歯周病

歯垢除去を自分で行う方法と歯医者さんでの効果的な取り方

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あなたのお口の中は清潔に保てていますか? 毎日しっかり歯を磨いているつもりでも、歯に付着した歯垢は溜まりやすく、歯と歯の隙間に入り込んでしまえば落とすのは容易ではありません。けれど、お口の中に歯垢が残った状態は、虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、心筋梗塞など恐ろしい病気を引き起こす原因にもなるのです。

歯垢は食べカスそのものではなく、細菌や代謝物の固まりです。そして、歯と同じような色をしているため見分けがつきにくいのが特徴です。この固まりを除去するには、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯垢が付きやすい場所や見えにくい場所を重点的にきれいにしていかなければなりません。

この記事では、歯垢が付きやすい場所を詳しく紹介し、自分で行う歯垢除去の方法、歯医者さんで行う治療法もお伝えします。ぜひ読んで参考にしてみてください。

1.歯垢とは細菌の固まり!溜まりやすい場所を重点的にケアする!

1-1 歯垢の中には「虫歯菌」や「歯周病菌」も潜んでいる

歯垢はプラークとも呼ばれ、細菌や代謝物が溜まってできた固まりです。口の中に残った食べカスが“24時間経過”すると、ネバネバとした歯垢に変化します。歯垢は1mgあたり「1億個以上」の細菌が潜んでいるといわれています。

歯垢の中には「300種類」の細菌が存在しているといわれ、その中には、虫歯を作り出してしまう「ミュータンス菌」と呼ばれる虫歯菌や、歯周病菌まで含まれています。

つまり歯垢が溜まり続けてしまえば、虫歯や歯周病に発展する可能性が高まるというわけです。また、細菌はガスまで発生させてしまうので、口臭の原因にもなってしまいます。

1-2 歯垢が溜まりやすい場所を「歯ブラシ」を使って自分で除去するやり方

歯垢はお口の中の、唾液が流れにくい場所で繁殖しやすいといわれています。そして、歯と歯の間や歯と歯茎の境目などに付着するため、取り除くには重点的なケアが必要になってきます。

下記のイラストで示した黄色い部分が、歯垢が溜まりやすい場所であるといえます。こうした場所を注意深く磨いてあげることが重要です。

歯垢のたまりやすい部分

◆落としにくい歯垢は、歯ブラシの毛先を上手に使って磨いていく!

①歯ブラシの毛先は、歯と歯茎の境目に対して「45度」に当て、細かい動きで優しく歯垢を落としていきましょう。

歯と歯茎の境目に対して「45度」

②奥歯の噛み合せの部分は、毛先がつぶれないように軽い力でブラッシングを行ってください。

奥歯の噛み合せは軽い力でブラッシング

③歯の表面を磨く場合、歯1~2本を小刻みに磨き、幅の目安は「5~10mm」が理想的です。

歯の表面は1~2本を小刻みに磨く

1-3 歯垢を赤く染め上げる『染色剤』で、磨き残しを見つけ出そう!

歯垢は白く、目視では発見しにくいこともあり、歯ブラシでの“磨き残し”がどうしても生じてしまいます。磨き残しを見つけ出す方法として、『歯垢染色剤』を用いてチェックするやり方があります。

染色剤には液体タイプやジェルタイプ、歯で噛み砕いて使うタブレットタイプもありますが、3つとも歯垢を取り残した歯の箇所が赤く染まるようになっているため、磨き残しを見つけ出すことができるのです。

◆液体タイプの染色剤は歯の隅々まで染み渡る

液体タイプの染色剤は、綿棒を使用して歯に直接液体を塗り込みます。液体タイプなので、歯の隅々まで染み渡らせることが可能です。歯垢を徹底的に除去したいという方にはおすすめのタイプです。

 

◆初めて使う方はジェルタイプがおすすめ

ジェルタイプの染色剤は、綿棒や歯ブラシに付けて使用します。歯ブラシならブラッシングと同じ感覚でジェルを塗ることができますので、初めて染色剤を使う方に最適です。ただ、歯ブラシが赤く染まってしまいますので、普段使っている歯ブラシとは別のものを使用することをおすすめします。

 

◆噛み砕いて染めるタブレットタイプは上級者向け!?

錠剤タイプの染色剤は、口の中で噛み砕き、唾液と一緒に口の中全体を染色させます。口に入れて噛み砕くだけなので気軽さはありますが、噛んだ部分だけが染まるなど、全体的に染み渡らせるのが難しいという側面があります。噛み砕いて使用しますが、「食用色素」と「食用添加物」が主な成分であるため、誤って飲み込んだとしても身体に悪影響を及ぼしません。

 

1-4 歯の隙間の磨き残しには「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」で取り除く!

歯垢が取り残される場所は、日常のブラッシングでおろそかになりがちな部分です。特に歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくい場所であるため、糸状のデンタルフロスや歯間ブラシを使って歯垢をかき取っていきましょう。

デンタルフロスは歯と歯の間に通し、斜めにスライドさせてゆっくりと前後に動かして歯垢をかき出します。このときに歯茎を傷めないように注意が必要です。歯間ブラシを使う場合は、歯と歯の間にゆっくりと挿入しながら、前後に動かして歯垢を取り除きます。

デンタルフロス(“初心者におすすめ”ホルダータイプ)

デンタルフロス 

歯間ブラシ

歯間ブラシ

「日本歯科保存学会」の学会誌『日歯保存誌』によれば、歯ブラシのみで歯垢除去を行った場合の除去率が『61%』であったのに対し、歯ブラシとデンタルフロスを併用した場合が『79%』、歯ブラシと歯間ブラシを併用した場合が『85%』という、数字的に見てもその効果がはっきりと表れています。

2.歯垢は“48時間経過”すると『歯石』になり、口臭発生や歯周病の原因にもなる!

歯垢は“48時間経過”すると、唾液の中の成分によって『歯石』と呼ばれる固まりに変化してしまいます。もし歯茎に出血が伴っている場合は、その血液と歯垢が結合して歯石に変化します。

歯石は口臭を発生させる原因にもなります。歯石は石のように固くザラザラとしているため、その部分に歯垢が付きやすくなります。歯石に付着した歯垢は歯磨きでは落としにくく、そのまま溜まり続けた歯垢が発酵することで、臭いまで発生してしまいます。これが口臭発生のメカニズムです。

また、歯茎の中に歯石が溜まってしまうと「歯周病」になるリスクが高まります。さらに、歯茎が腫れて膿まで出てきてしまうと「歯槽膿漏」となり、膿が出ることによって口臭も発生します。そして、このまま放置してしまうと骨が溶け、歯が完全に抜け落ちる最悪の状態も引き起こします。

歯垢を甘く見ていると、口臭発生の原因だけでなく、最終的には大事な歯を失う要因にもなってしまいます。毎日の口内ケアをおろそかにせず、しっかりとした対策が必要になってきます。

3.歯医者さんで行う「歯垢除去」と「歯石除去」

3-1 歯周ポケットの歯垢を歯医者さんで除去してもらう

歯と歯茎の境目にできた溝のことを「歯周ポケット」と呼んでいます。自宅での「セルフケア」だけでは、この歯周ポケットに潜んでいる歯垢を除去するのが難しくなってきます。

歯周ポケットができ始めるのは、いわゆる「歯周病」の始まりを意味しています。歯周病は歯周ポケットの中の歯垢が原因であるので、この歯周ポケットを歯医者さんできれいにクリーニングしてもらうことで、歯周病の症状を改善させます。

歯医者さんでは「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」と呼ばれる技法で歯垢除去を行ってくれます。専用の研磨剤を使い、最後に歯の健康を保つための「フッ素」もコーティングしていきます。

3-2 こびり付いた『歯石』は歯医者さんで除去してもらう!

歯にこびり付いた『歯石』は自分の力だけで除去するのは難しいため、歯医者さんでの治療が必要になってきます。歯医者さんではスケーラーと呼ばれるフック状の特殊な器具を使用した「スケーリング」と呼ばれる手法で、歯石を除去していきます。

また、スケーリングで除去しきれなかった歯の根っこの部分の歯石は、「ルートプレーニング」と呼ばれる手法で取り除いていきます。

スケーリングで歯垢除去

その他、「フラップ手術」と呼ばれる外科手術で歯石を除去するやり方があります。このフラップ手術は、歯の根っこの奥深くに付いてしまった歯石を取る治療法で、歯肉を切開して歯の根っこを露出させてから歯石を取り除いていきます。

「スケーリング」や「フラップ手術」について詳しくは『これを読めば、歯周病の治し方がわかる!』を参考にしてください

◆「マイクロスコープ」を使った歯石除去について

医院によっては「マイクロスコープ(手術用顕微鏡)」を使って歯石除去を行ってくれるところがあります。暗くて狭い「歯周ポケット」に溜まった歯石を、マイクロスコープを使って明るく照らし、拡大することで取りづらい歯石が除去しやすくなるのです。そのマイクロスコープを使った歯石除去の動画がこちらになります。

出典:youtube.com

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4.歯垢が原因で起きる「成人病」について

4-1 歯周病が原因で「動脈硬化」が促進し、最終的に『心筋梗塞』を引き起こす可能性がある!

歯垢は歯周病の原因になりますが、その歯周病菌が歯周ポケットを通じて歯肉へと入り込み、一部の歯周病菌がリンパ管を経由して血管の中に侵入すると、歯周病菌の毒素や炎症性物質が原因で「動脈硬化」が促進される可能性があります。

動脈硬化とは、血管が硬くなって狭くなってしまうことで、これが影響して「血栓」が形成されることで血管を塞いでしまい、結果『心筋梗塞』を引き起こす可能性もあるのです。

(※イラスト参照)

歯周病が原因で「動脈硬化」が促進

4-2 歯周病は『糖尿病』と結びついて互いを悪化させる可能性も!

歯垢が溜まることで起きる歯周病は、『糖尿病』と深く結びついて互いを悪化させてしまう可能性があります。まず歯周病ですが、血糖値を下げるために使われる「インスリン」の働きを抑制させてしまう作用があることから、糖尿病の症状を悪化させる原因になる恐れがあります。また、糖尿病によって歯周病菌への抵抗力が弱まるため、歯周病の悪化にもつながってしまう可能性もあります。

口内ケアをおろそかにするだけで『心筋梗塞』を引き起こすリスクを生み出し、さらには糖尿病を悪化させ、その糖尿病も歯周病を悪化させてしまう恐れがあります。歯周病は「サイレントキラー」と呼ばれ、自分の知らないうちに進行していきます。重篤な病気につながらないようにするには、気づいたときに早めの対策を行うことが肝心です。

5.まとめ

毎日の口内ケアが不十分ですと、歯垢はいつのまにか溜まってしまい、歯磨きだけでは落としにくくなってしまいます。溜まってしまった歯垢を落とすには、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも併用してケアする必要があります。

歯垢は虫歯だけでなく、歯周病まで発症させる原因になり、さらには心筋梗塞などの成人病まで誘発してしまうのです。丁寧な口内ケアこそが、あなたの歯と身体を健康に保つ大切な要素となっていくのです。

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