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「歯の再石灰化」とは何?エナメル質が再生するメカニズムを解説

歯_再石灰化

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近年、「歯の再石灰化」という言葉を目にする機会が増えてきました。中には「ごく初期の虫歯なら、再石灰化で再生する」という話を聞いた経験がある人もいらっしゃると思います。果たして、本当に「歯が再生する」なんてあり得るのでしょうか?

こちらの記事では、「歯の再石灰化」と呼ばれる現象について解説しています。虫歯予防にまつわる基礎知識として、ぜひ、お役立ていただければ幸いです。

1.虫歯がはじまるメカニズムと「脱灰(だっかい)」

虫歯というのは、「虫歯菌が産生する酸によって、歯が溶けること」を意味します。「歯の再石灰化」という現象を理解するためには、まず「虫歯がはじまるメカニズム」をきちんと知る必要があります。

1-1 口の中が酸性になると、エナメル質が溶けはじめる…!

虫歯菌(ストレプトコッカス・ミュータンス)は「口の中にある糖質を乳酸に変える働き」を持っていて、口腔内を酸性に変えてしまいます。歯の表面には「エナメル質」という層がありますが、エナメル質は「pH5.5以下の酸性」で溶けはじめます。

エナメル質が溶けはじめるといっても、いきなり歯に穴が開くわけではありません。最初の時点では、「エナメル質の材料」が唾液の中に溶けだしていくだけです。ここで、「エナメル質の材料」について、少し詳しくまとめることにしましょう。

1-2 エナメル質の材料が溶ける…!「脱灰(だっかい)」とは

エナメル質を構成しているのは「ハイドロキシアパタイト」と呼ばれる物質です。リン酸カルシウムの一種で、主に3つの構成要素からできています。

ハイドロキシアパタイトの構成要素

・カルシウム
・リン酸
・水酸基

口の中が「pH5.5以下の酸性」になると、ハイドロキシアパタイトを構成する「カルシウム」と「リン酸」が唾液の中に溶けていきます。水に溶けた状態では、それぞれ「カルシウムイオン」「リン酸イオン」と呼びます。このように、エナメル質のカルシウムとリン酸が溶けだすことを「脱灰(だっかい)」といいます。

脱灰とは…

エナメル質(ハイドロキシアパタイト)

虫歯菌のせいで、唾液が酸性化!

「リン酸」&「カルシウム」が唾液の中に溶けだす…

2.脱灰しても再生可能!「再石灰化」のメカニズム

エナメル質の材料が溶けだしても、すぐに虫歯になるわけではありません。エナメル質に穴が開いていなければ、まだ虫歯にはなっていないのです。穴が開いたエナメル質は再生しませんが、脱灰しただけのエナメル質は元通りに再生することができます。「脱灰したエナメル質が再生すること」を「再石灰化」と呼んでいます。

2-1 エナメル質は脱灰と再石灰化を繰り返している!

もともと、エナメル質が脱灰すること自体はごく普通の出来事です。食後は虫歯菌の働きが活発になりますから、口腔内が「pH5.5以下の酸性」になることは珍しくありません。それどころか、食品を口にしただけで口腔内が酸性になることさえあります。「pH5.5以下の酸性食品」は数えきれないほど存在しているからです。

それでも簡単に虫歯にならないのは、なぜでしょうか? もちろん、脱灰するたびに、エナメル質が再石灰化しているからです。日ごろから、エナメル質は「脱灰と再石灰化」を繰り返しているのです。

2-2 歯は唾液の力で再生する!「再石灰化」とは何か

エナメル質を再生してくれるのは、唾液です。唾液には「カルシウムイオン」「リン酸イオン」が含まれています。脱灰のときにエナメル質から溶けだした「カルシウムイオン」「リン酸イオン」が含まれているというだけでなく、もともと「カルシウムイオン」「リン酸イオン」を含む複数のイオンが含まれているのです。

唾液は「これ以上、溶かしきれないほどのカルシウムイオン・リン酸イオン」を含んでいます。「これ以上は溶かしきれない状態」のことを「過飽和(かほうわ)」と呼びますので、この状態を指して「唾液はカルシウムイオン・リン酸イオンを過飽和に含んでいる」と表現します。

過飽和状態の「カルシウムイオン」「リン酸イオン」は、エナメル質の中に戻ろうとします。唾液の中には「これ以上、溶けられないほど存在している」ので、固体に戻ろうとする…と理解してください。

こうして、「カルシウムイオン」「リン酸イオン」は、エナメル質(ハイドロキシアパタイト)の中に戻って、再び「カルシウム」「リン酸」になるわけです。これが「再石灰化」のメカニズムです。

再石灰化とは…

唾液に含まれる「カルシウムイオン」&「リン酸イオン」

エナメル質(ハイドロキシアパタイト)の中に戻る

エナメル質が元通りに再生

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2-3 唾液には口腔内の酸を中和する性質も…!

また、唾液は酸性化した口腔内を中和する働きも持っています。食事をすると唾液の分泌量が増え、食後30~40分で口腔内は中性に戻るのです。

薬学的に表現すると、「酸性であるということ」は「水素イオン(H+)を持っていること」です。逆に「塩基性(アルカリ性)であること」は「水素イオン(H+)を持っていないこと」を意味します。

唾液には「重炭酸イオン(HCO3-)」が含まれており、この「重炭酸イオン」が酸性の原因である「水素イオン(H+)」と反応します。重炭酸イオンは水素イオンと結びついて、二酸化炭素と水に変わります。つまり、口腔内の水素イオンが失われ、その結果、酸性から中性に変化するわけです。この働きを「緩衝能(かんしょうのう)」と呼びます。

簡潔にまとめると、唾液には「歯の再石灰化を促す作用」に加えて、「歯の脱灰を抑制する作用」もあるわけです。2つの作用でエナメル質を守り、私たちの歯を虫歯菌から守り続けているのです。

3.まとめ

歯のエナメル質は、常に脱灰と再石灰化を繰り返しています。そして、エナメル質が虫歯にならず再石灰化を続けるためには、唾液の働きが不可欠です。虫歯予防を考える上では、「唾液の働きをサポートし、再石灰化を促す」という考え方が重要になってきます。

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