その口臭、病気のサインかも!?口臭の特徴でわかる体の病気

    その口臭、病気のサインかも!?口臭の特徴でわかる体の病気

    口臭が病気のサインであることをご存知ですか?口臭の原因を調べた結果、すぐに治療が必要な病気が見つかることもあります。この記事では、病気のサインとしての口臭の特徴と、その対策についてご紹介します。口臭が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

    この記事の目次

    病気による口臭の特徴

    口臭は、時には重大な内臓疾患が隠れている場合があります。どのような病気があるのか、いくつかご紹介します。

    胃がんなどの消化器系

    胃がんや食道気管支瘻、食道ヘルニアなどの胃腸の問題は、口臭と関係があると言われています。胃からくる口臭は、胃の内容物が消化不良で腐敗することで発生します。この腐敗臭は血液中に溶け込み、肺に運ばれて呼気に影響を与えると考えられています。

    内臓からのニオイは、空気を通じて口臭として現れるのではなく、血液中に溶け込み、肺から出てくる際に発せられることがほとんどです。

    ●臭いの特徴
    ・肉の腐ったような腐敗臭
    ・硫黄臭

    ●症状
    ・胸焼け
    ・胃の痛み
    ・ムカムカやゲップ

    肺がんなどの呼吸器系

    肺腫瘍や肺結核、気管支拡張症などの呼吸器の病気も口臭に影響を与えることがあります。気管に痰や膿が絡まりやすい場合、それが口臭の原因となることもあります。

    ●臭いの特徴
    ・肉の腐ったような腐敗臭

    ●症状
    ・痰が出る

    肝臓がんなどの肝機能障害

    肝硬変や肝臓がんも口臭の原因となります。肝臓は肉や魚、アルコール、糖質などを代謝しますが、肝機能が低下するとこれらをうまく代謝できず、口臭として現れます。症状が重いほど、ニオイが強くなる傾向があります。

    ●臭いの特徴
    ・アンモニア臭

    ●症状
    ・ひどい場合、口臭だけでなく体臭にも影響が出ることがあります。

    扁桃炎や咽頭がん、副鼻腔炎等

    耳鼻咽喉科で診てもらう疾患、例えば副鼻腔炎なども口臭に関係することがあります。その他、扁桃炎や咽頭がん、副鼻腔がんなども口臭の原因となる病気です。副鼻腔炎による口臭は、他人にはあまり気づかれないことが多く、自分自身が一番不快に感じるでしょう。

    臭いの特徴
    ・肉の腐ったような腐敗臭
    ・生臭いニオイ

    ●症状
    ・副鼻腔炎の場合、膿が溜まることがあります。

    腎不全などの腎機能障害

    腎機能が低下すると、高血圧や発熱などを引き起こし、水分コントロールができなくなり、唾液の分泌量も減少します。その結果、口臭が発生することがあります。

    ●臭いの特徴
    ・魚の腐ったような腐敗臭
    ・アンモニア臭

    ●症状
    ・高血圧
    ・発熱

    糖尿病

    糖尿病も口臭の原因となります。硫黄臭に比べると不快感が少ないため気づきにくいかもしれませんが、糖尿病が悪化するほどニオイが強くなることがあります。

    ●臭いの特徴
    ・りんごが腐ったような甘酸っぱいニオイ

    ●症状
    ・尿や脇汗、足の裏などの体臭も甘酸っぱくなることがあります。

    カンジダ菌の感染

    カンジダ菌が咽頭や気管支、肺などに感染すると、口臭が発生します。カンジダはカビの一種で、普段は栄養の吸収を助けるなど重要な役割を果たしています。しかし、免疫が低下するとカンジダ菌が活性化し、口の中が不潔な状態になります。気管支や肺で繁殖することで、独特のニオイを発生させることがあります。

    ●臭いの特徴
    ・ツンと酸味のある焦げたようなニオイ

    ●症状
    ・咳や痰が出ることがあります。

    魚臭症

    トリメチルアミン尿症は、肝臓の機能が低下し、トリメチルアミンという物質を分解できなくなることで発生する病気です。この病気は遺伝性であり、家系にこの病気の人がいる場合、先天的に強い口臭が出ることがあります。

    ●臭いの特徴
    ・魚が腐ったような腐敗臭

    ●症状
    ・体臭や尿も魚の腐ったような腐敗臭になることがあります。

    口臭が気になる場合の対処法

    病院を受診する

    病気が口臭の原因になることがありますが、自分で口臭を確かめるのは難しいです。気になる場合は、歯科口腔外科や口臭外来を受診しましょう。特徴的なニオイがするからといって、必ずしも病気であるとは限りません。最終的な判断は専門医に任せ、自己判断は避けるようにしましょう。

    ストレスを解消する

    口臭の原因には、精神的な要因も深く関係しています。精神的ストレスが唾液の分泌量を減らし、口内の雑菌を増やしてしまうからです。もしストレスを感じている場合、それが口臭の原因かもしれません。広い視点で口臭の原因を探ってみましょう。

    鼻炎の治療をする

    鼻炎などがあると、鼻呼吸ではなく口呼吸をするようになります。これにより口の中が乾燥し、間接的に口臭の原因となります。鼻呼吸ができるように治療することが、口臭を防ぐ根本的な対策となります。

    免疫力を上げる

    疲労が溜まっていたり体調が悪く免疫が低下していると、それが原因で口臭が発生することもあります。特に病気でなくても、疲労や体調不良、不定愁訴などが口臭の原因となることがあります。

    まとめ

    口臭のメカニズムや病気との関係を知ることで、口臭が健康のバロメーターであることがわかります。ミントのタブレットやガムで予防するのではなく、「身体に不調はないかな?」と点検する気持ちで口臭対策をしましょう。口臭には怖い病気が隠れていることもあるため、安易に自己判断で対策しないことが大切です。口臭が気になる場合は、歯科口腔外科や口臭外来を受診してみましょう。

    遠藤三樹夫 先生監修
    プロフィール&経歴

    出身校:大阪大学
    血液型:O型
    誕生日:1956-11-09
    出身地:大阪府
    趣味・特技:料理

    1983年大阪大学歯学部 卒業
    1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
    1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
    1988年遠藤歯科クリニック 開業
    現在に至る

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

    歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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