違和感は出てしまうんです。

歯の教科書 編集部

やはり、失った歯を補うにはインプラントがいいということでしょうか?

水口俊介教授

インプラントは、いいと思いますよ。インプラント自体は虫歯にもならないですしね。

ただし、ケアはしっかりしてください。虫歯にはならなくても、歯周病と同じようなインプラント周囲炎という症状が現れることがありますからね。

また、インプラントを埋め込む場所に十分な骨がないとだめなのです。さらに、ほかの歯の噛み合わせも問題になる場合もあります。噛み合わせは顎全体のことを考えて噛む力をうまく分散するようにしておかなければならないのです。

歯の教科書 編集部

入れ歯の装着方法にも、さまざまな種類が出てきており、それぞれ噛みやすくなるよう進化しているようです。また、見た目にも配慮されてきて、笑っても目立つことがない素材があるということは選択肢が増えますね。

ですが、やはり装着して噛むということには、少しではあるもののずれが生じてしまうそうです。そのため、インプラントという方法はありますが、丁寧なケアを行っていないと歯周病に似た症状が現れてしまうことがあるため注意をしてください。

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科
高齢者歯科学
水口俊介教授監修
経歴・プロフィール

2005年3月~2006年2月:東京医科歯科大学院医歯学総合研究科口腔老化制御学分野 助教授
2006年2月~2008年2月:東京医科歯科大学院医歯学総合研究科全部床義歯補綴学分野 准教授
2008年3月~2013年3月:東京医科歯科大学医歯学総合研究科全部床義歯補綴学分野 教授
2013年4月~:東京医科歯科大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野 教授
現在に至る

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執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。