【教授に聞く】唇が乾燥して痛い!どの診療科に通うべき?

唇が乾燥している、“ヒリヒリ”しているというお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

唇の荒れが、ほかの口内トラブルにつながる恐れはあるのか昭和大学・歯学部・歯周病学講座・山本松男教授に聞きました。

また、唇が乾燥している場合、歯医者さんに行くべきか、内科に行くべきかという疑問にも答えていただきます。

※前回の記事「大学教授が教える正しい歯磨き!歯ブラシは『やわらかめ・ふつう・かため』どれを選ぶべき?」

この記事の目次

唇の乾燥や荒れ!ほかの口内トラブルとのつながり

Q1.唇が乾いてしまう原因と、口内トラブルの関係性を教えてください

唇が乾いてしまう原因には「口呼吸(こうこきゅう)」があります。鼻で呼吸をしているときは、鼻腔の中で空気に湿度を加えて肺に送り込み、また出てきます。ですが口呼吸ですと、流速が速いため唇がすぐに乾いてしまうんです。鼻づまりがあると口呼吸になりがちです。

すると、唇が割れて痛いということが起こります。また、唾液の中の水分が減ることで粘り気が高くなり、唾液の中にある自浄作用や抗菌作用も失われてしまうため、虫歯や歯周病にも影響してきますね。

ですから唇が荒れている方は唇のケアだけでなく、口のトラブルにも関連していることを思い出していただき、丁寧なブラッシングを心がけ、虫歯や歯周病を防げるようにしていただきたいです。

唇が“ヒリヒリ”して痛い!歯科医院、内科、どこに行くべき?

Q2.唇が乾燥して“ヒリヒリ”している場合、どういった診療科に通うべきなのでしょうか?

唇が荒れて“ヒリヒリ”している、割れているという場合だけですと、病気という意識が弱いため、なかなか診療科として築かれていないんです。

基本的にはリップクリームなどで対応してもらうというのが、スタイルだと思うんです。

ですが、例えば花粉症の薬を飲み、鼻水は止まったけれども、唾液が出にくくなってしまった。そのため口の中が乾きだし、唇の荒れもひどくなったという場合は、耳鼻咽喉科に相談することになると考えます。

高齢者の方や血圧、メンタルの薬などを服用している方も唾液が減りがちです。また、唇の荒れと口腔乾燥症(ドライマウス)との関係もイコールではないので、どこの診療科にかかってくださいと答えることは難しいんです。

なので、耳鼻咽喉科の先生、歯科の先生、内科の先生などに相談してみることで、いいアドバイスがもらえるかもしれませんね。

まとめ

唇の乾燥や荒れの一つに口呼吸があって、虫歯や歯周病にも関係してくることが分かりました。

ですが、乾燥している、荒れているくらいで大きなトラブルがない場合、診療科としては築かれていないようです。

そのため、ご自身が抱えているほかの悩みと合わせて、診療科を選択することで、いいアドバイスを得ることができるのかもしれません。

昭和大学 歯学部 歯周病学講座
山本松男教授監修
経歴・プロフィール

平成4年  東京医科歯科大学歯学部卒業
平成8年  東京医科歯科大学大学院修了・博士(歯学・歯周病学)
平成9年  米国アーカンソー州立医科大学内分泌部門・骨粗鬆症センター(ポスドク)
平成12年 鹿児島大学歯学部助手(歯周病学)
平成14年 鹿児島大学生命科学資源開発研究センター助教授
平成17年 昭和大学歯学部教授(歯周病学)

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執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。