口腔底癌の特徴・治療法!口腔癌の基礎知識まとめ

口腔底癌

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癌は身体のあらゆる場所に発生するので、口の中に癌ができることもあります。口の中にできる癌のことを「口腔癌」と呼んでいます。すべての癌の中で、口腔癌の占める割合は2~3%にすぎません。しかし、現実に毎年数千人が、口腔癌により命を落としています。

こちらの記事では、口腔癌の一種である「口腔底癌」の基礎知識をお届けしています。症状・治療法などをまとめていますので、ぜひ、参考にしてください。

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1.口腔底癌は、どんな病気?

「口腔底」というのは、「口の底にあたる部分」です。「舌の下にあたる部分」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。2002年に日本頭頸部癌学会が発表したところによると、すべての口腔癌のうち9.7%を占めています。これは、舌癌(60.0%)、下顎歯肉癌(11.7%)に次いで3番目に高い数値です。

1-1 口腔底癌の分類①~癌の発生部位

口腔底癌は、発生部位によって2種類に区分することができます。正中型と側方型があり、正中型のほうが多くなっています。

正中型
正中型は、前歯の裏側あたりに発生する口腔底癌です。腫瘍の発生部位が犬歯・第一小臼歯より内側で、口腔底の前方寄りであれば、正中型となります。

側方型
側方型は、奥歯の内側に発生する口腔底癌です。腫瘍の発生部位が口腔底の後方寄りで、左右いずれかに寄っていれば側方型となります。

1-2 口腔底癌の分類②~腫瘍の特徴で分類

口腔底癌には、腫瘍の特徴によって区別する分類方法もあります。腫瘍の特徴によって「リンパ節に転移しやすいかどうか」が変わってきます。

以下の分類は、口腔底癌のほか、舌癌・頬粘膜癌(きょうねんまくがん)といった口腔癌を区別する上でも役に立ちます。

※リンパ節への転移確率は、症例の多い舌癌のデータとなっています。ただ、口腔底癌においても同様の傾向が見られる旨の報告があるので、参考値としてご理解ください。

表在型

口腔粘膜の表面で腫瘍が発達し、厚さ5mm以内にとどまっているものを指します。粘膜の表面が荒れ、ただれたような見た目になることが多いです。頸部リンパ節に転移する確率は4.9%と低くなっています。

外向型

腫瘍が、身体の外側に向けて大きくなっていくものを指します。頸部リンパ節に転移する確率は12.6%です。腫瘍の外見的特徴によって、さらに3種類に分類できます。

白板型
白く膨らんだ病変を生じるもの

乳頭型
不定形で、表面に細かな凹凸が多い隆起を生じるもの

肉芽型
表面がなだらかな隆起を生じるもの

内向型

腫瘍が、身体の内側に向けて大きくなっていくものを指します。頸部リンパ節に転移する確率は24.9%で、もっとも高くなっています。腫瘍の外見的特徴によって、さらに3種類に細分化することができます。ちなみに、潰瘍型・膨隆型の腫瘍は頸部リンパ節への転移確率が50.5%と突出しており、予後が悪い傾向です。

びらん型
広く、薄く、内側にへこんだ病変を生じるもの

潰瘍型
内側にえぐれていく病変を生じるもの

膨隆型
内側に拡大していくデキモノを生じるもの

参照URL①:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsot/24/3/24_64/_pdf
参照URL②:http://jsco-cpg.jp/guideline/04.html

2.口腔底癌の一般的な治療法

それでは、医療機関における「口腔底癌の一般的な治療法」を解説したいと思います。口腔底癌の治療法は、「腫瘍の大きさ」「所属リンパ節転移の有無」「下顎骨への浸潤の有無」によって、規模が変わってきます。

2-1 口腔底癌を治療する際の基本は、外科手術!

化学療法・放射線治療を組み合わせることはありますが、根治を目指す際の基本は外科手術です。腫瘍が2cm程度までなら「口腔底部分切除」、2cmを大きく超えるようなら「口腔底全切除」がおこなわれます。

2-2 頸部リンパ節への転移があるケース

頸部リンパ節に転移している場合、「頸部リンパ節郭清(かくせい)」がおこなわれます。リンパ節郭清とは、リンパ節を切除する術式です。腫瘍が大きい場合(目安は2cmを大きく超える場合)は、リンパ節転移が見られなくても、予防的に切除することもあります。

頸部リンパ節への転移が認められる場合、かつては「コマンド手術」が一般的でした。コマンド手術とは、口腔組織・下顎骨・頸部リンパ節をまとめて切除する術式です。しかし、近年は下顎骨を温存し、口腔組織と頸部リンパ節だけを切除する「プル・スロー・オペレーション」が基本になっています。

2-3 腫瘍が下顎歯肉・下顎骨に浸潤しているケース

腫瘍が「下顎歯槽の歯肉」「下顎骨」にまで浸潤している場合、下顎合併切除が必要になります。どの程度まで浸潤しているかによって、「辺縁切除」または「区域切除」のいずれかが選択されます。

下顎辺縁切除
下顎骨の上部をえぐるように切除する術式です。下部は切除しないので、下顎の骨が二つに分断されることはありません。

下顎区域切除
下顎の一部を完全に切除する術式です。下顎の連続性は失われ、下顎骨は二つに分断されることになります。腫瘍が「骨髄」または「下顎骨周辺の深い部分」まで浸潤した場合、区域切除となります。

参照URL③:http://jsco-cpg.jp/guideline/04_2.html

3.まとめ

口腔癌は「肉眼で発見できる部位にできる癌」でありながら、早期発見が難しいといわれています。実際、口腔底癌が発見されたとき、「受診時にはすでにリンパ節転移が見られた」というケースが多いのが現状です。

少しでも術後の後遺症を減らし、QOLを維持するためには、何としても早期発見することが重要です。日ごろから口腔内の環境に気を配り、異変が見つかったらすぐに歯科医院・歯科口腔外科を受診するようにしましょう。

ごうデンタルクリニック_口腔底癌

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