【歯科医師が教える】効果的な口臭対策まとめ

    【歯科医師が教える】効果的な口臭対策まとめ

    口臭はさまざまな原因で発生します。ケアが行き届かないことで口臭がすると考えがちですが、実は意外なことも原因となります。場合によっては、怖い病気が隠れていることもあるため、口臭の原因はきちんと突き止めることが大切です。

    この記事では、自宅でできる口臭対策から、歯科医院でできる効果的な口臭治療の方法まで詳しく紹介していきます。

    この記事の目次

    1.口臭の原因を理解しよう

    口臭の原因はさまざまです。ここでは、代表的な口臭の原因をご紹介します。

    口内に雑菌が繁殖している

    口臭が起こる原因の一つは、口内に雑菌が繁殖することです。具体的には、以下のような理由で起こります。

    ・唾液の分泌が減って殺菌作用が得られないとき
    ・口呼吸などで、口が渇きやすい状態になっているとき
    ・歯垢や歯石などが溜まっているとき
    ・虫歯や歯周病があるとき

    この中でも、特に多いのが口が渇いた状態「ドライマウス」です。唾液には殺菌作用があるため、口内の量が十分であれば、口臭は抑えられます。つまり、唾液の分泌が減ることが、口臭発生の引き金になるのです。

    病的口臭

    唾液はしっかり出ている、歯を磨いている、それなのにまったく口臭が消えない…。
    そんな場合は病的口臭かもしれません。

    病的口臭とは、呼吸器や消化器官などに何らかの疾患があることが原因で、口臭を発生させている状態のことです。虫歯や歯周病も臭いの根源になるので、病的口臭の一つです。病的口臭の場合は、重い病気が隠れている場合があるので軽視はできません。

    ニオイが強い食材を食べる

    にんにくなど、ニオイが強い食材を食べると、どうしても口臭がきつくなります。これは、口の中に残っている食べカスが臭うわけではありません。にんにくは、とても強い匂いの成分を含んでいます。

    胃の中へ入り消化される段階で血中ににおい成分が取り込まれ、その血液が肺に届き、吐く息が臭くなるのです。他にも、アルコールや喫煙なども口臭の原因となります。

    口臭対策グッズの使いすぎ

    最近では口臭ケアグッズもさまざま増えていますが、それらを使いすぎると、逆に口臭が悪化する恐れがあります。例えば、ガムやタブレットは、フルーツの味がするなどいろんな香料が含まれています。

    こういった香料が含まれるものは、口臭をかき消してくれると思われがちですが、もともとの口臭と混ざってさらに悪臭を放つ可能性がゼロではありません。

    コーヒーも口臭の原因に

    コーヒーを飲む習慣も口臭を招くことがあります。これは、コーヒーの酸が口の中を酸性にしてしまい、バクテリアが増えやすい状況を作るためです。また、お腹がすいた状態でコーヒーを飲めば、胃を傷める原因になります。

    胃が不調となれば消化不良を起こし、そのために消化しきれなかった食べ物が腐敗臭を発することもあります。

     

    2.すぐ実践できる口臭対策

    ここでは、今すぐに実践できる口臭対策をご紹介します。

    歯磨きをする

    口臭ケアの基本は丁寧な歯磨きです。通常の歯磨きはもちろん、フロスなどを使った歯間ケアもしっかりと行いましょう。口臭の原因である歯垢をしっかり除去することが、口臭予防にはとても重要です。

    唾液の分泌を増やす

    唾液の分泌が増えれば自然と口臭は抑えられます。唾液の分泌を増やすには以下の方法がおすすめです。

    ・ガムなどを噛んで咀嚼回数を上げる
    ・緊張をほぐすためのリラックスタイムを設ける
    ・水分をこまめに摂取する
    ・口呼吸の人は鼻呼吸を意識する
    ・耳下腺をマッサージして唾液の分泌を促す

     

    3.食材でできる口臭対策

    ここでは、食材や飲みものなどでできる口臭対策をご紹介します。口臭が気になる方は、ぜひ取り入れてみてください。

    緑茶やココアなど(ポリフェノール)

    ワインやココアなどに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があり口臭予防に良いとされています。さらに緑茶であれば、殺菌作用もあるので、口臭予防には一石二鳥です。

    魚や卵黄(ビタミンD)

    ビタミンDは抗酸化作用の高い栄養素です。魚や卵黄、キノコに多く含まれます。カルシウムの吸収を良くするため、歯が丈夫になり、歯周病などの予防につながります。これが間接的に、口臭予防につながっていきます。

    梅干し(アルカリ性の食品)

    梅干しやレモン、緑黄色野菜など、アルカリ性の食品はバクテリアを増やす酸性を中和させます。よって、口臭予防にも良い働きが期待できます。

    ヨーグルト(乳酸菌)

    乳酸菌が口の中の悪玉菌を抑制します。歯周病予防にもいいヨーグルトは、口臭にも効果が見込めます。

     

    4.歯科医院でできる口臭対策

    ここでは、歯科医院でできる口臭対策をご紹介します。口臭がひどい方や、自分でできる口臭対策を行っても改善がみられない場合は、歯科医院で相談してみましょう。

    虫歯・歯周病治療

    虫歯や歯周病は口臭の原因の一つです。菌の繁殖が臭いの原因となるため、まずは虫歯や歯周病をしっかり治療することが口臭対策の第一歩です。大きな痛みなど問題がなくても、半年に一度は定期健診に通って、適切な処置をしてもらいましょう。

    口内の健康を保つことが、そのまま口臭対策になります。

    歯のクリーニング

    歯磨きでは落ちない歯垢や歯石を、歯医者さんで取ってもらうのも有効な口臭対策となります。マウスピースと薬品を使用した口臭予防など、より医学的に対処してもらえます。

    専門的な歯のクリーニングである「PTMC(プロフェッショナルクリーニング)」を定期的にすれば、より歯と歯茎を健康に保つことができ、結果的には口臭予防につながっていきます。

    口臭外来を受診

    なかには、口臭外来を行っている歯科医院も存在します。口臭外来では、専用の機器を使った測定や生活習慣・歯磨き指導なども行ってくれるため、より専門的な口臭治療を受けたい方に適しています。

    口臭外来を受診すると、医師が口臭の原因を正確に調べてくれます。その原因を受けて的確な治療をアドバイスしてくれるので、慢性的に口臭が気になる方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

    2005年  東京歯科大学卒業
    2005年~ ドルフィン歯科(千葉県佐倉市)勤務
    2007年  駿河台下デンタルオフィス開業(東京都千代田区)
    2008年  アイボリー歯科クリニック開業(東京都八王子市)
    2010年  医療法人社団パーフェクトスマイル設立
    2014年  三鷹駅前デンタルオフィス開業(東京都三鷹市)
    2016年  荻窪駅前デンタルオフィス開業(東京都杉並区)
    現在に至る

    執筆者:歯の教科書 編集部

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