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歯ブラシの正しい選び方は?歯ブラシのタイプ別・年代別に徹底解説!

歯ブラシ 選び方
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「歯ブラシって種類がたくさんあるし、何を基準に選んでいいかわからない・・・」と迷って、けっきょく価格や見た目で選んではいませんか?

ひと口で「歯ブラシ」と言っても、毛の硬さは「かため」「ふつう」「やわらかめ」、毛の細さだって「太い」ものから「極細」まで、さらにはヘッドの大きさだって違います。そんな多種多様な歯ブラシだからこそ、自分のお口の状態に合ったものを選ぶことがとても大切です。ぴったりの歯ブラシを選ぶことで歯磨きの効率を上げることができ、逆に合っていないものを選ぶと磨き残しの原因になり、虫歯や歯周病を引き起こしてしまうことだってあります。

この記事では、どんな歯ブラシを選べば良いのか、選び方のポイントを歯ブラシのタイプ別、また使用する年代別にご紹介します。ご自分のお口の状態に合わせたぴったりな歯ブラシ選びの参考にしてください。

▼目的別、歯ブラシ選びのポイント

歯周病予防 毛はやわらかめ・細め
虫歯予防 毛はかため~ふつう/ヘッドは小さめ
赤ちゃん用 乳歯が生えてくるまではガーゼを使用/毛はやわらかめ・短め/ヘッドは小さめ
子供用 毛はやわらかめ・短め/柄は握りやすいもの
大人用 目的に合わせて選択/毛は子供用よりも硬くて長いものが一般的
高齢者用 毛はやわらかめ・細め/電動歯ブラシも検討すると◎

以下で、詳細をご紹介していきます。

1.歯ブラシ選びが大切な理由

自分に合った歯ブラシを選ぶことがなぜ重要かというと、歯ブラシが合っていないときちんと磨けず、口内トラブルの原因となるからです。お口の大きさや歯の形に合っていない歯ブラシでは、細かい隙間に入った汚れに届かず、磨き残しができてしまいます。その磨き残しが歯垢や歯石となり、虫歯や歯周病などを引き起こす原因となるのです。

特に注意が必要なのが歯周病。最悪の場合、歯を失う原因にもなってしまう歯周病を予防するには、毎日の丁寧な歯磨きがとても大切なのです。

2.歯周病ケアの大切さ

2-1.歯周病になる原因

40代以上の約8割が歯周病だと言われている日本では、中高年で歯を失う原因の第一位がこの歯周病です。

歯そのものに菌が侵食する虫歯と違い、歯周病は歯を支える歯茎などの周辺組織が菌に侵されていきます。プラークが歯と歯茎の間に溜まって歯石となり、それが蓄積されることで歯周ポケットが深くなっていくと、そこで歯周病菌が繁殖するのです。繁殖した菌によって歯肉が炎症した状態が歯肉炎、歯の根元まで炎症が広がって歯根がぐらつき始める状態を歯周炎と呼びます。

2-2.歯周病になるとどうなる?

歯周病は、症状によって大きく「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。歯肉炎を放ってひどくなった状態が歯周炎です。歯周炎になると歯磨きのときに歯茎から出血したり、歯周ポケットに膿が溜まって口臭の原因になったりします。

▼歯肉炎
・歯茎が腫れる
・痛みがあり、むず痒い

▼歯周炎
・歯茎が腫れ、下がる
・痛みがある
・歯磨き時に出血することも
・歯周ポケットに膿が溜まり、口臭の原因になる

歯肉炎・歯周炎イラスト

 

2-4.歯周病を予防するには?

歯周病を予防するために重要なこと、それはなんと言っても「毎日のオーラルケア」です。まずは磨き残しを無くしてプラークを除去すること、そして歯周ポケットに歯石を蓄積させないこと。定期的に歯医者さんへ検診に行き、クリーニングしてもらうことも大切ですが、やっぱり一番は毎日の歯磨きを自分に合った歯ブラシで丁寧に行いましょう。

3.歯ブラシは特徴で使い分ける

歯ブラシには毛の硬さやヘッドの大きさ、柄の形などなど、その用途によって様々なタイプがあります。種類が多い分どれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。ここでは、歯ブラシの特徴によってどんな人に合っているか、どんな使い分けができるかをご紹介していきます。

歯ブラシ 選び方

3-1.毛の硬さの選び方

歯ブラシの毛の硬さには、「かため」「ふつう」「やわらかめ」があります。その中でも、一般的におすすめなのは「ふつう」タイプです。歯垢を落とすことだけを考えれば、「かため」>「普通」>「やわらかめ」の順で落としやすくなります。

ただ、毛の硬さが硬ければ硬いほど歯や歯茎がすり減りやすくなるので、「かため」を選ぶと歯垢が落としやすくなる分、歯や歯茎がすり減ってしまうことも。1度削られてしまった歯や歯茎を再生することは難しいので、歯磨きをするときはゴシゴシ擦りすぎず、ご自分の力加減に合わせて毛の硬さを調節するといいでしょう。

「やわらかめ」は歯茎を傷付けにくいので、歯茎が弱い方、歯周病で血が出やすいという方にはおすすめです。その分汚れが落ちにくいので、丁寧に磨くようにしましょう。逆に、「かため」は普段の磨き方が弱めという方におすすめです。

3-2毛先の選び方

一般的には、毛先が平らになっているものがおすすめです。山切りカットのように毛先の切り口がギザギザになっているものだと、しっかりと歯に当たらず歯垢が除去しづらいのですが、毛先が平らになっていると圧力が均等にかかり、きちんと先端を歯に当てて磨くことができます。

歯ブラシ 毛先

毛先の太さは、太めの方が硬くなってしまったプラークなどを除去するのには向いていますが、特に歯周ポケットのケアを念入りにしたいという方には、細めのタイプをおすすめします。細めの毛先が歯周ポケットの間に入りやく、また、コシの弱い極細の毛先の方が必要以上に歯肉を擦って傷つける心配がありません。

3-3柄の形の選び方

一般的には、柄の形(持ち手)はストレートで突起の無いものがおすすめです。ただ、奥歯など細かい部分が磨きやすいように柄が曲がっているものもあります。このあたりは個人の好みにもよりますが、持ってみて余計な力が入らず、手にフィットするものを選ぶのが一番です。デザインよりも持ちやすさを重視して選ぶのが重要なので、実際に使ってみて、どんな角度でも持ちやすく、しっかりと力が入るものを選びましょう。

3-4ヘッドの選び方

一般に口にあう適正サイズとされているのは、縦が植毛3列、横が2~2.5cmくらいのものです。ヘッドが大き過ぎると奥歯や細かい部分に毛先が当たりにくく、磨き残しができやすくなります。なので、ヘッドの大きさは大き過ぎないものを選びましょう。

歯ブラシ ヘッドの大きさ

ただ、ヘッドが小さい歯ブラシは細かい部分まで磨ける一方、磨くのに時間がかかります。歯磨きがめんどうになってやめてしまっては元も子もないので、無理に小さいヘッドのものを選ぶ必要はありません。また、小さいヘッドの歯ブラシだと扱いにくいというご年配の方にも、大きめのヘッドの歯ブラシは向いています。

3-5毛の材質の選び方

歯ブラシの毛の材質もいろいろありますが、一般的に多く販売されている透明なナイロン素材がおすすめです。より良いものを使いたいという方には、ナイロン素材よりも耐久力のあるPBT毛材(ポリブチレンテレフタレート)というものもあります。

歯ブラシの毛には動物の毛のものがありますが、動物の毛はナイロン素材に比べてコシが無いため、歯垢が落としにくいです。また、たんぱく質でできているため、口腔内細菌が付着しやすく、不潔になりやすいのも特徴です。

ただ、動物の毛は、復元力が強くナイロン素材のように、使っているうちに広がってしまうという欠点が少なく、長持ちします。コシがない分、歯茎や歯を傷つけにくいため、歯茎が弱っていてあまり力を入れすぎた磨き方ができない人には向いている歯ブラシです。

4.年代別、歯ブラシの選び方

年代によって人のお口の大きさや形は大きく変化していきます。当然、使う歯ブラシも年代に合わせて変えていくべきです。ここでは、特に歯ブラシ選びに注意が必要な赤ちゃん、ご年配の方を中心に、どんな歯ブラシを選んだら良いかをご紹介します。

4-1赤ちゃんのための歯ブラシの選び方

赤ちゃんが歯ブラシを使い始めるのは上下の歯が生えてくる1歳前後です。それまでは親御さんが指にガーゼを巻いて赤ちゃんのお口の中を優しく拭ってあげるくらいで十分。この頃にお口の中に異物が入ることに慣れておけば、歯ブラシもスムーズに始めることができますよ。

赤ちゃんの頃に使用する歯ブラシは、お口のサイズに合っていて小さい乳歯も丁寧に磨けるように、ヘッドの小さいものを選びましょう。生えたての乳歯は特にやわらかく、歯茎も弱いので毛も短くやわらかいものがおすすめです。

赤ちゃんが自分で歯ブラシを持つことができない1歳頃は、お父さんお母さんが抱っこした状態で磨いてあげましょう。1歳後半から2歳くらいになると、自分で水を吐き出せるようになるので、その頃からフッ素入りの歯磨き粉を少量ずつ使って慣れさせていくと虫歯予防に効果的です。

4-2子供のための歯ブラシの選び方

自分で歯ブラシを持って歯磨きができるようになった頃に子供に持たせる歯ブラシは、引き続きヘッドが小さく、毛のやわらかいものを選びましょう。小さい手でも安定するように柄が握りやすいタイプがおすすめです。

子供 歯磨き

そして、この頃にとても重要なのが仕上げ磨き!やわらかく虫歯になりやすい乳歯時期はもちろんですが、生え変わったばかりの永久歯も虫歯になりやすいので、お子さんが自分で磨いた後は必ずお父さんお母さんが仕上げ磨きをしてあげましょう。永久歯が生え変わる小学校高学年まで続けるのが理想です。

4-3大人のための歯ブラシの選び方

大人用と子供用の歯ブラシで大きく違う点は、ヘッドの大きさと毛の長さです。ヘッドの大きい大人用の歯ブラシを子供が使っても、お口のサイズに合わずにすみずみまで磨くことができません。逆に、子供用の歯ブラシでは毛が短すぎるので、成長した大人の歯と歯の間の汚れまで十分に落とすことはできないのです。

また、大人用の歯ブラシはとても種類が多いので、好みや目的に合わせて選ぶことができるのも特徴です。例えば歯磨きのときに力が入りすぎてしまう人は毛のやわらかいタイプがおすすめですし、歯周病予防を重点的にしたい人は毛の細いタイプがおすすめです。

4-4高齢者のための歯ブラシの選び方

年齢を重ねてくると歯茎が弱まってくるため、なるべく傷つけないように毛先はできるだけやわらかい歯ブラシを選ぶといいでしょう。ヘッドは小さい方が小回りは利きますが、力加減の調節が難しい場合は無理に小さめの歯ブラシを使うことはありません。また、持ち手部分は太く持ちやすいものだと、握りやすく安定します。

また、電動歯ブラシを併用してみるのもおすすめです。高齢になると分泌される唾液の量が減るため、口内にプラークが溜まりやすくなります。電動歯ブラシであれば、手を小刻みに動かす必要が無いので、あまり手に力が入らなくなってきたという方でも効率的にプラークを除去することができます。ただ、電動歯ブラシは口内での振動に違和感を覚える方もいるので、使用を検討している人は早めに試して慣れておくといいかもしれません。

5.知っておけば役に立つ!歯ブラシの知識

歯ブラシはデリケートなお口の中で毎日使うものだからこそ、いつも清潔な状態で使いたいですよね。また、デンタルフロスなど、通常の歯ブラシとはまた違ったタイプのものもあり、どう使えばいいか迷ってしまうこともあると思います。ここでは、そんな知っておくと役に立つ、歯ブラシに関する豆知識をご紹介します。

5-1歯ブラシの交換時期は?

歯ブラシは1ヶ月に1本のペースで交換しましょう。「毛先が広がってきた」、「透明なブラシが白く濁ってきた」が歯ブラシ交換のサインです。歯ブラシは使っているうちに、だんだんと弾力が失われ、毛先が開いていきます。すると、歯ブラシが目的の場所に当たらず、歯垢を落とす力が著しく低下します。同じ時間をかけて磨いても、毛先のしっかりした歯ブラシで磨くのと比べて、6割程度しか汚れを落とせないという調査結果もあるほどです。また、歯ブラシは毛が密に植えてあるので、洗ったあとに付着した口腔内の様々な細菌が毛の中に残ってしまう恐れがあります。口腔衛生のためにも1ヶ月に1本の交換をおすすめします。

歯ブラシ 交換時期

5-2歯の間の歯垢を落とす、デンタルフロス

歯磨きのときに合わせて使ってもらいたいのが「デンタルフロス」です。歯の間は歯ブラシだけでは歯垢を落としきれません。歯の間は歯垢がつきやすく、虫歯や歯周病が発生しやすい場所になります。通常の歯ブラシだけでは入り込めない細い隙間にデンタルフロスを差し込み、歯垢を丁寧に掻き出すことが虫歯や歯周病の予防に効果的なのです。初めて使う方には糸ようじタイプが扱いやすくておすすめですよ。

デンタルフロスが毎回同じ箇所で、ひっかかったり、ほつれたりする場合は、そこに歯垢が溜まっていたり、虫歯ができている可能性があります。2週間ほど毎日デンタルフロスを使ってみて、状況が変わらない場合は虫歯の可能性が高いので、悪くなる前に歯科医院へ検診に行きましょう。

5-3奥歯や親知らずを簡単に磨ける、タフトブラシ

奥歯や親知らず、歯並びの悪い箇所を磨くのに最適なのがタフトブラシです。タフトブラシはコシが強く短い毛先の付いた小さな歯ブラシで、ブラシの先が少し曲がっているのが特長です。通常の歯ブラシでは磨きづらい、奥歯や親知らずなどを簡単に磨くことができます。

5-4電動歯ブラシと手磨きはどっちが良いのか?

結論から言うと、どちらでも正しく磨けていれば、歯の汚れはしっかり落とすことができます。電動歯ブラシは自動でブラシが動くので、高齢者などうまく手を動かせない方に適しています。ただ、電動歯ブラシは手磨きと動かし方が違い、手磨きと同じ動かし方ではかえって磨き残しができてしまうので扱いには慣れが必要です。

また、電動歯ブラシのほうが早く爽快感を得ることができるため、磨いた感覚になりやすく、歯磨きの時間が不十分になりがちです。電動歯ブラシは正しい磨き方をすれば、手磨きでよりも短時間で汚れを落とすことはできますが、利用する場合は正しい磨き方をしっかりと覚えることが大切です。電動歯ブラシの使い方を下記の記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

▼電動歯ブラシの磨き方
これが、電動歯ブラシの効果的で正しい使い方!

6.まとめ

いかがでしたか?一言で「歯ブラシ」と言っても、いろいろなタイプのものがありますね。毎日の歯磨きで使うものだからこそ、自分の年齢や状態に合った1本を選ぶことがとても大切なのです。歯医者さんで定期的に検査してもらうことはもちろんですが、まずは虫歯・歯周病予防の第一歩として、毎日の歯磨きに使う歯ブラシを見直してみてはいかがでしょうか?ぴったりの歯ブラシを探して、毎日のオーラルケアを効果的に行っていきましょう。

 

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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