虫歯になりにくくする!家庭や歯医者さんで行う予防法

虫歯には誰だってなりたくないと思います。虫歯になった時のあの痛み、歯医者さんに行く時の暗く沈んだ気分はたまりません。歯の治療を終えたら、「もう虫歯にならないようにしなきゃ!」って強く決意しますよね。
それなのに、また虫歯になってしまった時の悲しさと言ったら…。

歯磨きで手を抜いていた方もいれば、一生懸命に歯を磨いていたのに「どうして?」という方もいると思います。どちらも悔しいでしょう。

ただ残念ながら、歯ブラシで歯を磨いただけでは虫歯予防はできないのです。

今回の記事では、知っているようで知らなかった「虫歯にならない方法」を紹介していきます。ぜひこの虫歯予防を実践してください。

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この記事の目次

1.虫歯にならないようにするための効率的な歯磨き

この章では、虫歯にならないようにするための効率的な歯磨きの方法を紹介していきます。これまでの自分自身の磨き方とどこが違うのか、ぜひ比べてみてください。

1-1 虫歯予防は酸を防ぐことから

虫歯にならないようにするためには、まず虫歯がどうしてできるのかを知っておきましょう。
私たちが糖分を含む食べ物を食べた時に、口の中にある虫歯菌が働いて酸を作ります。この酸が歯を溶かしていって、歯に穴をあけてしまうのです。つまり、虫歯を予防するには口の中の酸を取り除かなければいけません。

私たちの口の中は普段は中性なのですが、この虫歯菌の働きで酸性になってしまいます。中性に戻すことで歯の再石灰化、つまりは溶けた歯の修復が始まるのです。

1-2歯を磨くタイミングは食後30分以内に

虫歯菌は食べ終わった直後がとくに活発です。
日本人は唾液の分泌量が少なく、細菌が糖分を食べてどんどん歯を溶かしていくので、一分でも早く歯を磨く必要があります。

小腹がすいたので間食した場合も、ティッシュで歯の表面を拭いたり、甘くない水やお茶で口をゆすいだりするのがよいでしょう。

ただ、歯の表面のエナメル質が薄くなっている酸蝕症の方については、歯医者さんで指導を受けるようにしましょう。

1-3虫歯予防は歯ブラシと歯間ブラシの2本で

歯を磨く時にどれだけ時間をかけるべきなのか、悩むところだと思います。

歯磨きで大事なのは、ちゃんと歯垢(プラーク)を落とすことです。歯の面にしっかりとブラシをくっつけて何度も擦らなければ落ちません。もちろん、乱暴にやっては歯や歯茎が傷つくのでゆっくりやることを心がけましょう。

ただし、歯磨きは歯ブラシだけでは足りません。なぜなら、虫歯の9割近くが歯と歯の間からできるからです。歯ブラシでは届かないのです。

歯間ブラシを使えば、歯と歯茎の間に残った歯垢を取り除けます。
歯ブラシは2種類必要だった。これが見落としがちな虫歯予防だったのです。

【関連記事】95%の歯垢除去効果を発揮!歯間ブラシの使い方の手順5つ

2.歯を磨かない時にもできること

虫歯予防に効く手段は、歯磨きだけではありません。この章では、ガムやフッ素を用いた虫歯予防の方法についても紹介していきます。

2-1ミネラルで歯を強化しよう

歯磨きで歯垢を取り除くことだけが虫歯予防ではありません。虫歯になりにくい強い歯を作ることが大事なのです。

口の中の酸によって歯のミネラルは失われてしまいます。このミネラルが不足すると虫歯になります。そのため、補充してあげる必要があります。中でも歯と繋がりがあるのが、カルシウム、リン、マグネシウム、亜鉛です。日頃からこれらを含んだ食材を体に取り入れるようにしましょう。

2-2 虫歯予防に効くガムを噛もう

虫歯予防のためのガムといえば、キシリトールがあります。キシリトールは自然界に存在する天然の甘味料なので、虫歯菌が食べても酸を作れません。

キシリトールガムを噛むことで三つの大きな効き目が得られるのです。下記で紹介します。

①ガムを噛むことで唾液が出やすくなる

唾液は虫歯菌の出す酸を中和する作用があります。カルシウムを含んでいるので溶けた歯を修復してくれます。

②歯垢を落としやすくしてくれる

歯にべったりとついた歯垢をサラサラにしてくれるので、歯磨きで楽に落とせるようになります。

③溶けた歯の修復が早まる

唾液の中のカルシウムが溶けた歯を修復してくれる時に、キシリトールが加わることで、歯の再石灰化が促進されます。

ただし、キシリトールガムを選ぶ時は、キシリトールが50%以上配合されているガムにしましょう。歯医者さんに行けばキシリトールが100%配合されたガムを買うことができます。

2-3フッ素の力を借りよう

虫歯予防といえば、フッ素。歯に取り込まれることで酸に溶けにくい強い歯にしてくれるのです。子供から大人まで作用するので、ずっと続けることが推奨されています。

フッ素で虫歯予防をするには、フッ素が入った歯磨き粉、「フッ素洗口剤」といううがい薬、「フッ素ジェル」という、フッ素を歯に塗布する方法があります。
ただし、フッ素は適量を守らないと効き目が見込まれません。

3.虫歯になる前に歯医者さんに行くことが第一

歯医者さんへは虫歯になってから通うのではなく、予防目的で通うことが大切です。歯医者さんでは日頃の歯磨きだけでは落とし切れなかった汚れまで、クリーニングによって落とすことが可能です。

毎日のセルフケアだけではどうしても限界があります。定期的にクリーニングを受けることが大切です。
10代は一年に一回。20~30代は半年に一回。40代以上は3カ月に一回が目安です。
下記①②で詳しく説明します。

①歯の磨き残し

歯磨きでは歯垢を目で確認するのは難しいので、鏡を見ながら磨いてもどうしても落としきれていないことが多いです。
歯医者さんでは専用の薬剤を塗布することで、歯垢が落ちていない場所が特定できます。
磨き残しがなくなるにはどう磨いたらよいか、本人の歯や口内の状態に合ったブラッシング指導を受けることで技術が向上するわけです。

②歯石

磨き残した歯垢は唾液の中のカルシウムと結びつき、石のように固くなります。歯の表面にこびりついてしまうので、歯磨きだけではどうしても落とせません。
スケーラーという専用器具を使って取り除く必要があります。

4.まとめ

虫歯予防においては、セルフケアが占める割合は多いです。しかし、セルフケアだけでは守り切れません。特に歯周病は歯の周りに炎症や破壊が起きるのですが、初期段階では気づきにくいのです。

歯医者さんは虫歯になってから行くのではなく、虫歯予防のために行くという考えが大事です。結果として虫歯治療よりもかかるお金は少なく済むのですから。

経歴

歯科医歴:25年

1990年 日本歯科大学 卒業

1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務

1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。