【教授に聞く】口腔カンジダ症とはどんな病気?原因や症状、治療方法、ほかの病気との関係性を解説

【教授に聞く】口腔カンジダ症とはどんな病気?原因や症状、治療方法、ほかの病気との関係性を解説

口腔カンジダ症について、鶴見大学歯学部口腔内科学講座・里村一人(さとむらかずひと)教授と堤千明(つつみちあき)先生にインタビュー。

誰もが持っている常在菌の一種・カンジダ菌によって引き起こされる口腔カンジダ症ですが、どのような症状が現れるのか、原因は何なのかなど解説していただきます。

また、口腔カンジダ症とほかの病気の関係性についても教えていただきます。

この記事の目次

口腔カンジダ症とは?症状や原因を解説

里村一人教授

Q1.口腔カンジダ症にかかると、どういった症状が現れるのでしょうか?

堤千明先生:主に痛みが出たり、発赤(ほっせき)といって粘膜が赤くなったり、人によっては白い膜が張ったりするような形で症状が出ます。

食事を摂りづらいといった影響が出てくるほか、喉の粘膜にまで感染してしまうと、嚥下(えんげ)時の違和感や疼痛(とうつう)が生じてきます。

里村一人教授:口腔粘膜の上に白い斑点、コケのように広がる偽膜(ぎまく)は、急性偽膜性カンジダ症といいます。その特徴である白い膜みたいなものは、ちょっと擦ったら取れます。

取れた箇所は粘膜の一部が少しそげたような状態になり、痛みを感じる状況になるんですね。

Q2.口腔カンジダ症は、どのような原因で発症してしまうのでしょうか?

堤千明先生:口の中には、いろいろな微生物が叢(そう)をなして、バランスを保って住んでいます。これによって一定の微生物が感染を引き起こすことがないように制御されています。

しかし何らかの原因で身体の免疫力が低下すると、カンジダ菌が異常に増殖してしまい、感染を引き起こしてしまうということがあるんです。

里村一人教授:もともとカンジダ菌というのは、強い病原性のある菌ではないんです。

しかし、高齢であるとか、抗がん薬による治療をしているとか、身体の免疫力や抵抗力が低下するような状況になると、あまり病原性の強くなかったカンジダ菌が増えてしまい、これが口腔粘膜に感染すると口腔カンジダ症になってしまいます。

このように、身体全体の免疫力が低下しているときに、基本は病原性の強くない菌が起こす感染症を“日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)”といいます。

基本は悪さをしていない菌なのですが、弱みにつけ込むことで感染が成立するんですね。

また抗菌薬などを、何らかの治療のために使うことで口腔細菌叢のバランスが崩れてしまうことがあります。抗菌薬を使用すると、その抗菌薬が効く口腔内細菌が減少します。

一方、抗菌薬は真菌(いわゆるカビ)には作用しないんですね。そのため、真菌であるカンジダ菌の数が相対的に増えてしまい、カンジダ症を引き起こしてしまうんです。

こういった身体の抵抗力はあるけれども、抗菌薬を使用したことで、ある種の細菌だけが減ることにより、もとのバランスが崩れしまう現象を菌交代現象(きんこうたいげんしょう)といいます。

そして、この菌交代現象によって発生する病気は菌交代症(きんこうたいしょう)と呼ばれます。抗菌薬の長期使用時にみられる口腔カンジダ症は、菌交代症の代表といえますね。

どういった背景で口腔カンジダ症になるのかということですが、日和見感染症としての口腔カンジダ症も、菌交代症としての口腔カンジダ症も症状は同じで、カンジダ症自体に対する治療方法もほとんど変わりません。

カンジダ菌を減らす治療法

堤千明先生

Q3.口腔カンジダ症では、どのような治療が行われるのでしょうか?

堤千明先生:抗真菌薬を使用して、カンジダ菌を減らすという治療が行われます。そうすることで症状は治まっていきますね。

口腔カンジダ症とほかの病気の関係性

Q4.口腔カンジダ症が、ほかの病気につながることはあるのでしょうか?

堤千明先生:超高齢化社会の進行に伴って、口腔カンジダ症を有している高齢者も多くなってきています。このような方の中には、嚥下機能が低下している方も多く、カンジダ菌を含む唾液などを誤嚥(ごえん)してしまうと、真菌性誤嚥性肺炎につながる可能性もあります。

鶴見大学 歯学部 口腔内科学(口腔外科学第二)講座
堤千明博士(歯学)監修
経歴・プロフィール

鶴見大学歯学部 学部助手

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鶴見大学 歯学部 口腔内科学講座
里村一人教授監修
経歴・プロフィール

昭和63年3月:徳島大学歯学部卒業
昭和63年4月:徳島大学大学院歯学研究科(口腔外科学第一講座)入学
平成4年3月:徳島大学大学院歯学研究科修了 学位取得【博士(歯学)】
平成4年4月:徳島大学助手歯学部(口腔外科学第一講座)
平成7年1月:米国国立衛生研究所 (NIH, National Institute of Dental and Craniofacial Research) Visiting Fellow (長期出張)
平成13年7月:徳島大学講師歯学部附属病院(第一口腔外科)
平成15年10月:徳島大学講師医学部・歯学部附属病院(歯科口腔外科)
平成17年1月:徳島大学准教授大学院ヘルスバイオサイエンス研究部(口腔顎顔面外科学分野)
平成21年4月:鶴見大学歯学部教授(口腔内科学講座)
平成28年4月:鶴見大学歯学部長(併任) ※平成31年3月まで
平成31年4月:鶴見大学副学長(併任)
現在に至る

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執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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