歯垢(プラーク)除去は自分で行う方法と歯医者さんでの取り方・費用まとめ

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毎日歯を磨いても、歯垢は完全に除去できないものです。

歯垢は虫歯や歯周病の原因になるほか、全身の病気を引き起こす要因になることもあります。

この記事では、歯垢が付きやすい場所を詳しく解説するとともに、セルフケアや歯医者さんでできる歯垢除去の方法も紹介しています。

歯医者さんで歯垢除去したいときは、自分にとって通いやすい歯医者さんを選びましょう。

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◆目次
1.歯垢(プラーク)とは
2.歯垢除去の仕方~自宅編~
3.歯垢除去の仕方~歯医者さん編~
4.自宅と歯医者さんの歯垢除去 平均相場
5.歯垢を放置すると歯石になる
6.歯垢と生活習慣病の関係
7.まとめ

1.歯垢(プラーク)とは

歯垢は、歯に付着した細菌が増殖して塊(かたまり)になったもので、プラークとも呼ばれています。

私たちの口の中には300種類以上の細菌が存在しています。
その中には、虫歯の原因となるミュータンス菌と呼ばれる細菌や、歯周病の原因となる細菌も含まれています。

虫歯の原因となる細菌は、口の中に残った食べカスを餌(えさ)にして増殖し、ネバネバした歯垢を作り出します。
歯垢には、1mgあたり1億個以上もの細菌が潜んでいると言われています。

一般的に、細菌が食べカスから歯垢を作るまでの時間は24時間程度とされています。
歯垢が残っていると、細菌がどんどん増殖し虫歯や歯周病に発展する確率が高まります。

また、細菌は食べカスといった汚れを分解する際にガスを発生させます。
このガスは、口臭の原因になります。

2.歯垢除去の仕方~自宅編~

ステップ1:歯ブラシを使って除去

歯垢は、口の中でも特に、唾液が流れにくい場所で作られやすくなります。
歯と歯の間や、歯と歯茎の境目といった部分にも溜まりやすいため、取り除くには重点的なケアが大切です。

下記のイラストで示した黄色い部分が、歯垢が溜まりやすいとされている場所です。
こうした場所を、注意深く磨いてあげることが重要です。

歯垢のたまりやすい部分

◆歯垢が溜まりやすい歯と歯茎の境目は、歯ブラシの毛先を上手に使って磨いていく!

①歯と歯茎の境目を磨く場合、歯ブラシの毛先を45度に傾けて当て、細かい動きで優しく歯垢を落としていきましょう。

歯と歯茎の境目に対して「45度」

②奥歯の噛み合せ部分は、歯ブラシの毛先をしっかり当てることが大切です。
毛先がつぶれない程度の力でブラッシングしましょう。

奥歯の噛み合せは軽い力でブラッシング

③歯の表面を磨く場合、歯1~2本ずつを小刻みに磨くようにしましょう。
歯ブラシを動かす幅の目安は5~10mm程度が理想とされています。

歯の表面は1~2本を小刻みに磨く

ステップ2:染色剤を使用し、磨き残しを発見

歯垢は白っぽく、目で発見しにくいこともあり、歯ブラシでの磨き残しがどうしても生じてしまいます。
磨き残しを見つけ出す方法として、染色剤でチェックするやり方があります。
染色剤には液体タイプ、ジェルタイプ、タブレットタイプなどがあります。

染色剤を使うと、歯垢を取り残した部分が赤く染まるため、磨き残しを見つけやすくなります。

◆液体タイプの染色剤は歯の隅々まで染み渡る

液体タイプの染色剤は、綿棒を使用して歯に直接塗り込みます。
液体なので、歯の隅々まで染み渡らせることが可能です。
歯垢を徹底的に除去したいという人におすすめです。

◆初めて使う方はジェルタイプがおすすめ

ジェルタイプの染色剤は、綿棒や歯ブラシに付けて使用します。
歯ブラシならブラッシングと同じ感覚でジェルを塗ることができるため、初めて染色剤を使う人でも使いやすいでしょう。

ただし、歯ブラシが赤く染まってしまうことがあるので、普段使っている歯ブラシとは別のものを使うことをおすすめします。

◆タブレットタイプは上級者向け

タブレットタイプの染色剤は、口の中で噛み砕き、唾液と一緒に口の中全体に染み渡らせます。
口に入れて噛み砕くだけなので手軽ですが、慣れるまでは口の中全体に染み渡らせるのが難しいかもしれません。

誤って飲み込んだとしても体に害のない、「食用色素」や「食用添加物」が主な成分です。

ステップ3:仕上げはフロスや歯間ブラシで

歯垢が取り残されやすいのは、ブラッシングがおろそかになりがちな場所です。
特に歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯垢をかき取っていきましょう。

デンタルフロスも歯間ブラシも、歯と歯の間に通し、ゆっくりと前後に動かして歯垢をかき出します。
勢いよく動かし過ぎると、歯茎を傷めてしまう恐れがあるためゆっくり動かしましょう。

デンタルフロス(“初心者におすすめ”ホルダータイプ)

デンタルフロス 

歯間ブラシ

歯間ブラシ

※「日本歯科保存学会」の学会誌『日歯保存誌』によれば、歯ブラシのみで歯垢除去をおこなった場合の除去率が『61%』であったのに対し、歯ブラシとデンタルフロスを併用した場合が『79%』、歯ブラシと歯間ブラシを併用した場合が『85%』という、数字的に見てもその効果がはっきりと表れています。

3.歯垢・歯石除去の仕方~歯医者さん編~

ステップ1:歯周ポケットの歯垢を除去

歯と歯茎の境目にある溝を「歯周ポケット」と言います。
セルフケアだけでは、歯周ポケットの歯垢を十分に除去することが難しいとされています。
歯周ポケットに歯垢が溜まったままになると、やがて歯茎が炎症を起こし、歯周病に発展してしまいます。
歯医者さんで、定期的に歯周ポケットをクリーニングしてもらうことで、歯周病の予防や改善を目指せます。

歯医者さんでは、「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning=プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」と呼ばれる方法で歯垢除去できます。
専用の研磨剤(けんまざい=歯の表面を磨くための細かい粒子)を使って歯垢を除去したり、歯の健康を保つためにフッ素を塗ったりしてくれます。

ステップ2:自分では取れない歯石を除去

歯垢をそのままにしておくと、やがて石灰化し「歯石」と呼ばれる硬い物質へと変化します。
歯石は、歯周病を招く大きな原因とされています。

歯にこびり付いた歯石は、セルフケアで除去することはできません。
そのため、歯医者さんで除去してもらうのが一般的です。

歯医者さんでは、スケーラーと呼ばれるフック状の特殊な器具を使用した「スケーリング」と呼ばれる方法で、歯石を除去していきます。
スケーリングで除去しきれない歯石は、「ルートプレーニング」と呼ばれる方法で取り除くことがあります。

そのほか、「フラップ手術」と呼ばれる外科手術で、歯石を除去することもあります。
歯茎を切開して歯の根を露出させ、歯周ポケットの奥深くにこびりついた歯石を取り除く方法です。

関連記事:歯周病の治し方!自宅でできるケアから歯医者でうける治療まで

スケーリングで歯垢除去

◆「マイクロスコープ」を使った歯石除去について

「マイクロスコープ(手術用顕微鏡)」を使って歯石除去してくれる歯医者さんもあります。
暗くて狭い歯周ポケットに溜まった歯石を、マイクロスコープを使って明るく照らし、拡大することで歯石が除去しやすくなります。

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4.自宅と歯医者さんの歯垢除去 平均相場

※自宅でおこなう場合、歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシを一度に購入してしまえば、しばらく使えるので費用はさほどかかりません。
※自費診療の費用は歯の教科書調べです。
自由診療料金表

歯医者さんでおこなう歯垢除去は、保険適用の範囲内であれば3割負担で受けることができます。
黄ばみや口臭がひどいようなら、自費診療のクリーニングも検討しましょう。

歯石をセルフケアで取り除くことは困難です。
そのため、自宅でのセルフケアに加えて定期的に歯医者さんを受診し、口の中をチェックしてもらうことをおすすめします。

歯医者さんへの通院は、3カ月に1回程度を目安にすると良いでしょう。
ただし、個人差があるため、歯石が気になる、歯や歯茎に違和感があるといった人は、早めに歯医者さんを受診しましょう。

5.歯垢を放置すると歯石になる

一般的に、歯垢は48時間経過すると石灰化し、歯石に変化すると言われています。
歯茎に出血が見られる場合、血液と歯垢が混ざり合って、歯石に変化することもあるようです。

歯石は歯垢よりも硬く表面がザラザラしているため、歯垢が付着しやすくなります。
歯石に付着した歯垢は歯磨きでは落としにくく、溜まり続けた歯垢が腐ってしまうことで、口臭の元となる臭いが発生します。

歯周ポケットの中に歯石が溜まると、歯周病のリスクが高まります。
歯茎が炎症を起こすと「歯槽膿漏(しそうのうろう)」となり、歯茎が腫れたり膿(うみ)が出たりします。
この膿は、口臭の原因にもなります。
さらに放置してしまうと、歯を支える顎の骨が溶かされ、歯が完全に抜け落ちてしまうこともあります。

歯垢を放置することは、虫歯や歯周病、口臭などの原因になるだけでなく、大事な歯を失う要因にもなってしまいます。
そうならないためにも、毎日のケアと歯医者さんでの定期健診が大切です。

6.歯垢と生活習慣病の関係

◆歯垢の細菌が原因で心筋梗塞を招く恐れも

歯垢の中の細菌が、歯周ポケットを通って歯茎の奥深くに入り込み、血管の中に侵入することがあります。
細菌が持つ、毒素や炎症を招く物質が原因となり、動脈硬化が進行する恐れがあると言われています。

動脈と呼ばれる血管の壁が厚くなったり硬くなったりすることで、血管としての働きが弱くなってしまうことを動脈硬化と言います。
動脈が狭くなり「血栓(けっせん=血管の中で固まってしまった血液)」が形成されやすくなります。
血栓が血管を塞いでしまうと、心筋梗塞といった病気を引き起こす恐れがあります。

歯周病が原因で「動脈硬化」が促進

◆歯周病は糖尿病とも結びついている

歯垢や歯石が原因で発症する歯周病は、糖尿病とも結びついていると考えられています。
歯周病は、血糖値を下げる作用がある「インスリン」の働きを弱め、糖尿病を悪化させる恐れがあるためです。

また、糖尿病によって歯周病を引き起こす細菌への抵抗力が弱まり、歯周病が悪化する恐れがあるとも言われています。
口の中のケアをおろそかにすることで、心筋梗塞を引き起こすリスクや、糖尿病の悪化、あるいは歯周病の悪化を招くリスクが生じます。

歯周病は「サイレントキラー」と呼ばれ、気づかないうちに進行していきます。
歯垢が重い病気につながらないようにするには、毎日のケアを丁寧におこなうことと併せて、定期的に歯医者さんを受診し、口の中の状態を確認してもらうことが大切です。

7.まとめ

毎日のケアが不十分なままだと、歯垢はいつのまにか溜まってしまい、歯磨きだけでは落としにくくなってしまいます。
溜まった歯垢を落とすには、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシといったケア用品を併用することをおすすめします。

歯垢は、虫歯や歯周病を発症させる原因になるだけでなく、放置することで心筋梗塞や糖尿病といった、生活習慣病の要因になってしまうこともあります。
歯と体の健康を保つためにも、この機会に毎日のケアを見直し、異常がなくても定期的に歯医者さんを受診するといった習慣を身につけましょう。

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執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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