電動歯ブラシの使い方の基本!歯磨き粉は?交換時期は?疑問を解説

電動歯ブラシの使い方の基本!歯磨き粉は?交換時期は?疑問を解説

「電動歯ブラシの使い方、これで合っている?」「自分に使いこなせるかな?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。せっかく電動歯ブラシを購入する(した)なら、使い方をマスターして毎日のブラッシングをよりよいものにしたいところです。

この記事では、振動式の電動歯ブラシの基本的な使い方を中心に、歯磨き粉の選び方やヘッドの交換時期の目安なども解説しています。

※電動歯ブラシは、メーカーや機種によってそれぞれ使い方が異なります。詳しい使い方などについては、メーカーのサイトなどを参考にしてください。

この記事の目次

1.電動歯ブラシの基本的な使い方

電動歯ブラシは、手動の歯ブラシと違ってゴシゴシと自分で歯ブラシを動かして磨く必要がありません。歯の表面や歯と歯茎の境目などに“当てる”だけで磨くことができます。

ただし、単純に毛先を押し当てているだけでは、せっかくの電動歯ブラシの性能を生かしきれません。電動歯ブラシの基本的な持ち方・使い方を身につけましょう。

1-1 電動歯ブラシの持ち方

電動歯ブラシの基本的な持ち方は、手動の歯ブラシと同じように2通りあります。両方試してみて、自分に合った持ち方で磨きましょう。もちろん、磨く場所によって持ち方を変えるのもおすすめです。

◆パームグリップ

手のひらは軽く触れる程度にし“指のはら”で握るイメージです。重量がある電動歯ブラシに適した持ち方です。ただし、つい力を入れ過ぎてしまう人は歯茎などを傷めてしまわないよう注意しましょう。

◆ペングリップ

“ペン”を持つようなイメージで柔らかく握ります。過度に力が入るのを防げるほか、細かい動作ができる利点があります。ただし、電動歯ブラシを持つには少し重さを感じるかもしれません。

1-2 電動歯ブラシでの磨き方

電動歯ブラシを使うときは“磨く”よりも“動かす”や“スライドさせる”といったイメージを持つと良いでしょう。

◆歯面

歯面を磨くときは、毛先を歯面に対して垂直になるように当てるのを基本にしましょう。ただし、歯の形などは人によって異なるため、垂直が磨きにくいと感じる人もいるかもしれません。

その場合は、歯面に対して少しだけ斜めに傾けて当てると、しっかり磨けることがあります。

◆歯と歯茎の境目

歯と歯茎の境目を磨く際は、バス法と呼ばれる方法がおすすめです。毛先を歯と歯茎の境目に対して“45度”程度に傾けて当てましょう。

ただし、電動歯ブラシの種類によっては、歯周ポケットの中を磨くのに適さないものもあります(回転運動などを主体とするものなど)。

その場合は、角度にこだわらず毛先が歯周ポケット内に入るように当てましょう。

歯と歯茎の境目は、歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所なので丁寧に磨きたい場所ですが、強く押し当て過ぎて歯茎を傷めないように気をつけましょう。

◆噛み合わせ面

噛み合わせ面に対して毛先を垂直に当てて磨くのがポイントです。ただし、歯面のように平坦ではなく、細かい凹凸があるのが噛み合わせ面です。特に奥歯などは毛先がしっかり当たるように意識しましょう。

◆前歯の表側

歯面と同じように磨く方法もありますが、ヘッドを立てる方法が磨きやすくおすすめです。ヘッドを立てて磨く場合、毛先の先端部分で歯と歯茎の境目を磨くように意識しましょう。

◆歯の裏側

前歯の裏側など、歯ブラシを横にしたままでは磨きにくい場所があります。その場合は立てて磨きましょう。歯の角度に沿って垂直に当てるのが、上手に汚れをかき出すコツです。

特に下の奥歯の裏側は磨きにくく、磨き残しも多くなりがちですが、毛の先端部分を使って磨くよう意識しましょう。

◆矯正治療中の歯

ブラケットといった器具の部分は、汚れが溜まりやすいので丁寧に磨くことが大切です。ヘッドと歯を並行にして当てると良いでしょう。毛先を歯と器具の間に無理に押し込むことは、器具が傷んだり緩んだりする原因になることがあるため、避けましょう。

◆磨き方の悪い例

電動歯ブラシの磨き方として悪い例は、ブラシを強く押しつけて磨くことです。歯茎を傷める原因となるだけでなく、ブラシの寿命も短くなってしまうので気をつけましょう。

目安としては、毛先が軽く触れてしなる程度(広がらない程度)です。

また、手動のときの癖でつい自分で動かしたくなってしまうかもしれませんが、電動歯ブラシを手で動かしてしまうと正しい動きにならず、十分な成果が得られない可能性があるため、控えましょう。

2.「電動歯ブラシ+歯磨き粉」はアリ?歯磨き粉の使い方と選び方

電動歯ブラシで磨く場合も「歯磨き粉」をつけた方が良いのでしょうか?答えはメーカーや機種によって異なりますが、歯磨き粉を使わなくても十分磨けるという機種は増えてきています。

しかし、歯や歯茎にとって良い成分が含まれている歯磨き粉は、歯磨きに欠かせない“パートナー”となっている人もいます。

それに「何もつけないのは磨いた気がしない」「きちんと磨けているか不安」「知覚過敏や歯周病の症状があるので歯磨き粉を使いたい」「爽快感がほしい」という人もいるかもしれません。

そうした人は歯磨き粉をつけて磨いても構いませんが、以下のような使い方や選び方を覚えておき、役立てましょう。

2-1 歯磨き粉の量は“米粒大”から“小指の爪”程度が目安

電動歯ブラシにつける歯磨き粉の量は「米粒大から小指の爪程度」を推奨しているメーカーが多いです。歯磨き粉のつけ過ぎは、泡が立ちすぎて磨きにくいといったデメリットもあるため、適量を守って使用しましょう。

2-2 歯磨き粉選びの注意点

電動歯ブラシ専用の歯磨き粉が多く販売されるようになりました。メーカーが推奨している歯磨き粉があれば、それを使うのも良いでしょう。歯磨き粉を使う場合、次のような点に注意しましょう。

◆研磨剤が多い歯磨き粉

研磨剤が多く含まれた歯磨き粉は避けましょう。研磨剤は、歯の着色汚れを落とすための成分で、多くの歯磨き粉に配合されています。

しかし、研磨剤が多く含まれた歯磨き粉は、振動数が多い電動歯ブラシには向いていないとされています。歯の表面を傷つける原因となってしまう恐れがあるためです。

研磨剤は、ホワイトニング用の歯磨き粉に特に多く含まれています。

◆発泡剤が含まれた歯磨き粉

発泡剤が含まれた歯磨き粉を使うと、電動歯ブラシの振動の多さで泡が立ちすぎ、磨きにくくなってしまいます。唾液と混ざり合うことで泡の量がさらに増えることもあります。

中には、泡でいっぱいになったことで磨けた気になってしまう人もいます。発泡剤の入っていない歯磨き粉か、または少なめのものを使うようにしましょう。

2-3 電動歯ブラシに“おすすめ”の歯磨き粉は?

電動歯ブラシにおすすめの歯磨き粉を紹介します。歯磨き粉はペーストタイプをよくみるかと思いますが、飛び散りにくいジェルタイプも存在します。ベーシックな歯ブラシに使える歯磨き粉もあるので、ぜひ試してみてください。

◆基本の歯磨きにも使える発泡剤・研磨剤を含まないジェルタイプ

ジェルタイプで発泡剤・研磨剤ともに入っていない歯磨き粉です。「虫歯菌」と「歯周病菌」に高い殺菌力を誇ります。

また、歯茎の炎症を抑制したり「フッ素」によるコーティングで歯の再石灰化を促したりするなど、歯を強くしてくれる歯磨き粉が多いです。

◆電動歯ブラシ用で発泡剤を少々含むジェルタイプ

研磨剤をほとんど含まない、電動歯ブラシ用の歯磨き粉があります。発泡剤は少々含まれていますが、ジェルタイプなので飛び散りにくくなっています。

歯茎の炎症を鎮める抗炎症作用、歯周病菌の殺菌作用などが期待できます。

◆音波&電動歯ブラシ用のペーストタイプ

低研磨剤のペーストタイプの歯磨き粉です。電動歯ブラシだけでなく、音波振動歯ブラシにも使えます。

フッ素による歯の再石灰化の促進が期待できるほか、キシリトールが配合されているものもあるので、歯の健康が気になる人は試してみてはいかがでしょうか?

◆研磨剤を含まないジェルタイプ

研磨剤が入っていないジェルタイプの歯磨き粉も電動歯ブラシに適しています。粘り気のあるジェルが歯茎にしっかり留まり「抗炎症」「血行促進」「殺菌」の3つの作用をもたらすので、歯槽膿漏の予防や悪化防止が期待できます。

フッ素配合のものであれば、虫歯予防と同時に歯質の強化も期待できます。

3.スマホ連動の電動歯ブラシも!使い方は機種ごとに違うため注意

ここまで、基本的な電動歯ブラシの使い方や歯磨き粉の選び方などを紹介してきました。続いては、これから電動歯ブラシを購入しようと考えている人のために、さまざまな電動歯ブラシと特徴を紹介します。

その性能はどんどん進化を遂げており、非常に優れた製品が市場に登場しています(2019年4月時点の情報です)。

3-1 音波の振動が水流を生むタイプ

音波による振動が生み出す水流の力で、プラーク除去力が手磨きの「約7倍」にも「約10倍」にもなると言われる電動歯ブラシがあります。毛先が届きにくい歯と歯の間や、奥歯の汚れを除去するのに向いています。

歯の着色汚れを落とすモードや、歯茎の炎症や出血がある人に向いているモードなど、用途に合わせてモード切り替えできる製品もあります。

3-2 丸型の回転ブラシタイプ

丸型のブラシが回転し、汚れをしっかり取り除くタイプの電動歯ブラシも販売されています。丸型は歯の形状に合うと言われており、歯医者さんでおこなう歯のクリーニングも“丸型”のブラシを使っています。

立体的な動きをするのが特徴で、汚れを浮かせてかき出す力に優れています。歯茎に優しいモード、着色汚れを除去するモードなどを搭載している製品もあります。

3-3 スマホ連動タイプのスマート電動歯ブラシ

Bluetooth経由でスマホアプリと連動する電動歯ブラシも登場しています。歯ブラシに搭載されたセンサーが、磨き残した部分、磨く強さ、動かす幅などのデータを細かく採取し、スマホアプリ上でそれらを確認することができるというものです。

データは蓄積され、読み返すこともできるため、歯磨きのモチベーションの維持や向上に一役買ってくれるでしょう。

4.電動歯ブラシのヘッド交換時期や価格は?

メーカーや機種によって多少の違いはあるものの、一般的には「3~4カ月ごと」にヘッド交換を推奨するメーカーが多いようです。ただし、毛先が広がっている場合は3~4カ月未満でも交換することをおすすめします。

毛先が広がっていると電動歯ブラシの性能が存分に発揮されず、汚れが落ちにくくなってしまいます。

価格は1本数百円~1000円程度のものが多く、3本セットや4本セットなどでも販売されていますので、複数購入してストックしておくと良いでしょう。

セットを購入すれば、家族で分け合って使うこともできます。

5.まとめ

電動歯ブラシは、正しく使うことができて初めてその成果を発揮します。これから購入予定の人はもちろん、すでに使っているという人も、改めて基本的な使い方を確認しておきましょう。

歯磨き粉を使用する場合は、研磨剤や発泡剤ができるだけ少ないものを選ぶようにしましょう。

また、いくら電動歯ブラシが優れていても、歯と歯のすき間など“毛先が届かない部分”はどうしても磨き残しやすくなります。デンタルフロスといったケア用品を使ったり、定期的に歯医者さんを受診したりして、虫歯や歯周病の予防・早期発見に努めましょう。

コメント

電動歯ブラシは以前に比べてとても種類が豊富になり、家電量販店などでも購入できることから本当に身近なものになったと感じています。私自身も愛用していますが、磨き終わった後の歯の滑沢さはやはり電動歯ブラシの方が上かな?と思います。まだお使いでない方は、宜しければ一度お試しになられてみてください。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

ページトップへ