日本私立歯科大学協会主催「第16回歯科プレスセミナー」に参加しました

日本私立歯科大学協会主催「第16回歯科プレスセミナー」に参加しました

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日本私立歯科大学協会主催「第16回歯科プレスセミナー」に参加しました

10月28日、一般社団法人日本私立歯科大学協会が主催する「第16回歯科プレスセミナー」に参加しました。

弊社エンパワーヘルスケア株式会社は、同協会と2025年5月より事業連携を開始し、歯科医を目指す次世代に向けた「歯科医の魅力について」情報発信を行っております。

今回のセミナーは、歯科医療の現状や、社会における歯科医師の役割について改めて考える貴重な機会となりました。

歯科医療の発展を支える、私立歯科大学歯学部

羽村 章 会長

日本私立歯科大学協会は、全国17校の私立歯科大学・歯学部が加盟する団体で、歯科医学教育・研究・医療の発展を目的に活動しています。日本の歯科医師の約75%が私立歯科大学歯学部の出身であり、私立大学は日本の歯科医療を支える大きな存在となっています。

「歯科医師過剰」報道をきっかけに始まったセミナー

宇田川 信之 専務理事

このセミナーは、かつて「歯科医師過剰」「コンビニより多い歯科医院」といった報道がなされたことをきっかけに、歯科医療の現状を正しく伝える目的で平成22年度から開催されています。今回は16回目の開催で、歯科医療をめぐる社会的課題や、研究・臨床の最新動向について、さまざまな角度から発信が行われました。

本セミナーの登壇者

一般社団法人 日本私立歯科大学協会 羽村 章 会長

一般社団法人 日本私立歯科大学協会 櫻井 孝 副会長

一般社団法人 日本私立歯科大学協会 宇田川 信之 専務理事

日本歯科大学 生命歯学部 沼部 幸博 教授

山梨県甲府市 花形歯科医院 花形 哲夫 院長(神奈川歯科大学卒)

昭和医科大学 歯学部口腔生化学講座 塚崎 雅之 教授

セミナーテーマ、「歯科医師の現状」と、「口腔から考える全身の健康」

櫻井 孝 副会長

セミナーではまず、「歯科医師の現状」をテーマに、需要が高まる一方で歯科医師数が減少しているという課題が取り上げられました。

歯科医師のボリュームゾーンである50代が現役を退く2050年頃には、深刻な歯科医師不足に陥る可能性が指摘されています。すでに全国には歯科医師がいない地域が約1,250地区存在し、地域格差は拡大傾向にあります。さらに、高齢化が進む中で求められる訪問歯科診療も、対応できる歯科医院は全体の約3割にとどまり、増加が頭打ちの状況です。

一方で、歯科医師の活躍の場は広がり続けており、今後の活動領域についても紹介されました。

続いて基調講演、「口腔細菌と全身疾患の関係から考える歯科医療の未来」では、歯周病と全身疾患との関わりを探る学問分野として「ペリオドンタルメディシン(歯周医学)」が紹介されました。口腔内の細菌バランスや歯周病菌、そして炎症部位から生じる物質が体全体に与える影響について解説が行われました。

日本歯科大学 生命歯学部 沼部 幸博 教授

日本人の主な死因であるがん、心疾患、脳血管障害、誤嚥性肺炎、腎不全、アルツハイマー病の6疾患はいずれも歯周病との関連が示唆されており、今後の研究によってさらなる関係性が明らかになる可能性があるといいます。

また、口腔内と腸内の細菌環境が密接に結びついている点にも触れ、そのバランスを整えることが健康寿命の延伸につながると指摘されました。

後半のパネルトークでは、

・研究現場から見る「口の健康と全身疾患との関連」
・現場の歯科医師による「口の健康管理で全身を支える取り組み」
・「専門領域における歯科医師不足と役割拡大」

といったテーマで議論が行われました。

日本私立歯科大学協会の羽村章会長をはじめ、大学や臨床現場の先生方、研究者の皆さまが登壇し、それぞれの立場からリアルな現状と今後の展望が語られました。

花形歯科医院 花形 哲夫 院長

昭和医科大学歯学部 口腔生化学講座 塚崎 雅之 教授

歯科医師は、街の「かかりつけ医」として地域に寄り添うという大切な役割に加えて、今後は、口腔から全身の健康を支えるという歯科ならではのユニークネスをもち、さらに予防や研究など幅広い分野での活躍が期待されます。(次回は、「歯科医師の現状」について詳しくお伝えします。)

私たちにできること

エンパワーヘルスケアは歯科医院の検索・予約サイト「EPARK歯科」を運営する企業として、単に予約システムを提供するだけでなく、こうした歯科医師の魅力や歯科医療の価値をより多くの方に届けるため、EPARKグループ会員への情報発信やSNSでの啓発活動を行っています。

これからも、歯科医師となりうる次世代への魅力発信や歯科医療の最新情報の発信を通じて、医科歯科連携の促進と業界の発展、次世代の人材養成に貢献していきたいと考えています。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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