【教授に聞く】口腔癌(がん)と細胞の関係!舌を噛みやすい人は注意

口腔がんになってしまう細胞はどういった細胞なのか、また、何が原因でがん化してしまうのでしょうか?

鶴見大学・歯学部・口腔微生物学講座・大島朋子教授にインタビューを行い、口腔がんと細胞の関係などについて解説していただきます。

※前回の記事「口臭予防にもなるマヌカハニー!何が含まれているのか、なぜ貴重なのかを解説

この記事の目次

喉の手前にできるがんは、全て口腔がん

Q1.口腔がんとは、どの部分にまでできるがんを指すのでしょうか?

お口の領域にできるもので、舌にできれば舌がん、歯肉にできれば歯肉がんと呼び、喉の手前までにできるものを全部まとめて口腔がんと呼んでいます。

細かくいうと、できる部位によって口唇(こうしん)がん、舌がん、口底(こうてい)がん、歯肉(しにく)がん(上顎歯肉がん、下顎歯肉がん)、頬粘膜(きょうねんまく)がん、硬口蓋(こうこうがい)がんなどに分けられます。

なかでも、口腔がんは、舌と歯肉にできることが多いと思いますね。

正常な細胞のがん化!考えられる原因

Q2.どういった細胞が、がん化してしまうのですか? また、なぜがん化してしまうのでしょう?

もともとその場所にいる正常な細胞で、外から来たものではないです。その正常な細胞が、何らかの原因でがん化してしまうんですね。

原因は、全身のがんと同じようにタバコやお酒が影響しているというデータや、ある種のウイルスや細菌が関係するという説があります。しかし、別の原因があるのかもしれませんし、真実はまだはっきりとは分かっていません。

あとは、舌がんの場合は、舌の同じところを何度も噛んでしまうことで、そこにがんができやすいという話もあります。ただし、舌を噛まないからといって、舌がんにならないかといったらそうではないんですね。

Q3.舌を噛みやすい場合、どういった原因が考えられますか?

口の周りの筋力が落ちているということが考えられます。そういった場合は、口の体操などをすることもいいかもしれませんね。

また、噛み合わせも影響しているかもしれません。噛み合わせが悪いなどで、舌にあたりやすい場所があり、そこを中心に噛んでしまっているということもあります。

口腔がんを早期発見するために

Q4.口腔がんは、口内炎となかなか区別できないものなのでしょうか?

長期に口内炎が治まらないときには、疑ってみるべきだと思います。口内炎は、赤くて丸くなっていることが多いと思うのですが、がんの場合はきれいな丸になっているということがあまりないです。これは、歯科医師が見れば分かることですので、相談してみてください。

そういう意味で、普段から自身の口内状況を分かってくれている、かかりつけの歯医者さんを持つということは、すごい大事だと思います。

鶴見大学 歯学部 口腔微生物学講座
大島朋子教授監修
経歴・プロフィール

鶴見大学 歯学部 口腔微生物学講座 学内教授
【略歴】
1993年~2000年:鶴見大学歯学部 助手
2001年~2008年:鶴見大学歯学部 講師
2009年~2014年:鶴見大学歯学部 准教授

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執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。