【教授に聞く】歯ブラシは“先端の形”で選ぶ!?おのずと丁寧に磨けるブラッシングのこつを伝授

鶴見大学歯学部口腔内科学講座・里村一人(さとむらかずひと)教授、堤千明(つつみちあき)先生にインタビューを行い、歯ブラシ選びのポイントを教えていただきました。

歯ブラシのヘッドの大きさや毛先、かたさはどのようなものを選ぶべきなのか、上手に磨けるためのアドバイス、何分くらいのブラッシングがいいのかなど、解説していただきます。

この記事の目次

歯ブラシは先端の形で選ぶ!磨く部位を意識

Q1.歯ブラシ選びのポイントを教えてください

里村一人教授:歯ブラシのヘッドは小さい方がいいのではないでしょうか。小さめで、奥歯や親知らずまで届く歯ブラシをおすすめします。

堤千明先生:私はタフトブラシというものを使っています。先がすごく細く、とがっているので、歯の奥の方や親知らず、歯と歯の間に入れて磨くこともできるのでおすすめです。

里村一人教授:僕もタフトブラシを持っていますよ。このように、ブラシの先端の形で歯ブラシを選ぶのはいいかもしれません。磨ける部分も細かくなりますし、1回に磨ける面積が少ない分、おのずと丁寧になりますからね。

かたさは好み!大切なのは丁寧さと時間

Q2.歯ブラシのかたさは、どのように選ぶべきですか?

里村一人教授:かたさは、やわらかい・ふつう・かためのどれがいいとかではないと思います。

好みであるとか、何を目的にしているのかのケース・バイ・ケースで選ばれるといいのではないでしょうか。

磨き方がしっかりとできている場合、歯の部分だけにかたいブラシがあたっているのであればいいとは思いますが、歯肉にごしごしとあたってしまっていたら傷をつけてしまいますよね。

また、口腔粘膜疾患があるときなど、普段はかための歯ブラシを使っている方でも、そのブラシで磨くのは痛くてつらいと思うんです。そんなときは、やわらかめを選んでみるとか、そういう感じでよろしいのではないでしょうか。

ブラシの選び方よりも、丁寧に時間をかけて、上手に歯を磨きあげることの方が大切ですよ。

利き手は癖が出てしまう!たまには逆の手での歯磨きを

Q3.上手に歯磨きができるこつを教えてください

里村一人教授:歯の磨き方には癖があるので、磨き残しのある場所というのは決まってしまうんですよね。そして、そこがやはり虫歯や歯周病になりやすいんです。

ですから、私が患者さんにブラッシングの説明をするときは「10回に1、2回くらいは、利き手とは逆の手で磨いてみましょう

利き手の逆でも歯をしっかり意識して、気をつけながら磨くことでいままでの3倍くらいの時間がかかる場合もあります。

ですが、普段は癖でブラシがあたっていなかった部分にもあてることができますよ」とアドバイスしています。

5分から10分!おのずと時間がかかるブラッシング方法

Q4.何分くらい歯を磨くのがいいのでしょうか?

堤千明先生:3種類くらい別々の毛先の歯ブラシをもっていて、磨く場所によって歯ブラシを変えているんです。そうして最後に、フロスをする。だいたい5分から10分かけて全体を磨いていますね。

里村一人教授:全ての歯の面にしっかりと歯ブラシをあてて、きれいにするためには最低でも5分くらいはかかるでしょう。

しかし、「5分磨いてくださいね」といっても、磨けていないところがあっては意味がないので、歯の1本1本を意識しながらブラッシングすることが大切です。すると結果的に、5分から10分くらいはかかると思いますよ。

鶴見大学 歯学部 口腔内科学講座
里村一人教授監修
経歴・プロフィール

昭和63年3月:徳島大学歯学部卒業
昭和63年4月:徳島大学大学院歯学研究科(口腔外科学第一講座)入学
平成4年3月:徳島大学大学院歯学研究科修了 学位取得【博士(歯学)】
平成4年4月:徳島大学助手歯学部(口腔外科学第一講座)
平成7年1月:米国国立衛生研究所 (NIH, National Institute of Dental and Craniofacial Research) Visiting Fellow (長期出張)
平成13年7月:徳島大学講師歯学部附属病院(第一口腔外科)
平成15年10月:徳島大学講師医学部・歯学部附属病院(歯科口腔外科)
平成17年1月:徳島大学准教授大学院ヘルスバイオサイエンス研究部(口腔顎顔面外科学分野)
平成21年4月:鶴見大学歯学部教授(口腔内科学講座)
平成28年4月:鶴見大学歯学部長(併任) ※平成31年3月まで
平成31年4月:鶴見大学副学長(併任)
現在に至る

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鶴見大学 歯学部 口腔内科学(口腔外科学第二)講座
堤千明博士(歯学)監修
経歴・プロフィール

鶴見大学歯学部 学部助手

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執筆者:歯の教科書 編集部

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