【製薬会社に聞く】意外と知らない口内洗浄剤の働き!「液体歯みがき」と「洗口液」って何?

虫歯や歯周病を防ぐために、日々のセルフケアが大切になってきますが、皆さんはどのような方法を行っているでしょうか。

ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスといった方法のほか、口内洗浄剤を使用したケアもあります。お口に入れて「くちゅくちゅ」とゆすいで、「ぺっ」とはき出す液体と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

1度は使用したことのある方も多いとは思いますが、実は“正しい利用方法を理解していない”ケースがほとんどだといいます。ここでは、口内洗浄剤の種類や使用方法を詳しく説明していきます。

この記事の目次

1.知らなかった2つの違い!「洗口液」と「液体歯みがき」って何?

口内洗浄剤には、「洗口液」と「液体歯みがき」の2種類があることをご存じですか? どちらも口内を洗浄し、口臭を防ぐといった作用が期待されています。では何が違うのでしょうか…。

液体歯みがきは、ブラッシングとともに使用することが推奨されている口内洗浄剤です。ただお口をゆすいだだけでは、虫歯を防ぐといった働きは期待できません。一方、洗口液はお口をゆすぐだけで、殺菌、予防作用が期待できる口内洗浄剤です。

もちろん、朝・昼・夕のブラッシングが大切になりますが、どうしてもブラッシングができない外出先などでも容易にケアを行うことができます。

 

2.知らなかった口内洗浄剤の中身!含まれている殺菌成分で働きが変化

口内洗浄剤を利用している方でも、なかなか殺菌成分まで理解している方は少ないのではないでしょうか。それでは口内洗浄剤に含まれている殺菌成分によって、どのような作用が期待できるのか紹介したいと思います。

2-1 歯の表面に付着!細菌を攻撃

セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)、グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、ベンゼトニウム塩化物(CHG)という殺菌成分が入っている口内洗浄剤は、歯の表面に付着しやすくなっています。

それは、歯みがき直後の歯の表面や細菌はマイナスに帯電していることに対して、殺菌成分には強いイオン性があり、水溶液中でプラスに帯電しているからです。そして、表面に付着することで歯周病菌などを攻撃し、バイオフィルムの再形成を防ぐといった働きをします。

2-2 バイオフィルム内に浸透!歯周病菌などを殺菌

エッセンシャルオイル、ポビドンヨードという殺菌成分の入った口内洗浄剤は、バイオフィルム内に浸透しやすくなっています。初期のバイオフィルム膜に浸透して歯周病菌などの細菌を殺菌する作用が期待できますが、成長して厚くなってしまったバイオフィルムには届きづらいです。また、歯の表面に付着するといった働きは持っていません。

5.まとめ

それぞれの口内洗浄剤含有の主要殺菌成分ともに試験管内での殺菌作用は証明されていますが、実際に臨床で使用された場合に、どの成分が効くかの明確な証明は現時点ではありません。

近年、国内ではセチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)含有の洗口液の臨床研究で、1週間の連続使用によって口腔細菌数が減少したとの報告がされています。

口内洗浄剤を手にする際には、ご自身で使用する用途に合わせてご使用ください。また、ご自身の口内状況を把握するためには、歯医者さんでの歯科検診やクリーニングも大切になってきます。

取材協力:アース製薬株式会社

執筆者:歯の教科書 編集部

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