歯に違和感があったけど放っておいたら痛み出した。鏡を覗き込むと案の定、歯の一部が黒くなり始めていた・・・「マズイ!いよいよ歯医者に行かねば!」という状況になってしまった。そんな経験をしていませんか?
しかし、そうそう歯医者には行くものでもないし費用感がわかなくて不安なまま放置する人も少なくないのではないでしょうか?これを読んでどのくらいの費用がかかるのか、一日も早く歯医者に駆け込みましょう!
※費用に関してはWEBサイトの情報をランダムに抽出した金額になります。
※自由診療に関しては医院によって金額が異なります。詳細は各医院に直接お問い合わせください。
この記事の目次
1.虫歯の進行度合で変わる費用
1-1初期段階の虫歯の場合
1,500~3,000円(保険診療)/5,000~50,000円(自由診療)
初期段階の虫歯に行うのは、虫歯の部分を削りレジンを詰めて治療するのが基本です。歯が黒ずんでいないくて、白く濁っている状態であれば削らずに治療する事も可能です。
その場合は、歯医者さんでフッ素を塗布してもらい正しいブラッシング方法を教わりましょう。参考として、歯磨きのやり方に関しては「虫歯になる磨き方と正しい歯磨きのやり方」を参照下さい。
1-2中度の虫歯の場合
2,000~10,000円(保険診療)/10,000~200,000円(自由診療)
歯の表面が黒くなって痛み始めると歯医者に行くことを意識しはじめますよね。これくらいの時期になると保険診療でも1万円近くかかる場合もあります。奥歯なら虫歯の部分を削って詰め物を入れることになりますが、保険診療なら主に採用されるのは銀歯です。
症状の度合いにもよりますが、詰めてすぐに終わる場合もあれば、何回かに分けて施術する場合もあるので、それにより総費用が2,000~10,000円と変わってきます。
自由診療なら自分の気に入った素材を選ぶことができます。金の詰め物は自由診療ですが、天然の歯と同じくらいの硬さで銀よりも人間の歯と適合性が高く、二次虫歯になり辛いのがメリットです。
見た目に気を遣われる方ならセラミックも選択肢に入れられます。自然な色味のため口を開いても気兼ねしなくて済みます。虫歯部分を埋めるだけのインレーなら30,000~50,000円、被せ物になると80,000~150,000円と跳ね上がります。
1-3歯が黒ずんでいる重度の虫歯の場合
7,000~20,000円(保険診療)/50,000円~(自由診療)
「痛い」は通り越して我慢できない状況の方。根のほうまで深く虫歯になっている場合は抜歯したほうがいい場合もあります。抜歯までは保険で対応してもらえますが、その後の処置が問題です。保険診療ならブリッジか部分入れ歯で対応してもらうことになります。
まず選択肢に入るのがブリッジです。ブリッジは抜けた歯の両隣の歯を削って、人口の歯を橋渡しをするように埋め込む処置法です。これが適用できない場合には部分入れ歯を検討することになります。ちなみにブリッジをした経験者で「2万円以内で済んだ」方もいるそうです。ブリッジとは下記のような治療法になります。
自由診療ならインプラントになります。これはフィクスチャーといわれるネジを土台とする、顎の骨の部分に埋め込んで、その上にアバットメントという繋ぎの部分と人工の歯を装着するというものです。機能的にも見た目にも優れた治療法ではあるものの、費用面がネックです。
2.虫歯は「進行度合い」×「治し方」によって費用が大きく変わる
治し方の治療費一覧
治し方 | 費用 | 期間 |
プラスチックの土台 | 約1500円 | 1日 |
金属の土台 | 約2000円 | 2日 |
コンポジットレジン | 約2000円 | 1日 |
抜歯 | 約3000円 | 3日 |
神経を抜く | 約4000円 | 3日 |
銀歯を詰める | 約4000円 | 2日 |
銀歯を被せる | 約4500円 | 2日 |
入れ歯 | 約5000円 | 2日 |
ハイブリットレジン冠 | 約6000円 | 2日 |
レジン前装冠 | 約7500円 | 2日 |
銀歯のブリッジ | 約12000円 | 2日 |
セラミックを詰める | 約3~5万円 | 2日 |
セラミックを被せる | 約7~12万円 | 2日 |
セラミックのブリッジ | 約27~40万円 | 3日 |
インプラント | 約30~40万円 | 3~4ヶ月 |
参考 歯医者が教える歯のブログ
※自由診療に関しては医院によって金額が異なります。詳細は各医院に直接お問い合わせください。
2-2保険診療なら治療費負担は0~3割
保険が適用されるものは“保険診療”といいます。社会保険や国民健康保険に加入していることが条件で、患者の治療費負担が0~3割で済みます。保険が適用される治療方法に限定されますが、国が診療報酬点数を定めているため医院側で自由に価格を設定することができません。
つまり医院によって費用に差がつくことは基本的にはありません。美しさなどにこだわりがなければ保険診療の範囲内で虫歯を治療することが可能です。ちなみに保険診療の場合に使用される素材は銀です。
2-3自由診療は患者が全部負担
保険が適用されないものは“自由診療”と呼ばれ、患者が治療費の全額を負担しなければなりません。また、医院側が価格を設定できるので同じ治療でも安くできる歯医者もあれば、高い歯医者もあるのです。
主な自由診療の例として、美容診療やホワイトニング、インプラントが挙げられます。保険診療との大きな違いは、見た目の美しさを追求する方法であることです。
2-4【例外】前歯だけは保険診療で白い被せ物をしてくれる!
前歯は人の目に触れる場所であるため、銀では不自然に見えてしまいます。という理由で上下左右の犬歯の間にある12本に限り、白い被せ物をしてもらえます。
この場合に使われるのはレジン前装冠という、金属の上にプラスチックをのせた素材です。保険診療で白い歯であるという利点がある反面、プラスチックなので耐用年数が3~4年と短く、変色しやすく、食べ物がくっつきやすいという特性があります。
3.「なるべく削らない」虫歯治療の費用
削る量を抑えられる虫歯治療というのがあります。しかし、自由診療になります。
◆歯科用う蝕除去液による治療
これは歯科用う蝕除去液という薬剤で虫歯の部分を溶かして、取り除く方法です。麻酔が苦手な方も受診しやすいでしょう。
治療費 1本当たり5000~20000円
①歯科用う蝕除去液を虫歯に塗布します
②虫歯を除去
③詰め物を入れる
※「歯科用う蝕除去液」は自由診療のため医院によって金額が異なります。詳細は各医院に直接お問い合わせください。
4.まとめ
虫歯の治療費は治し方と使う素材でかわります。自分自身がどのように治療したいのか、どのような見た目にしたいのかを相談して治療すると良いでしょう。削りたくない、痛みのある治療は嫌だ、と考えている方も、さまざまな治療方法があるため要望に応えられる可能性があります。
QAサイトで虫歯の治療費について、歯医者さんに質問している方がいますので、そちらも参考にしてください。
虫歯は放置せずに、しっかりと治しましょう!
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
執筆者:
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