ステイン除去で白い歯を!セルフケアから歯医者さんのホワイトニングまで

ステイン除去で白い歯を!セルフケアから歯医者さんのホワイトニングまで

「最近、歯の黄ばみが気になる」「歯がくすんで見える気がする」といったように、歯の色が気になることはありませんか?歯が汚れているように見える原因の一つは、歯の着色汚れ「ステイン」です。ステインが付着する原因は、加齢によるもののほか、コーヒーやカレー、赤ワイン、チョコレートといった、日常よく口にするものが挙げられます。この記事では、グッズを使って手軽にセルフケアできるステイン除去方法から、歯医者さんで白い歯にする方法まで、さまざまな方法を紹介しています。歯の着色汚れが気になる人はぜひ参考にして、自分に合った方法を見つけましょう。

この記事の目次

1.自宅でケア!ステイン除去の3つの方法

1-1市販のステイン除去グッズを使う

市販のステイン除去グッズには、シートタイプやペンタイプ、スポンジ、消しゴム、超音波クリーナーなどがあります。

価格は幅広く、500円程度で買えるものから、10,000円以上するものまでさまざまです。

使い方や目的から、自分に合ったものを選びましょう。

また、市販のグッズを使う場合は、説明書きをよく読み、用法用量を守って正しく使用しましょう。

1-2ホワイトニング専用の歯磨き粉を使う

ホワイトニング専用の歯磨き粉には、研磨剤(けんまざい=削ったり研いだりするときに使う硬い粒や粉)入りと研磨剤なしのものがあります。

■研磨剤入りの歯磨き粉の特徴

研磨剤入りの歯磨き粉は、歯のエナメル質(歯の表面を覆っている層)に付着したステインを落とす作用が期待できます。

タバコのヤニといった、頑固な汚れを落とせるほど強力な研磨剤が入った歯磨き粉もあります。

ただし、力強く磨きすぎると、研磨剤の粒子が歯のエナメル質に細かい傷をつけてしまうことがあると言われています。

歯ブラシは優しく握り、歯に当てたときに歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で、歯ブラシを小刻みに動かすようにして磨きましょう。

ブラッシングに不安がある人は、歯医者さんで正しいブラッシングの仕方を指導してもらうことも検討しましょう。

■研磨剤なしの歯磨き粉の特徴

研磨剤が配合されていない歯磨き粉には、「薬用ハイドロキシアパタイト」という成分が配合されているものがあります。

薬用ハイドロキシアパタイトは、歯に付着した汚れを吸着したり、歯の表面の細かい傷を修復したりする作用があります。

こうした作用によって、歯がもとの白さに近づくと言われています。

研磨剤のように細かい粒子が歯の表面を削るといったことがないため、エナメル質を傷つける心配もほとんどありません。

1-3.電動歯ブラシのステイン除去機能を使う

ステイン除去機能や、ホワイトニング機能がついた電動歯ブラシも販売されています。

専用のブラシに付け替えて使用するものや、ステイン除去モード、またはホワイトニングモードが搭載されたものがあります。

使い方はメーカーや機種によって異なるため、説明書や注意書きをよく読み、正しく使用しましょう。

2.歯医者さんでステイン除去する方法

2-1.PMTC

PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」の略で、「専門家が機械でおこなう口の清掃」という意味です。

歯科医師や歯科衛生士が、ラバーカップやポリッシュブラシといった専用の器具を使って、歯磨きでは落としきれないステインやその他の汚れ、歯垢などを除去します。

歯周病の治療の一環でPMTCをおこなう場合、保険診療(3割負担)となることがあります。PMTCだけを受ける場合は、自由診療となります。

そのため、費用の目安は3,000~20,000円と、歯医者さんや治療ケースによって差があります。

2-2.エアーフロー(ジェットクリーニング)でステイン除去する方法

エアーフローとは、パウダー状の細かい粒子を、空気と水と一緒に噴射させて歯に吹きつけ、ステインを除去する方法です。

PMTCで落としきれない頑固なステインには、エアーフローをおこなうことがあります。

エアーフローは自由診療に当たるため、全額自己負担となります。1時間当たり10,000円が費用目安となります。

3.きれいな仕上がりを目指すならホワイトニングの検討を

セルフケアでステイン除去することもできますが、ムラになってしまったり、期待した白さに仕上がらなかったりすることがあります。

きれいな仕上がりを目指すのであれば、歯医者さんでホワイトニングについて相談してみることをおすすめします。

歯医者さんでは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングという、2種類のホワイトニングをおこなっています。

それぞれ特徴があるので、自分に合った方法を選びましょう。

3-1.ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは、自宅にいながら一人でもできるホワイトニングです。

歯医者さんで自分の歯に合うマウスピースを作製し、専用の薬剤を使って白くします。

■施術方法

マウスピースにジェル状の薬液を入れ、歯に装着します。

薬液の量や装着時間は、薬液の濃さ、歯の状態、どの程度白くしたいかなどによっても異なります。

歯医者さんで指示された薬液の量や装着時間を守りましょう。

■使用する薬剤

濃度10~20%程度の「過酸化尿素(かさんかにょうそ)」が含まれている薬剤を使うのが一般的です。

過酸化尿素には、歯の内側からじっくりと汚れを落としていく作用があると言われています。

■仕上がり

時間をかけて歯の汚れを落とすため、白さが長持ちする特徴があります。

継続することで、オフィスホワイトニングより白くなることもあるようです。

ただし、過酸化尿素は変化が出るまでに時間がかかるとされています。

そのため、即効性は期待せず、コツコツおこなうことが大切です。

■1回の施術時間と期間

1回2~3時間ほど装着するケースが多いようです。

寝ている間に装着するものもあり、その場合、6時間程度が装着の目安となるようです。

毎日装着するように指示されることもあれば、2日に1回程度で良いとされる場合もあります。

白さを実感できるようになるまで、2~3カ月ほどかかるようです。

■費用

9,000~30,000円程度といったように、費用は歯医者さんによって大きく異なります。

詳しい料金については、歯医者さんに確認しましょう。

3-2.オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士がおこなうホワイトニングです。

■施術方法

白くしたい歯の表面に薬液を塗り、特殊な光を一定時間、歯に照射します。

光が目に入らないように、サングラスといった保護具を装着することもあります。

■使用する薬剤

濃度35%以下の「過酸化水素(かさんかすいそ)」が含まれている薬剤を使うのが一般的です。

過酸化水素には、歯の表面の汚れを素早く除去する作用があると言われています。

■仕上がり

濃度が高い薬剤を使うため即効性があり、1回の施術で白さを実感できることもあるようです。

白さを選べる点や、歯科医師や歯科衛生士が施術するため、ムラがなくきれいに仕上がる点も、オフィスホワイトニングの特徴です。

ただし、後戻り(※)が早いため、白さを保つには歯医者さんで定期的に施術を受けることが大切です。

※後戻りとは、白くなった歯が元の色に戻ってしまうことです。

■1回の施術時間と期間

30分程度連続して照射する、短時間ずつ数回に分けて照射するといったように、1回の施術時間は歯医者さんによって異なります。

時間にすると、30~60分程度が目安になります。

多くの場合、1~3回程度で白さを実感できるようです。

■費用

1回20,000~150,000円程度と、施術する歯の本数や、歯医者さんによっても費用が大きく異なります。

詳しい料金については、歯医者さんに確認しましょう。

3-3.ホワイトニングができない人や適さない人とは

ホワイトニングができない人や、適さない人もいます。

下記に当てはまらない人でも、ホワイトニングができないケースが考えられます。

歯医者さんを受診した際に、ホワイトニングが可能かどうか確認してみましょう。

■ホワイトニングを絶対にしてはいけない人

「無カタラーゼ症」の人は、ホワイトニングを絶対におこなってはいけないとされています。

ホワイトニングで使用する薬剤に含まれる過酸化水素を分解する際、「カタラーゼ」という酵素が必要になります。

無カタラーゼ症の人は、カタラーゼが体内で不足しているため、過酸化水素が分解されず体内に蓄積してしまいます。

すると、体内に潰瘍性壊死(かいようせいえし=体の組織が傷つきえぐれて死んでしまうこと)や、口の中の組織が死んでしまうといった、重い症状を招くことがあります。

ホワイトニングにおいては「絶対的禁忌症(ぜったいてききんきしょう=絶対にしてはいけないこと)」とされています。

無カタラーゼ症かどうかは、歯医者さんで調べてもらうことができます。

ホワイトニングに適していない人

次のような人は、症状が悪化する恐れがあるといった理由からホワイトニングが適さないとされています。

  • ・外傷や神経がないことが原因で、歯が変色している
  • ・知覚過敏になっている
  • ・歯に亀裂が入っている
  • ・ホワイトニングする歯に虫歯や歯周病がある
  • ・薬物の影響で、歯に薄いしま模様の色ムラや変色がある など

 ■ホワイトニングができないケース

次のような人は、ホワイトニング自体がリスクになる恐れがあるため、対応していない歯医者さんが多いようです。

  • ・歯が成長過程の段階にある(※1)
  • ・妊娠している(※2) など

※1歯が成長過程の段階にある場合、ホワイトニングが、その後の歯の成長に影響を与えることがあるかもしれないと考えられています。そのため、一般的に18歳未満の人に対するホワイトニングには対応していない歯医者さんも多いようです。
※2「妊婦さんがホワイトニングをしたことで何らかの問題が生じた」といった報告はされていないようです。しかし、ホワイトニングに使用する薬剤が、母体や胎児に影響がないと言い切れないことから、妊婦さんのホワイトニングには対応していない歯医者さんも多いようです。

■ホワイトニングによる変化が期待できないケース

ホワイトニングは天然の歯に反応する薬液や光を使用します。

そのため、差し歯や入れ歯といった人工の歯に対しては、ホワイトニングによる変化はほとんど期待できません。

人工の歯を白くしたい場合は、作り直すことを検討するのが一般的です。

4.ホワイトニング後の注意点

白さを保つには、3カ月に1度くらいのペースで歯のクリーニングをするとともに、年に1~2度のメンテナンス(再ホワイトニング、タッチアップ)をすると良いとされています。

また、ホワイトニングをした直後は、再着色しやすくなっていたり、歯の表面が傷つきやすくなっていたりすることがあります。

歯医者さんに指示された時間内は、次の点に注意しましょう。

4-1.着色しやすいものや刺激になるものは控える

ステインの原因になる「着色しやすい食品」や、エナメル質を溶かす恐れのある「酸性の食品」は控えたほうが良いとされています。

食品ではありませんが、タバコもヤニが歯に付着するため、控えた方が良いでしょう。

着色しやすい食品の例コーヒー、紅茶、コーラ、ウーロン茶、赤ワイン、カレー、ベリー類(いちご、ブルーベリー、クランベリーなど)、ぶどう、チョコレート、ケチャップ、しょうゆ、ソース、トマトソース など
酸性の食品の例かんきつ系の果物や飲料(レモン、オレンジ、ゆずなど)、お酢、お酢を使用した食品、ビタミンCが多い食品(サプリメント、アセロラ、ブロッコリーなど)、梅干し、スポーツドリンク、ヨーグルト など

5.ステインを付着させない3つの予防法

5-1.ゴシゴシ磨きをやめる

ゴシゴシと強い力で歯を磨くことで、歯の表面に細かな傷がついてしまうことがあります。

その傷に汚れが溜まると、ステインの原因になります。

歯ブラシは毛先が広がらない程度の力で軽く歯に当て、優しく磨きましょう。

5-2.食後にうがいをする

食後はうがいをして、歯に付着したステインの原因となる成分を洗い流しましょう。

5-3.ガムを噛む

ガムを嚙むことで唾液の分泌が促進されます。

唾液が持つ洗浄作用によって、ステインの原因となる成分を洗い流す作用が期待できます。

6.まとめ

ステインを除去する方法は大きく2通りあります。

手軽に入手できるグッズを使ってセルフケアする方法と、歯医者さんでおこなう方法です。

セルフケアで改善できないほどステインが付着している場合や、より白い歯を目指すのであれば、歯医者さんでステイン除去やホワイトニングについて相談してみましょう。

ただし、ホワイトニングには「絶対におこなってはいけない人」「適さない人」「効果が期待できない人」もいます。

自分がホワイトニングできるかどうか分からない人は、まず歯医者さんを受診して確認してみることをおすすめします。

住所

1986年 日本歯科大学 卒業
1988年 パール歯科医院 勤務
1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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