歯の教科書・監修医「あきる歯科」濱窪洋平先生

プロフィール紹介

経歴

2001年 国立 長崎大学歯学部 卒業
2005年 野田ファミリー歯科 入局
2011年 あきる歯科医院 開院

主な所属先

日本口腔インプラント学会 会員
日本レーザー歯学会 会員
日本歯周病学会 会員
日本矯正歯科学会 会員
MACS(磁性アタッチメント)研究会 会員
UICDインプラント研究会 会員

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この記事の目次

「歯の教科書」監修医として、濱窪先生が思うこと

監修医を引き受けた理由

監修医を引き受ける前からEPARK(弊社運営の歯医者さん情報紹介サイト)にある「歯のお悩み相談室」でよく質問に答えていたのですが、同じことで悩んでいる人が多いのを見て、歯科医師として啓蒙が足りないなと痛感しました。

歯科治療先進国のスウェーデンだと歯科治療に対する満足度は80〜90%もありますが、日本だと満足度は40%以下です。日本の多くの人に歯科治療の必要性が伝わっていない。もっと大規模に伝えなきゃいけないと考えた時に、啓蒙の一環になればと思って引き受けました。

歯の教科書のような医療情報を載せるサイトに先生が求めていること

治療法はメリットだけでなくデメリットも記載して欲しいのと、“センセーショナルな感覚”を出したいからとエビデンス(効果があることを示す根拠)が出ていない微妙なラインの治療法まで推さないで欲しいですね。

記事の監修を行う上で先生が気を付けていること

先生によっては考え方も全然違いますので、できるだけ中庸(片寄らず、中立に)な目線で見ています。間違いではない内容であればいいのですが、エビデンスがないのに「正しいです」みたいな記事が世に出ないようには気をつけています。

日本ではなぜ予防治療が根付かないのか? 歯科先進国・欧米との意識の差〜スペシャルインタビュー

濱窪先生写真_トップ

日本では予防のために歯医者さんに通う人はまだまだ少ないのが現状です。それに対してスウェーデンやアメリカの予防意識は高く、80歳時点での歯の生存率で大きく差をつけられています。どうして日本では予防意識が低いのか、予防治療の大切さを伝えて実際に多くの患者さんが予防のために通院する「あきる歯科」の濱窪洋平先生にお聞きしました。

日本で浸透しない予防治療。欧米との差はどこにあるのか?

痛くなってから歯医者に行けばいいという感覚を生んだ保険点数の低さ

スウェーデンやアメリカと比べて、日本では予防意識が低いのですか?

近年日本でも予防の意識は高まっていると思いますが、まだまだ啓蒙不足な点は否めないと思います。そもそも日本では最近まで保険治療における予防の分野が著しく制限されていました。保険で請求できるのは治療がメインで、病気になる前に予防した努力は軽視されていたので、病院側がやりたくでも力を入れにくい分野でした。

歯医者にとって予防治療はそこまで割に合わないのですか?

保険点数という縛りがあるので、患者さん1人に手厚くすることが難しいのはあります。例えば、子どもの虫歯予防ですと、歯の清掃やフッ素塗布、歯磨き指導以外に、唾液検査をして、口腔写真を撮って、シュガーコントロールのお話しもします。そうやって1時間くらいかけても、予防の点数が低いと返ってくるものが少ないのが現状です。最近は少しずつ変わってきましたが、長い間、厚生労働省が予防治療を進めてこなかったので、歯医者も方向転換が難しかったという点はあると思います。予防に力を入れていた病院は保険外治療という形で行うか、先生が信念をもって虫歯や歯周病をなくそうと考えていた病院ではないでしょうか。

現行の保険制度に問題があるということでしょうか?

大した額ではないので、痛くなってから歯医者に行けばいいという感覚の方が多い傾向はあると思います。例えば、歯の根っこの治療だとアメリカやスウェーデンだと15万くらいかかります。被せ物もするなら20〜40万は上乗せされます。さらに歯周病治療なども入ってきます。つまり、1本歯が悪くなったら30~70万くらいかかる。

そうなると、虫歯に気をつけようという意識が芽生えるわけです。日本だと同じ治療でも20000円かからないくらいです。被せ物も銀歯ですめば5000円くらい。合わせて1万円かかりません。そうなると、「痛くなった時にいけばいいや」という方も出てきます。

一番の問題は歯を失うとともに、運動能力やバランス感覚、高齢になってからの栄養を摂取する能力、何より快適な生活を失っていることが周知されていないことです。

「糖尿病や高血圧のリスク」と、おぼろげには医療関係でない方もメディアの情報などで知っている部分があると思いますが、歯を失った場合の生活がどれくらい変わるか、どのくらい生活に影響を与えるのかを歯科関係以外で見たことがほとんどないです。

このあたりの啓もう活動や広報不足が問題で、これは歯科医師側の責任も大きいと思います。

半年に1回の予防治療で2〜3万円を出すのが当然と考えるスウェーデンスタイル

歯科先進国のスウェーデンと日本の違いは何でしょうか?

スウェーデンでは、半年に1回の予防治療で「2~3万円」を出すのが当然という考えがあります。何よりも患者さんの意識が違うわけです。

スウェーデンでは、国が予防に力を入れるという方針を決めるのに20年ほどかかりました。いまでは「予防大国」です。その過程で、患者さんも予防をすることが当然だという意識を持つようになりました。

日本だと予防だけでなく、実際に虫歯や歯周病を自覚していても治療を受けようとしませんね

命に関わらないから、歯の治療は一番後回しになるんです。ガンとか命に関わる病気はもちろん、喘息や花粉症など生活に差し障る病気も病院に行きますけど、歯は神経が死ぬと痛みもなくなるので、急性の炎症を起こしたとかでなければ歯医者に行かなくていいと思う人が多いです。

歯周病も同じことが言えます。歯を磨いて歯茎から血が出る初期症状のうちに来る患者さんって稀なんです。多くは口臭が出たり歯がグラグラしたりする末期になってやっと来ますから。重大事という意識がないからでしょうね。結局は歯を失ってしまうので、若い頃からメンテナンスに行くのが当たり前になってほしいです。

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