歯茎の色の変化に要注意!原因は歯周病、生活習慣、メタルタトゥー!

皆さんは健全な歯茎について考えたことはありませんか? 健康的な歯茎は歯と歯の間の歯肉が丸みのないきれいな三角形になっています。そして色は薄いピンク色をしていますが、何かが原因で変色してしまうことがあります。

綺麗な歯茎を保つためには原因を追究して、改善させることが必要です。この記事では、歯茎の色がなぜ変化してしまうのかについて紹介していき、改善策についても触れていきます。

この記事の目次

1.歯茎の色が変化する3つの原因

この章では、歯茎の色が変化する3つの原因について説明していきます。

1-1 歯肉炎

歯肉炎を発症すると歯茎の色が赤紫色に変化してしまいます。歯肉炎は歯周病の初期段階ですが、放置すると歯周炎→歯槽膿漏と悪化していきます。知らないうちに進行していくのが歯周病の恐ろしいところで、別名「サイレントキラー」と呼ばれている所以(ゆえん)でもあります。

歯肉炎によって歯茎に炎症が起きると、歯と歯茎の間の歯根膜(しこんまく)にまで影響を及ぼしかねません。そうなると、歯茎の血流が悪くなって赤紫色へと変化するわけです。歯肉炎は早い段階で症状に気づくことが大切です。

ちなみに歯茎の変色以外の歯肉炎の症状は以下の通りとなっています。

・歯茎が腫れている
・冷たいものがしみる
・痛みを伴わないが出血する
・口臭が強くなる

1-2 生活習慣

タバコ

普段からタバコを吸う方は、タバコに含まれる有害物質(タール、ニコチン、一酸化炭素)が原因で、歯茎が黒ずんで見えるようになってしまいます。愛煙家としての期間が長いほど、そのリスクは伴います。自身が吸わなかったとしても、「受動喫煙」によって歯茎が黒くなることもあります。

また、ニコチンの作用によって血管が収縮されると血の流れが悪くなります。内臓だけでなく、歯茎にも悪影響を及ぼしてしまいます。

日頃のストレス

日頃からストレスを溜めやすい人は、免疫力が低下することで歯肉炎にかかりやすくなります。現代社会においてストレスを抱えずに過ごすことは難しいので、自分なりのストレス発散の方法を見つけることが大切です。

食事

食事は人間にとって欠かせない行為ですが、十分に噛まずに食べてしまうと唾液が分泌されにくく、細菌の繁殖を招きやすくなります。また、甘いものをよく間食する人も、口内の細菌が糖分を好んで歯垢を作り出してしまいます。食事の取り方に注意を払わないと、歯肉炎にかかるリスクがつきまといます。

1-3 メタルタトゥー

歯茎に金属の被せ物が接触し続けることで、溶けだした銀イオンが蓄積して歯茎が黒ずんで見えてしまいます。これを「メタルタトゥー」といいます。治療の際、金属を削ったときに出た細かな粒子が歯茎の内部に残って変色することもあります。

2.歯茎の色を健康なピンク色にする方法

この章では、歯茎の色を健康的できれいなピンク色にする方法を紹介します。

2-1 歯肉炎を改善させる

自宅で丁寧なブラッシングを

歯肉炎によって歯茎が変色している場合は、自宅でブラッシングする際に歯と歯茎の境目をしっかりと磨いてあげることです。歯垢が蓄積しやすい箇所を丁寧に磨いてあげることで、歯肉炎を悪化させるのを防ぎます。

歯医者さんでのクリーニング

歯医者さんでは、セルフケアでは落とせない歯垢もクリーニングによってきれいに落とすことができます。検査を受けて歯周病であると診断されたら、保険内で受けることができます。歯磨きでは落とせない歯石を「スケーリング」という手法で除去してくれます。

2-2 ガムピーリング

歯茎の黒ずみをきれいに改善させる方法として「ガムピーリング」という手法があります。歯茎の古い皮質を剥く(ピーリング:peeling)ことで、新しい皮質に生まれ変わります。きれいなピンク色の歯茎にしたいという方に適しています。

ガムピーリングの流れは、まずは歯肉をきれいに消毒してから、痛みを和らげる表面麻酔(塗る麻酔)を塗り、薬を塗布して洗浄、乾燥、という手順で行っていきます。レーザーを使った治療を行うこともあります。

ガムピーリングの後はお口の中を清潔にして、食事の際は刺激の強いものは避けるようにする必要があります。また、タバコも控えなければいけません。

3.健康な歯茎に見られる「スティップリング」とは?

歯茎が健康な状態であれば「スティップリング」が見られます。これは、歯肉がオレンジの皮の表面のようにへこみがある状態のことです。歯肉炎の症状である出血や腫れは見られず、コラーゲン繊維が良好に保たれた状態の歯茎といえます。

4.まとめ

歯肉炎を甘くみると、歯槽膿漏になって歯を失う重大なリスクを招きます。歯茎の色の変化を感じたら、歯医者さんに相談してみましょう。日頃のブラッシングや生活習慣も見直して、健康な歯茎の色を取り戻すよう努めましょう。

 

先生からのコメント

ガムピーリング(メラニン)を行う場合、メタルタトゥーはレーザーで取れますが、保険外なのでよく歯科医院で相談してください。レーザーもいろんな機種があります。数回に分けてやるものから、1回でできるものもありますので、よく調べてから行ってください。

医院情報
住所:東京都葛飾区お花茶屋2-5-16
電話:03-3601-7051

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。