親知らずの生える時期はいつ頃?30歳目前で生えてくることも!

親知らずの生える時期はいつ頃?30歳目前で生えてくることも!

親知らずがなかなか生えてこなかったり、大人になってから生えてきたりして、気になっている人もいるのではないでしょうか?この記事では、親知らずが生えるおおよその時期と併せて、親知らずを抜歯するかどうかの主な基準も解説しています。

「親知らずがなかなか生えてこない」「親知らずは抜くもの?」「大人になって生えることなんてあるの?」そんな疑問を持っている人はぜひ、参考にしてください。

この記事の目次

1.親知らずの生える時期!何歳までに生えてくる?

人間の歯は、顎の骨格の成長にあわせて徐々に生えそろいます。

6~12歳くらいに乳歯が永久歯に生えかわる時期となることは、よく知られています。また、乳歯の存在しなかった部位には「第一、第二、第三大臼歯」が新しく生えてきます。

このうち「第三大臼歯」が、親知らずと呼ばれている歯です。

「第一大臼歯」は6~7歳頃に生えてくる歯で、「6歳臼歯」と呼ばれることもあります。親知らずの1つ手前に生えてくる「第二大臼歯」は11~13歳くらいで生えてきますので、別名を「12歳臼歯」といいます。

たいていの場合、第二大臼歯までは真っ直ぐ生えてくるので、歯として使用するにあたって問題は起こりません。問題は、最後に生える「第三大臼歯」です。

基本的な生える時期として18歳頃と言われていますが、実際に親知らずが生える時期は人によって異なります。

また、「傾いて生えてきた」「生えてきたと思ったら、すぐ虫歯になった」など、口腔トラブルの原因になりやすいことから、親知らずが顔をだし、痛みが出る前の段階で抜歯してしまう人も少なくありません。

1-1 親知らずの生える時期は17~21歳ごろ

正式な用語では、歯が生えてくることを「萌出(ほうしゅつ)」と言います。

親知らずの萌出は基本的に17~21歳の間です。3歳半~4歳くらいで歯の生成がはじまり、12~16歳で歯冠(歯の本体)が完成、それから数年かけて表面に出てきます。

実に長い時間をかけて歯が形成されることに驚いた人もいるかもしれません。しかし、親知らずが例外というわけではなく、すべての永久歯が長い時間をかけて完成へと向かいます。

たとえば、中切歯(真ん中の前歯)は「妊娠5か月頃に歯の生成がはじまって、4~5歳で歯冠が完成、萌出は6~8歳」となっています。

すでにお母さんの胎内にいるときから、永久歯の生成ははじまっているのです。

1-2 親知らずは生える時期がブレやすい!30歳目前で生えてくる人も…!?

ただ、親知らずは萌出の時期がブレやすいことでも知られています。

早いと14歳で生えてくる人もいますし、遅い人では29歳くらいで生えてくるケースもあります。稀(まれ)な例では「30代に入ってから生えてきた」という人もいるようです。

第一大臼歯(6歳臼歯)が2、3歳で生えたり、12歳になってから生えてきたり…という話はまず聞きません(※)。それを考えると、親知らずは非常に「気まぐれに生えてくる歯」という印象です。

※生まれつき歯の本数が足りない「先天性欠如(先天性欠損)」という形成異常の場合、この時期を過ぎても生えてこないことがあります。

2.親知らずが生えてきたらどうする?早く抜いたほうが良い?

「親知らず=抜いたほうが良い」と認識している人もたくさんいます。しかし、「絶対に抜くべき」とまでは言い切れません。

真っ直ぐ生えていて咬み合わせに支障がない親知らずなら、そのまま歯として使うことができます。また、特に痛みや口腔トラブルを起こしていないなら、親知らずを残しておくことでメリットが生じるケースも考えられます。

将来的に、親知らずの一つ手前にある第二大臼歯が抜歯になったとしましょう。

親知らずが生えていれば、第二大臼歯の前後に親知らずと第一大臼歯が存在するはずです。その場合、ブリッジで第二大臼歯を補うことができます

さらに、歯牙移植といって「生えている歯を、別の場所に移す施術」があるのをご存じでしょうか?第一大臼歯や第二大臼歯を失ったとき、親知らずが残っていれば、歯牙移植で失った歯を補うことも可能です

以上から、「正常に生えていて、特にトラブルの原因にならない親知らず」に関しては、十分に残しておく価値があります。

親知らずを抜くべきなのは「斜めに生えている場合」「一部が歯茎に埋まっている場合」など、問題のある生え方をしているケースです。

特に、一部が歯茎に埋まったままの親知らずは、周囲を巻きこんで炎症を起こすことが多いので、早期抜歯を勧められます。

【関連記事】親知らずが生えかけで痛いとき、どうする?治療法と緊急時の応急処置

2-1 抜歯するのなら、早く抜歯したほうがベター!

生え方に問題があり「放置すると口腔トラブルの原因になる」と思われる場合は、なるべく早い時期に抜歯することで、その後のトラブルのリスクを低減できる可能性が高くなります。

なぜなら、歯が生えてきて間もない時期の方が、抜歯しやすいケースがあるからです。

実のところ、歯が全て萌出したように見えても、歯根(根っこの部分)は未完成のままになっています。

歯根が伸びて、歯茎・歯槽骨にしっかり固定されるのは、萌出の数年後(親知らずでは、歯根が完成するのは18~25歳くらい)とされています。

つまり、生えてきたばかりの親知らずは歯根が成長しきっていないため、歯槽骨に固定された親知らずに比べて、抜歯しやすい可能性があります

抜歯がスムーズにおこなえれば、痛みも少なく済むことが多いですし、傷口も若いほど治りやすい傾向にあります。

加えて、歯根が成長しきっていない段階なら「歯根と歯槽骨が癒着して、抜歯に骨開削を要する」というケースも少ないことが考えられます。

こうしたことから「親知らずを抜くなら早いほうが良い」と言われることがあります。

ただし、生え方などによっては難しい抜歯になるケースもあります。自分に適した抜歯の時期や方法などは、歯医者さんに相談しましょう。

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2-2 親知らずが生えない人もいるって本当?

親知らずは退化傾向にある歯なので、年齢的に生える時期になっても生えてこない人がいます。「4本とも生えてこない」人もいれば、「4本すべて生えてくる」人もいるなど、個人差があります。

むしろ、斜めに生えてきて口腔トラブルの原因になるよりは、最初から生えてこない方が、問題が少なく済むかもしれません。

生えてこないことが気になるかもしれませんが、親知らずの先天的欠損に関しては、過度に心配する必要はないでしょう。

3.まとめ

親知らずは「17~21歳頃に生える大臼歯」ですが、生える時期には大きなブレがありますし、生えてこない人もいます。仮に「20代半ばになっても生えてこない」としても、あまり気にする必要はありません。

ただ、生えてくるのなら15歳頃には歯茎の中で歯冠ができあがるはずです。

歯冠はレントゲンに映りますので「なかなか生えてこないなぁ…」と思ったら、歯医者さんで定期健診を受けるときにでも相談してみましょう。

先生からのコメント

この記事では、親知らずの抜歯について取り上げてあります。記事に書いてある通り全ての親知らずを抜かなきゃいけないということはありません。歯としてものを噛むのに使うのはもちろん、前の歯がダメになった時のブリッジ治療の土台としてや、他の奥歯が抜けた時の移植要員としても使えることがあります。抜いてほしいと歯医者さんにかかるのではなく、よく歯医者さんと相談した上で抜歯なのか温存なのかを決めてください。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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