【ホワイトニング】マウスピースを作る利点は?自分に合うタイプを選択!

近年、「歯を白くしたい」と考える人が増加し、女性だけでなく男性にもホワイトニングをする人が増えてきました。恐らくは、「清潔感のある白い歯」が一種の身だしなみである…と認識されるようになってきたのでしょう。

さて、ホワイトニングには2つの手法が存在します。1つは、歯医者さんでやってもらう「オフィスホワイトニング」で、もう1つが自宅で実践できる「ホームホワイトニング」です。

こちらの記事では、美容面の歯科治療を受けたことがない人でもはじめやすい「ホームホワイトニング」に焦点をあてることにしました。初めてのホワイトニングを応援するための基礎知識として、ホームホワイトニングに用いる「マウスピース」の選び方を解説しています。

この記事の目次

1.ホワイトニングの第一歩は、マウスピース作製!

ホームホワイトニングは、最初に歯科医院で「ホワイトニングジェル」を処方してもらい、自宅で実践するホワイトニングです。1回、ジェルの処方さえしてもらえば、何度も歯科医院に通院する必要はありません。「歯科医院でホワイトニングの処置をしてもらうのは恥ずかしい」という方もはじめやすいことから、「ホワイトニングの入門編」といった位置づけになっている部分もあります。

さて、ホームホワイトニングをするために必要なのは、ホワイトニングジェルだけではありません。歯をジェルに浸すための「マウスピース」が不可欠です。そこで、まずはマウスピースの入手方法を紹介することにしましょう。

ホームホワイトニングでは、ホワイトニングジェルをマウスピースに入れ、そのマウスピースを装着します。1回2時間のホワイトニングをおこなうので、単に塗るだけ…というわけにはいきません。2時間、しっかりと歯をジェルに浸す必要があるのです。

1-1 歯科医院でマウスピースを作製する4つのメリット

第一の方法は、歯科医院でマウスピースを作製してもらうことです。歯科医院で作るマウスピースには、以下のような特徴があります。4つのメリットを紹介します。

①ホワイトニングジェルの使用量が最小限

歯科医院では、きちんと歯型をとってマウスピースを作製しています。そのため、歯とマウスピースに余計な隙間がありません。ぴったりとフィットしているので、最小限のホワイトニングジェルを入れれば十分です。最小限の分量で、歯全体にくまなくジェルがいきわたります。

②ホワイトニング中、唾液の混入がほとんどない

歯とマウスピースが密着しているので、マウスピース内に唾液が入ることがほとんどありません。ホワイトニングジェルが薄まらないので、きちんとホワイトニング作用を得ることができます。当然、ジェルがマウスピースからこぼれる心配も少ないです。

③マウスピース装着時にも会話できる

マウスピースがしっかりフィットしているので、装着中、すぐに脱落することはありません。そのため、マウスピースをしていても、最低限の会話をすることができます。若干の発音不明瞭はあるにしても、意思疎通に困ることはありません。事務職など、会話の必要性が薄い職業であれば、仕事中にホワイトニングすることさえ可能です。もちろん、マウスピースは無色透明なので、外見的にも違和感はありません。

④マウスピースの作製費用が高い

歯科医院のマウスピースが、機能的に優れているのは間違いありません。ただ、歯型をとって作っているわけですから、オーダーメイドになります。当然、美容目的のホワイトニングは自由診療(自費診療)ですから、やや高額なのは否めません。歯科医院ごとに自由な料金設定をおこなっているので一概には言えませんが、だいたい1万5,000円~3万5,000円くらいが相場となっています。

1-2 市販のキットを使い、自分でマウスピースを作製するメリット

安く済ませたいのであれば、市販のホワイトニングキットに入っているマウスピースを使用することもできます。市販キットのマウスピースには、以下のような特徴があります。

①マウスピースの作製費用が抑えられる

市販キットのマウスピースは500円~2,000円が価格相場となっています。紛失したり、破損したりしても容易に買い換えられるので、コスト面が気になっている人には良いかもしれません。

②ある程度、自分の歯型に合わせて作製可能

市販とはいえ、「自分の歯型にまったく合わない」というわけではありません。市販キットのマウスピースは既製品ではなく、「作製キット」です。マウスピースを80℃前後の熱湯に5~10秒ほど浸し、やわらかくなったら装着して、やや強めに噛みます。すると、マウスピースが歯型に合わせて変形し、自分だけのマウスピースになるのです。

③ホワイトニング中、唾液混入と薬剤漏れがある

自分の歯型に合わせて変形するとはいえ、「お湯でやわらかくなった素材を固める」という方法では限界があります。当然ながら、ぴったりとフィットするわけではありません。歯とマウスピースには隙間ができてしまいます。そのため、ホワイトニング中、マウスピース内に唾液が混入しますし、ホワイトニングジェルが漏れ出ることもあります。ホワイトニング作用を十分に得られるか…というと、なかなか難しいところです。

④ホワイトニングジェルの必要量が増える

マウスピースと歯に隙間があるので、歯全体を浸すためには大量のジェルが必要です。結果、「マウスピースの作製費用は安いけれど、ホワイトニングジェルの減りは早い」という状況になります。ランニングコストが高くなることまで加味すると、一概に「市販キットのマウスピースは安い」とも言い切れないかもしれません。

2.ホワイトニング用マウスピース3種類の選び方

ホワイトニングに使うマウスピースは、素材の硬さによって3種類に区分することができます。それぞれにメリット・デメリットがあるので、「自分のニーズに合った素材はどれなのか」を確認してみましょう。

ホワイトニングに力を入れている歯科医院なら、希望に合わせて、どの素材でもマウスピース作製を受けてもらえるはずです。市販キットを使用する場合、素材の自由度は低く、たいていはソフトタイプの素材になります。

2-1 ハードタイプ

ハードタイプのマウスピースは歯型に合わせてかっちりと作られるので、フィット感が強くなります。ホワイトニング用であれば薄く作製できるので、違和感はほとんどありません。装着中でも会話しやすく、ホワイトニング時に不便を感じにくいと思います。

反面、「歯科治療をして歯の形状が変化した場合」「時間が経って歯の位置が変化した場合」などは、装着することができなくなります。

2-2 ソフトタイプ

ソフトタイプのマウスピースは、ゴム・シリコンのような質感の素材で作られています。やわらかい素材なので、多少、歯の形状が変化したり、歯の位置が動いたりしても問題なく使用可能です。

ただし、厚みがあるのでホワイトニング時に違和感を覚える人もいると思います。また、フィット感に劣るため、ハードタイプに比べると、やや唾液混入・薬剤漏れが起こりやすくなります。

2-3 極薄ソフトタイプ

ビニールのような薄い素材で作られています。装着しているとき、ほとんど違和感がないのが特徴です。やわらかいので、歯の形状変化・位置変化があっても、継続的に使用することができます。

そのかわり、非常に薄くやわらかいので、あまりフィット感はありません。唾液が混入して薬剤が薄まることもありますし、薬剤が口腔内に漏れてくることもあるでしょう。洗浄時に破けやすいなど、耐久性にも不安があります。

3.まとめ

ホームホワイトニングをはじめるにあたっては、まず「自分に合ったマウスピースを作製すること」がスタートラインになります。ホワイトニングジェルの使用量を抑え、作用を高めることを考えると、やはり歯科医院で作製するのが合理的でしょう。「白く輝く歯」を望んでいるなら、まずはホワイトニングに力を入れている歯医者さんに相談してみてください。

 

先生からのコメント

歯科医院でのマウスピースですが、極薄ソフトタイプが主です。0.7mm、0.8mmで問題なく使えていますが、寝るときには使用しないでください。

医院情報
住所:東京都葛飾区お花茶屋2-5-16
電話:03-3601-7051

執筆者:歯の教科書 編集部

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