抜けた歯を補うのに、もっとも一般的な治療方法が、近接する左右の歯を土台にして人口の歯を渡すブリッジです。保険が適用される範囲であれば、安価で迅速な治療が可能ですが、保険の適用には細かな規定があるので、まずそれを知っておきましょう。
抜けた歯の本数や使用する素材によって、保険適用外となってしまうブリッジもあります。また、治療にかけられる費用に余裕があるなら、それ以外の選択肢もありますが、まずはブリッジのメリットを十分考慮した上で、自分にベストな治療法をチョイスしましょう。
この記事の目次
1.保険適用の条件と費用
抜けた歯をブリッジで補う場合、保険適用の範囲であれば、前歯1本あたり約2万円、奥歯1本あたり約1万円と概算できます。これが費用の目安となります。ただし、保険が適用される治療には細かな規定があるので、まずそれを把握しておくことが大切です。
1-1 保険の適用が可能な条件
歯列における適用条件
ブリッジ治療で保険が適用される条件は、下記の4つです。歯の部位によって異なってきます。「歯列番号」を記載した歯のイラストを参考にしてみてください。
- 1本または連続した2本の歯
- 前歯(1番目と2番目) ※連続して最大4本まで保険が適用される
- 支台となる歯に問題のないこと
- 両隣に歯のない一番奥の歯(7番目) ※5番目、6番目を支台にして、延長ブリッジにする
治療を施す場合、ブリッジをかける左右の土台となる歯に、最低2年間は問題がないという診断が条件となります。
使用する素材の条件
ブリッジで白い素材の歯を入れられるのは、1番から4番目の歯までとなります。金属の本体に白い硬質レジンを被せたもの(硬質レジン前装冠)です。
1-2 費用の内訳
- 診断料 2500円から3500円程度
- ブリッジをかける歯の処置費用 3500円から5000円
- 人工歯の総費用 1万3000円から2万3000円程度
- メンテナンス費用 1000円から3000円程度
診断料やブリッジをかける歯の処置費用は、保険適用外の費用と比較すると、およそ10分の1となり、格段に費用が安くなります。
人工歯の総費用は、自由診療で用いる素材によって比較対象が異なりますが、だいたい5分の1から6分の1くらいに抑えられるといえます。
2.保険適用外の費用
2-1 素材による費用の違い
1章でご紹介した条件に合わない場合は、すべて保険適用外の自由診療となり、自費負担となります。自由診療の場合は、1本あたりの総額の目安は、45万円から50万円程度です。
費用に幅があるのは、歯科医院による違いもありますが、主にブリッジとして使用する素材の違いにあります。素材の審美性や耐久性によって、費用が高くなっていきます。素材による金額の目安は下記の通りです。
- ハイブリッドセラミック 5万円程度
- メタルボンド 8万円から10万円程度
- ゴールド 10万円程度
- オールセラミック 12万円程度
2-2 ブリッジ素材の各特徴
保険適用範囲となる硬質レジンや銀パラジウムが、素材として一般的ですが、保険適用外の素材は審美性や耐久性に優れているといえます。また、金属アレルギーがある方にも使用できる素材があります。
ハイブリッドセラミック
金属をフレームとして、レジンとセラミックを混ぜあわせた素材を被せたものです。天然の歯に近く審美性は高いのですが、他と比べるとすり減りやすく、長期間の使用で変色する場合もあります。
メタルボンド
金属フレームにセラミックを焼き付けた素材となります。ハイブリッドセラミックよりも、素材に透明感があり審美性が高く、強度にも優れています。また、変色もしません。
ゴールド
見た目は金色が目立ってしまいますが、天然の歯に近い固さなので、噛み合う歯を痛めないという利点があります。また、ゴールドは金属アレルギーのある方にも安心です。
オールセラミック
審美的に、もっとも天然の歯に近い素材で、現代の素材としては、もっとも優れていると言われています。天然歯の透明感があり、変色もなく、耐久性が高く、金属アレルギーの心配もありません。
2-3 費用の内訳
- 診断料 3万円程度
- ブリッジをかける歯の処置費用 前歯5万円程度、奥歯10万円程度
- 人工歯の総費用 土台2万円程度+各ブリッジ素材の費用
- メンテナンス費用 5000円から1万円程度
前述した通り、総費用に大きく関わるのは、主にブリッジで使用する素材になります。これを総計すると、自由診療のブリッジは、1本あたりおよそ45万円から50万円程度となります。
3.ブリッジ以外の治療法とブリッジのおすすめ理由
ブリッジ以外にも、抜けた歯を補う治療法があります。ブリッジ以外の選択肢としては、部分入れ歯とインプラントが挙げられます。
この2つの治療法と費用の目安について知っておくことも、自分に合った治療法が何なのかを考えるポイントになるはずです。
さらに、ブリッジ治療をおすすめする理由もこの章でお伝えしていきます。
3-1 ブリッジ以外の治療法と費用
部分入れ歯
抜けた歯が連続して3本以上の場合には、保険の適用外となりますが、こうしたケースでは、保険適用内で部分入れ歯にすることも可能です。素材は、人工歯がレジンで、歯にかけるバネ部分が金属になります。
部分入れ歯の費用は、5000円から15000円程度となります。
インプラント
人工的な歯根を埋め込むのが、インプラントの治療ですが、費用は1本あたり30万円から40万円程度となります。
素材によっては、ブリッジの自由診療と費用的にあまり変わらない場合もあります。ブリッジの場合、ブリッジをかける歯を削らなければなりませんが、インプラントではその必要がありません。一方、ブリッジと比べて治療期間が長くかかります。
3-2 ブリッジのおすすめ理由
保険適用内であれば非常に安価であることが、ブリッジの大きなメリットです。一方、隣り合う健康な歯を削って加工しなければならないのが、大きなデメリットといえます。
とはいえ、入れ歯にはしたくないし、外科的な治療が必要となるインプラントもためらってしまうという方のために、治療費以外のブリッジのおすすめ理由をご紹介しておきましょう。
自分にとってブリッジは本当に適切な治療法なのか、もう一度確認してみてください。
治療期間が短い
部分入れ歯、インプラントと比較すると、治療期間が圧倒的に短いと言えます。早いケースであれば最低2回、1週間で処置することも可能です。一方、部分入れ歯の場合は、2週間から1ヶ月程度。インプラントでは3ヶ月から6ヶ月くらいになります。
食感を保つことができる
生きた歯は、温度を感じますし、固さや柔らかさも感じることができ、それが食感にも関わってきます。ブリッジは、生きた歯を土台にするので、固さを感じることができ、それまでと同様な食感を保つことができます。
ズレや緩みがない
ブリッジは、接着剤によって左右の歯にしっかりと固定されています。虫歯ができて接着が悪くなったりしないかぎり、安心して使用できます。インプラントは、ネジで固定されているため、緩んでしまうこともあります。
外科的な処置が不要
インプラントでは、人工の歯根を埋め込むため、歯茎を切ったり骨を削ったりといった外科的な処置が必要となります。一方、ブリッジの治療では、そのような外科的な処置がありません。
4.まとめ
抜けた歯をそのまま放置しておくのは、良くありません。ゆくゆくは、歯列全体が乱れたり、噛み合わせが悪くなったりしてしまうからです。
かといって、入れ歯やインプラントは躊躇してしまうという方は、改めて一般的な治療であるブリッジをよく知っておくべきです。
安く短期間で治療でき、信頼性も高いものですし、その後も、虫歯にならないようにしっかりとメンテナンスすれば、十分長持ちするものです。
ブリッジの費用に関して、QAサイトで質問している方がいますのでそちらも参考にしてください。
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執筆者:歯の教科書 編集部
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