デュアルホワイトニングのメリット・デメリットとは?値段や持続期間もチェック

デュアルホワイトニングのメリット・デメリットとは?値段や持続期間もチェック

ホワイトニングの方法には、2つの方法が知られています。1つは歯医者さんで施術してもらう「オフィスホワイトニング」、もう1つは自宅で実施する「ホームホワイトニング」です。しかし、ひときわ白い歯を手に入れたいなら、「デュアルホワイトニング」と呼ばれる3つ目の方法を選択肢に含めてみてはいかがでしょうか?

この記事では「ひときわ白い歯」を目指す方に向け、デュアルホワイトニングについて解説していきます。

この記事の目次

1.デュアルホワイトニングとは?

デュアルホワイトニングは、「オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2つを組み合わせたホワイトニング方法」のことです。
つまり、歯医者さんと自宅で、ホワイトニングの施術を並行しておこなうことになります。

2つの方法を掛け合わせることで、それぞれのデメリットを打ち消し、優れた部分を引き出すことが、デュアルホワイトニングの狙いです。
デュアルホワイトニングの長所を知るためにも、まずは、オフィスホワイトニング&ホームホワイトニングの特徴を確認していきましょう。

2.オフィスホワイトニングのメリット・デメリット

オフィスホワイトニングは、過酸化水素を用いて歯を白くする方法です。基本的には、濃度15~38%の過酸化水素製剤が用いられます。
しかし、高濃度の過酸化水素製剤は、歯茎にダメージを与えることがあります。
そのため、薬の取り扱いが認められている歯科医師や歯科衛生士に施術してもらう必要があります。
歯医者さんでのホワイトニングは、歯茎を保護しながら施術が進みます。

2-2 オフィスホワイトニングのメリット

歯医者さんで実施するオフィスホワイトニングには、以下のようなメリットが存在します。

メリット
・施術した当日から、ホワイトニング作用を実感できる

・ホームホワイトニングより、歯が白くなる(漂白作用が強い)
・歯科医師や歯科衛生士が施術してくれる
・ホワイトニングの前に、歯のクリーニングをしてくれる

オフィスホワイトニングでは濃度の高い過酸化水素製剤を歯に塗布し、光を当てて薬剤の作用を高めます。
その結果、目で見て違いがわかるほどのホワイトニング作用を、1日にして実感できます。

2-3 オフィスホワイトニングのデメリット

オフィスホワイトニングにはデメリットも存在しています。

デメリット
・ホームホワイトニングに比べて、料金が高い

・1回で希望する白さにならなかった場合、複数回の通院が必要
・ホワイトニングの持続力が低く、色の後戻りが早い
・薬剤の濃度が高いので、知覚過敏を起こすことがある

オフィスホワイトニングの弱点は、「色の後戻り」です。
もともと、ホワイトニングは「1回施術すれば、ずっと白いまま」というものではありません。
短いと3ヶ月、長くても半年くらいで、もとの歯の色に近づいていきます。

また、薬剤濃度が高いので、知覚過敏を引き起こすリスクがあります。
ただし、多くの場合、一時的な症状で済み、ホワイトニング施術日から1~2日で症状がなくなります。
長引く場合でも、知覚過敏の症状を抑える「硝酸カリウム」「シュウ酸カルシウム」といった成分を含んだ歯磨き粉でケアすれば、症状は改善されます。

3.ホームホワイトニングのメリット・デメリット

ホームホワイトニングは、過酸化尿素(過酸化カルバミド)を用いて歯を白くする方法です。
自宅でセルフホワイトニングとしておこないますが、薬剤は歯医者さんから処方してもらい、歯科医師の指導を守って使用します。

厚生労働省が認可しているのは、過酸化尿素の濃度が10%のホワイトニングジェルだけです。
通販を利用すれば10%以上の濃度がある過酸化尿素を入手することができますが、濃度が高いということは、危険が伴うということでもあります。
神経の炎症を招くこともあるため、自己判断で高濃度のホワイトニングジェルを使用することは避けましょう。

3-2 ホームホワイトニングのメリット

自宅で実施できるホームホワイトニングには、以下のようなメリットがあります。

メリット
・オフィスホワイトニングに比べて、費用が安い
・施術のたびに歯科医院に通院する必要がない
・ホワイトニングの持続力が高く、色の後戻りが遅い
・薬剤の濃度が低く、知覚過敏を起こしにくい

一度、歯科医院でホワイトニングジェルを処方してもらえば、その後は自宅でホワイトニングをすることができます。
頻繁に通院する必要はなく、処方されたジェルを使い切るまでには追加費用がかかりません。
費用やスケジュールを圧迫することなく、ホワイトニングをすることが可能です。

ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングより、歯の白さが持続します。
具体的には、オフィスホワイトニングの2倍ほどの期間に亘って、歯の白さが保たれるとされています。
色が後戻りしてくるのは、半年~1年ほどの期間が経過してからです。

3-3 ホームホワイトニングのデメリット

しかし、ホームホワイトニングにも欠点がないわけではありません。

デメリット
・ホワイトニング作用を実感するまでに時間がかかる

・オフィスホワイトニングに比べると、漂白作用が劣る
・仕上がりの色合いを細かく調整するのが難しい
・1日2時間のマウスピース着用を続けなくてはならない

オフィスホワイトニングで使うものと比べて、薬剤の濃度が低いので、ホワイトニング作用が出てくるまでに時間がかかります。
早くても1週間、平均して10日ほどかかるのが普通です。
十分にホワイトニング作用が出てきてからも、オフィスホワイトニングほどの「目に見えてわかる白さ」にはなりません。

「過酸化尿素濃度10%」のホワイトニングジェルは、1日2時間のホワイトニングを約2週間、継続する必要があります。
人によっては、「ホワイトニングジェルの入ったマウスピースを2時間装着する」ということが、大きな負担になることがあります。

4.デュアルホワイトニングのメリット・デメリット

デュアルホワイトニングは、「歯科医院でオフィスホワイトニングをおこなってから、自宅でホームホワイトニングを続ける」という併用型のホワイトニングです。
基本的には、「オフィス1回→ホーム2週間」の流れを2セット繰り返します。

4-1 デュアルホワイトニングのメリット

デュアルホワイトニングは、オフィス&ホームそれぞれの利点を足し合わせたホワイトニング作用が期待できます。

メリット
・歯科医院への通院は、原則2回で済む

・オフィスホワイトニングをおこなうので漂白作用が強い
・ホワイトニングの持続力が高く、色の後戻りが遅い
・ホワイトニングの前に、歯のクリーニングもしてくれる

オフィス&ホームのメリットが足し合わされた結果、「漂白作用が強く、持続期間が長い」という「ホワイトニングの良いとこ取り」が実現します。
しかも、オフィスホワイトニングだけでホワイトニングをした人と比べても、「ひときわ白い歯」を手に入れることができます。

4-2 デュアルホワイトニングのデメリット

作用面では優れているデュアルホワイトニングですが、そのほかの観点から見るとデメリットも存在しています。

デメリット
・オフィス&ホーム、どちらかのみを実施するより費用がかかる
・頻繁に薬剤を用いるので知覚過敏を起こしやすい
・1日2時間のマウスピース着用を続けなくてはならない

オフィス&ホームをダブル施術するため、単独のホワイトニングより費用がかかります。
目安として、オフィスホワイトニングは1万5,000円~5万円、ホームホワイトニングは1万5,000円~3万円程度かかります。
一方、デュアルホワイトニングは6万~8万円ほどかかります。

また、オフィスホワイトニングで高濃度の過酸化水素を使用し、家でも過酸化尿素によるホワイトニングを実施するので、知覚過敏のリスクは少し高くなります。

5.ホワイトニングのメカニズム

ホワイトニングは、歯を白くする作用を持つ薬剤を歯に塗布し、歯を白くします。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングでは使用する薬剤が違いますが、どういったメカニズムで歯が白くなるのか、確認しておきましょう。

5-1 オフィスホワイトニングのメカニズム

オフィスホワイトニングで使用する薬剤は、高濃度の過酸化水素製剤です。
過酸化水素によって歯が白くなるのには、2つのメカニズムが関係しています。

まず、過酸化水素で歯が白くなるメカニズムを確認していきましょう。

1つ目のメカニズム:酸化による無色化
たとえば、鉄が酸化すると、酸化鉄(サビ)になります。
このとき、色は「銀色→赤褐色」と変化します。物質は酸化されると別の物質になり、色が変わることがあります。
同じような理屈で、「有機質」に分類される着色物は、酸化されると無色になります。
歯の表面を覆うエナメル質の内部にある着色物は有機質なので、「OH」「O2-」と反応し、酸化すると無色になります。

「OH」とは、「ヒドロキシルラジカル」、「O2-」とは、「スーパーオキシドアニオンラジカル」と呼ばれる物質です。
これらは、過酸化水素に含まれる成分で、別の物質を強力に酸化する働きを持っています。

2つ目のメカニズム:マスキング効果
本来、歯は真っ白ではありません。
歯の表面のエナメル質は透き通っていて、その内側にある象牙質は黄白色(やや黄みがかった色)をしています。
エナメル質は透き通っているので、「(象牙質が透けて見えた結果)やや黄色く見える」というのが普通の歯の状態です。

しかし、過酸化水素には、「エナメル質の表面を擦りガラスのように変える作用」があります。
そのため、歯に過酸化水素水を塗ると、エナメル質が光を透過しにくくなり、内側の象牙質が隠されます。
「ガラスは透明だけど、すりガラスは白っぽく見える」ということに思い当たる方は多いのではないでしょうか?
同じような作用で、本来の色よりも歯を白くすることが可能です。

5-2 ホームホワイトニングのメカニズム

実は、ホームホワイトニングで歯が白くなるメカニズムは、オフィスホワイトニングとまったく同じです。
過酸化尿素は、「低濃度の過酸化水素」に変化します。
そのため、オフィスホワイトニングと同じように「漂白作用」と「マスキング効果」で歯を白く見せる効果があります。

ホームホワイトニングで使う過酸化尿素は、歯に塗布すると体温と唾液によって分解されます。
すると、過酸化水素と尿素になります。過酸化水素は、オフィスホワイトニングで使う薬剤です。

10%の過酸化尿素は、「約3.6%の過酸化水素」と「約6.4%の尿素」に分解されます。
つまり、「過酸化尿素は、濃度1/3程度の過酸化水素と同じ働きをする」と言い換えることが可能です。
過酸化水素製剤の濃度が低いため、ホワイトニング作用は緩やかですが、知覚過敏を起こす危険性は低くなります。

6.まとめ

デュアルホワイトニングは、「歯医者さんと自宅で、2通りのホワイトニングを実施する方法」です。
歯を白くする作用が強く、持続力も高いので、「ひときわ白い歯を長く維持したい」というニーズに合っています。

ただし、「知覚過敏のリスクが高い」といったデメリットも存在しています。
自分が目指す歯を歯医者さんに相談し、納得した上で実施するようにしましょう。

先生からのコメント

今、ホワイトニングもクーリング・オフ制度が使えますので、効果なければ返金手続きができます。やはり白さを保つには、定期的に行わないといけません。今はオークションや平行輸入等でホワイトニングの薬剤が手にはいりますが、かなり濃度の高いものもあり、ホームでも10分で効果出るのもありますので気お付けて使用して下さい。セルフ式等もありますので、よくかかりつけの歯科医院で相談したほうが良いと思います!

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電話:03-3601-7051
執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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