口角炎の治し方!真菌?細菌?原因別に一般的な対処法を紹介

口角炎_治し方

301view

口角(唇の両端)が荒れて痛い…ということはありませんか? それは、単なる「ひび割れ」ではなく、口角炎かもしれません。口角炎になると「口を開けた拍子に唇の両端が切れる」などの問題が起こります。

口内炎に関する情報がたくさんあるわりに、口角炎の情報を記載しているwebサイトは少ないように感じます。そこで、こちらの記事では「口角炎の特徴」「一般的な治し方」を解説することにしました。

【関連記事】口角炎が治らない!?原因・治療法などの知識を総まとめ

1.口角炎の悩みを解消~原因と治し方

口角炎というのは、「口角に生じた炎症の総称」であり、特定の病気を指す病名ではありません。要するに、「口角炎はこれが原因」と1つに特定することができないのです。とはいえ、数え切れないほどたくさんの原因がある…というわけでもありません。口角炎の原因は、おおむね4つに大別することができます。

当然ながら、原因が異なれば、治し方も変わってきます。この章では「原因別に見た口角炎の治し方」を確認することにしましょう。

1-1 カンジダ性口角炎の治し方

口角炎の代表的な原因として、「カンジダ菌への感染」があげられます。カンジダ菌は口腔内にもともと棲んでいる常在菌の1つで、真菌と呼ばれる仲間に属しています。真菌というのは、わかりやすく言うならカビです。「口腔内に棲んでいるカビ」と認識してください。

カンジダ菌による口角炎を治すときは、抗真菌薬を用います。抗真菌薬は真菌の生育を抑えて、真菌感染症の治癒を促進する薬剤です。

カンジダ感染症に多用されるのは、「アゾール系」の抗真菌薬です。アゾール系は「シトクロムP450」と呼ばれる酵素の働きを阻害することで、真菌の生育を抑えます。シトクロムP450は「カビが有する植物性細胞膜の合成に必要な成分―エルゴステロール」を合成するために必須の酵素だからです。

そのほか、「真菌の細胞壁を構成する成分―β-Dグルカン」の合成を阻害する抗真菌薬も、カンジダ菌に対して効果的です。こちらの作用機序を有する抗真菌薬は「キャンディン系」と呼ばれます。ただ、キャンディン系の薬は点滴用であり、カンジダ菌が内臓に感染した場合など(深在性真菌症)に用います。口角炎・口内炎など表在性の真菌症には用いられません。

重要なのは、「真菌に抗生物質は効かない」という事実です。抗生物質が奏効するのは真正細菌(一般に細菌と呼ばれる菌)であり、真菌ではありません。真菌と真正細菌は口腔内で縄張り争いをする関係にあるので、真正細菌が減ると真菌が増加します。カンジダ感染症に抗生物質を用いると、ライバルのいなくなった真菌がさらに増殖し、むしろ症状は悪化してしまいます。

1-2 細菌性口角炎の治し方

世間一般には「口角炎の原因はカンジダ菌」と認識している人も多いですが、一概にそうとも言い切れません。細菌感染による口角炎も存在するからです。口角炎の原因菌となる細菌には、ブドウ球菌・連鎖球菌などが挙げられます。

真正細菌の感染症なので、治療には抗生物質を用います。ブドウ球菌・連鎖球菌はいずれも「グラム陽性球菌」と呼ばれる仲間なので、グラム陽性球菌に効果的な「テトラサイクリン系抗生物質」「フシジン酸ナトリウム(商品名:フシジンレオ)」などが用いられます。

ちなみに、真正細菌にはグラム陽性球菌、グラム陽性桿菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌といった種別があります。抗生物質によって作用する細菌と、作用しない細菌があるので、抗生物質なら何でも良い…というわけではありません。

1-3 アトピー性口角炎の治し方

アトピー性口角炎は、「アトピー性皮膚炎の症状が口角に生じたもの」を意味します。一般にアトピー性皮膚炎は「原因のはっきりしない皮膚炎」と言われますが、ある程度の原因がわかってきています。アトピー性皮膚炎の原因として有力視されているのは、「表皮バリア破綻説」です。

表皮の角質層には、角質細胞と「角質細胞の隙間を埋める細胞間脂質」が存在します。細胞間脂質は「水分と脂質を重ね合わせた構造(ラメラ構造)」をつくり、表皮の水分量を維持しています。また、角質細胞の細胞質は「フィラグリン」という物質で満たされており、このフィラグリンはNMF(天然保湿因子)として角質層の水分量を維持しています。これらが、「角質層の水分を保持し、外部刺激をシャットアウトする表皮バリア」として機能しているのです。

しかし、細胞間脂質のラメラ構造が破綻したり、角質細胞のフィラグリンが不足したりすれば、表皮バリアの機能は低下します。結果、外部刺激に弱くなり、表皮の水分量が低下していくのです。バリア機能が失われると、外部刺激によって容易にアレルギー反応を起こすようになります。その結果が、カサカサして炎症を起こす「アトピー肌」というわけです。

とはいえ、原因がわかっても、今のところ「原因を取り除く、根本的な治し方」は確立されていません。炎症を抑えて、かゆみ・痛みなどを改善する対症療法をおこない、治癒を待つしかないのです。

さて、アトピー性口角炎の治療法は、アトピー性皮膚炎と同じ方法になります。「ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)」または「タクロリムス軟膏(商品名:プロトピック)」などを用いるのが一般的です。

1-4 接触性口角炎の治し方

接触性口角炎は「接触性皮膚炎の症状が口角に起きたもの」です。こちらも「感染を伴わない炎症」ですが、アトピーと異なり、「表皮バリア機能の低下」が要因ではありません。接触性口角炎は、さらに2種類に細分化できます。それぞれ「一次刺激性接触性口角炎」と「アレルギー性接触性口角炎」と呼ばれています。

一次刺激性接触性口角炎

洗顔料・化粧品などに含まれる化学物質が原因の口角炎です。化学物質の毒性による炎症ですから、「炎症の程度」と「原因物質の毒性」は比例します。

アレルギー性接触性口角炎

何らかの物質がアレルゲンになり、アレルギー性の口角炎を起こしている状態です。「何がアレルゲンになるか」は人それぞれで、「炎症の程度」と「原因物質の毒性」に相関関係はありません。実際、食品・金属など、ほかの人には無害な物質でも、アレルギーを起こす人がいます。

いずれの場合も、根本解決を図るには「原因物質との接触を避けること」が第一です。ただ、当座の炎症を抑える対症療法も必要で、多くは「ステロイド剤」が選択されます。かゆみ・痛みが強い場合は、「抗ヒスタミン薬」を内服することもあります。

2.自宅でできる!軽い口角炎の治し方

ここまで、医療機関における治療法を解説してきましたが、軽度の口角炎であれば、自宅で経過観察をしながら自然治癒を待っても構いません。その場合でも、治癒を促進する「治し方」は存在しています。

刺激の少ない石鹸・洗顔料で口角を清潔に保ち、「白色ワセリン」などを塗布して保湿する…という方法です。基本的に、軽度の口角炎なら「患部を清潔にして保湿」という処置で軽快していきます。

ただし、2週間が経過しても改善が見られないなら、単なる口角炎ではないかもしれません。念のため、医療機関を受診したほうが賢明でしょう。

3.まとめ

基本的に、ちょっとした口角炎なら、自宅で経過観察しているうちに治癒します。ただ、長期間にわたって治らない場合は、医療機関を受診したほうが良いと思います。

逆に「これだけはNG」となるのが、「自己判断による抗生物質の塗布」です。市販薬の中にも、抗生物質入りの軟膏はたくさんあります。しかし、本文中で解説したように「真菌感染症に抗生物質を塗ると悪化する」という性質があることを忘れてはいけません。

医療機関を受診しなければ、真菌感染と細菌感染の判別は不可能です。自宅での治療は「患部を清潔にして保湿する」という段階にとどめてください。

コージ歯科_口角炎_治し方

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):
ページトップへ