歯周病の対処法!自宅でできるケアから歯科医院で受ける治療まで

歯周病の対処法!自宅でできるケアから歯科医院で受ける治療まで

歯周病かもしれないと感じたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。

歯周病は初期の歯肉炎の段階であれば、適切なセルフケアによって症状の改善が期待できる場合があります。

一方で、進行した歯周病では歯科医院での治療が必要になります。

ここでは歯周病に対するセルフケアと歯科医院で行われる治療について解説します。

この記事の目次

1.初期の歯周病を改善するためのセルフケア

歯周病は自覚症状が少ないまま進行することがあります。

歯ぐきの腫れや出血がみられる場合は歯周病の可能性があるため、早めの対応が重要です。

1-1 「セルフケア」で大切な3つのポイント

①毛先がやわらかめの歯ブラシを選ぶ

②自分に合った持ち方で丁寧に磨く

③歯と歯ぐきの境目を意識して磨く

 

①毛先がやわらかめの歯ブラシを選ぶ

歯ぐきに炎症がある場合は出血しやすくなっています。

やわらかめの歯ブラシは歯ぐきへ過度な刺激を与えにくく、丁寧なブラッシングに適しています。

 

②自分に合った持ち方で磨く

歯ブラシの持ち方には、

・パームグリップ(握る持ち方)
・ペングリップ(ペンを持つような持ち方)

などがあります。

どちらの場合も力を入れすぎず、小刻みに動かすことが大切です。

 

③歯と歯ぐきの境目を意識して磨く

歯周病の原因となるプラークは歯と歯ぐきの境目にたまりやすい特徴があります。

歯ブラシの毛先を歯周ポケット付近へ当てるよう意識しながら磨きましょう。

 

【歯磨き粉について】

トラネキサム酸やグリチルリチン酸の成分が入った歯磨き粉は、歯肉の炎症の軽減に作用します。
また、CPC(塩化セチルピリジニウム)等が入った洗口液も歯肉炎の原因菌に作用します。

1-2 「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」を使う

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを十分に除去できない場合があります。

歯周病_治し方_デンタルグッズ

歯間ブラシ

歯と歯の隙間が広い部分の清掃に適しています。

サイズが合わないと歯ぐきを傷つける可能性があるため、自分に合ったサイズを選びましょう。

デンタルフロス

歯と歯が接している部分のプラーク除去に有効です。

歯面に沿わせながらゆっくり動かして使用します。

炎症がある場合には出血することもありますが、症状が続く場合は歯科医院で相談しましょう。

2.歯科医院で行う治療

セルフケアだけでは十分に除去できないプラークや歯石に対しては、歯科医院での専門的な治療が行われます。

初期から中等度の歯周病では、主にスケーリングやルートプレーニングが実施されます。

スケーリング

スケーリングとは、スケーラーと呼ばれる器具を使用して歯石やプラークを除去する処置です。

歯石は歯磨きでは除去できないため、歯科医院での専門的な処置が必要になります。

歯周ポケット内部の歯石も除去することで、歯周病の進行抑制や予防につながります。

処置中や処置後に出血がみられることがありますが、これは炎症による影響であり、炎症の改善に伴い出血が減少することがあります。

ルートプレーニング

ルートプレーニングは、歯根面に付着した歯石や汚染された組織を除去し、歯根面を滑沢に整える処置です。

歯根面を滑らかにすることで、細菌やプラークの再付着を抑えることが期待されます。

スケーリングと併せて行われることが多く、歯周病治療の基本的な処置の一つです。

 

3.悪化してしまった歯周病の治し方

歯周病が進行すると、スケーリングやルートプレーニングだけでは十分な改善が得られない場合があります。

その場合には外科的な治療が検討されます。

3-1 フラップ手術

歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、歯石や細菌が深部に蓄積しやすくなります。

フラップ手術は歯肉を切開して歯根面を直接確認しながら、歯石や感染組織を除去する方法です。

歯周ポケットの改善や清掃性の向上を目的として行われます。

適応については歯周病の進行度によって異なります。

フラップ手術 治療内容と流れ

3-2 歯周組織再生療法

歯周病によって失われた歯周組織に対して、再生療法が行われる場合があります。

歯ぐきを切開し、薬剤を使用して歯周組織の再生を促すことを目的とした治療法です。

3-3 抜歯

歯周病が重度に進行し、歯を支える骨の吸収が著しい場合には、抜歯が必要になることがあります。

歯科医師は可能な限り歯の保存を検討しますが、周囲の歯や組織への影響を考慮し、抜歯が選択されるケースもあります。

 

4.全身疾患との関係

歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康との関連も報告されています。

関連が指摘されている主な疾患

・糖尿病

・心血管疾患(狭心症、動脈硬化など)

・早産、低出生体重児出産

・骨粗しょう症

・誤嚥性肺炎

 

特に糖尿病と歯周病は相互に影響し合う関係にあります。

動脈硬化は、歯周病による全身性の炎症応答の亢進が、動脈硬化の発生や進行のリスクを高める可能性が報告されています。

また、骨粗しょう症患者が歯周病になると、その炎症刺激で骨が破壊されやすくなる可能性があると報告されています。

5.まとめ

歯周病は早期発見・早期対応が重要です。

歯肉炎の段階であれば、

・正しいブラッシング

・歯間ブラシやデンタルフロスの活用

・定期的な歯科受診

によって症状の改善が期待できる場合があります。

一方で、歯周病が進行すると、

・スケーリング

・ルートプレーニング

・歯周外科治療

などが必要になることがあります。

歯周病は自覚症状が少ないまま進行することもあるため、歯ぐきの腫れや出血がみられる場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

 

【参考サイト】

・日本歯周病学会
https://www.perio.jp/

・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

・日本臨床歯周病学会
https://www.jacp.net/

・厚生労働省 標準的な歯科健診プログラム
https://www.mhlw.go.jp/

 

QAサイトで歯周病の見分け方を歯医者さんに質問している方がいますので、そちらも参考にしてみてください。

『歯周病のチェック方法』について、歯医者さんの回答を見る

飯田尚良 先生監修
経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

ページトップへ