酸蝕歯を予防する!白く輝く歯を守るための生活習慣を解説

酸蝕歯_予防

974view

口の中で生じるトラブルは、虫歯だけではありません。中には「虫歯ではないのに歯が溶ける」などの口腔トラブルも存在しています。この「虫歯でもないのに歯が溶けた状態」を「酸蝕歯(酸蝕症)」と呼んでいます。

酸蝕歯は軽度でも、「歯が黄ばむ」「歯のツヤが失われる」など口もとの美容に悪影響をもたらします。悪化すると、「歯が削れる」「歯の一部に窪みができる」など機能面の問題が生じることもあります。こちらの記事では、そんな「酸蝕歯」の予防法を紹介することにしました。

【関連記事】酸蝕歯の治療法とは?原因を突き止めて悩みを解消

1.虫歯でもないのに歯が溶ける―酸蝕歯を予防するには?

虫歯は「虫歯菌がつくり出す酸で歯が溶けた状態」です。それに対し、酸蝕歯は「食品・胃酸などの影響で歯が溶けた状態」を意味します。簡単にいえば、虫歯菌以外の原因で歯が溶けた状態を指すわけです。

「虫歯でもないのに歯が溶ける」というのを「珍しい現象」だと思っている人もいらっしゃるかもしれません。しかし、軽度の酸蝕歯を含めれば、とても多くの人が酸蝕歯になっています。国内で1,108名を対象とした疫学調査がおこなわれましたが、その際は被験者の26.1%が酸蝕歯になっていました。また、欧米7か国で3,187名を対象におこなった調査では、29%が酸蝕歯でした。

25~30%程度というのは、「3~4人に1人」という比率です。つまり、酸蝕歯は「誰にとっても身近な問題」といえます。積極的に予防する意識を持たなければいけません。

参照URL:http://www.hotetsu.com/s/doc/irai2015_2_15.pdf

1-1 酸蝕歯を予防するためには、口の中が酸性になるのを防ぐ!

「食品・胃酸などの影響で歯が溶ける」というのは、「口腔内が歯を溶かすレベルの酸性になること」を意味します。それならば、酸蝕歯の予防は「口の中が酸性にならないように努める」という方向性になるでしょう。具体的には、以下のようなポイントに気をつける必要があります。

・酸性食品を頻繁に食べない
・酸性食品を長時間、食べ続けない
・食後、水・お茶などで口の中をゆすぐ
・食後、30分経過してから歯を磨く

しかし、ほとんどの方は「酸性食品が何なのかわからない」「食品くらいで歯が溶けるというのが理解できない」といった感想を持っているのではないでしょうか?そこで、次の章では「なぜ、食品に含まれる酸で歯が溶けるのか」をはじめ、酸蝕歯に関する基礎知識をお伝えすることにします。

細かな予防方法については、「酸蝕歯の基礎知識」を解説したあとに、あらためて詳しく説明することにしましょう。

2.どんなときに、歯が溶けて酸蝕歯になるのか?

歯の表面にある「エナメル質」は、酸に弱い性質を持っています。具体的には「pH5.5」よりも強い酸性にさらされると、エナメル質が溶けはじめます。

ここで、「pH(ペーハー)」について補足することにしましょう。「pH」は、酸性・中性・アルカリ性の度合いを示す単位です。「pH0~14.0」の範囲を持っていて、「pH7.0」が中性です。数字が低くなるほど酸性に、高くなるほどアルカリ性に傾きます。

さて、エナメル質が溶けはじめる「pH5.5」というのは、どれくらいの酸性なのでしょうか?実は、それほど強い酸でなくても、「pH5.5」より低い数値を示すものがたくさん存在しています。

2-1 酸蝕歯の原因になるのは、どんなもの?

酸蝕歯の原因には大きくわけて3通りが存在します。まずは、酸蝕歯の原因となる3つの要素を紹介することにしましょう。

2-2 酸性の食品による酸蝕歯

酸性の食品を口にすると、口腔内が酸性に傾きます。それによって口腔内が「pH5.5未満」になるとエナメル質が溶けはじめるわけです。つまり、「pH5.5」よりも酸性の強い(=pHの低い)食品を口に入れると、エナメル質が溶けはじめることになります。「pH5.5」より強い酸性を示すのは、たとえば次のような食品です。

《pH5.5未満の食品の例》
・柑橘類
・リンゴ
・トマト
・炭酸飲料
・ワイン
・ビール
・酢
・しょうゆ
・ドレッシング

一例を提示するだけでも、身近な食品の多くが「pH5.5未満」だとわかります。これらの食品を口にするだけで、エナメル質が溶ける条件を満たすことになります。

ただし、酸性の食品を口にしても、健康な歯を維持する人がたくさんいます。これは、唾液に歯を守る働きがあるからです。食事を終えれば、酸性の食品は入ってきません。そうなれば、唾液が分泌されて酸を薄めてくれます。口腔内はだんだんと中和されて、「pH5.5以上」の状態になります。なので、唾液の働きがきちんと機能していれば、酸性の食品を口にしても酸蝕歯にはなりません。

食習慣が原因の酸蝕歯になってしまうのは、主に以下のようなケースです。

・時間を決めずに、一日中、お菓子などを食べ続けている
・炭酸飲料などの清涼飲料水を頻繁に飲んでいる
・寝る前の時間帯に酒類・清涼飲料水を飲んでいる
・健康法として、黒酢などを大量・頻繁に摂取している

要するに、「唾液によって中和するヒマを与えない食べ方」が問題になるわけです。だらだらと食べ続けたり、頻繁に酸性の食品を口にしたりすると、口腔内の酸を中和する時間がありません。結果、「pH5.5未満」になっている時間が長引き、エナメル質が溶けてしまいます。

2-3 胃酸による酸蝕歯

胃酸は「pH1.0~2.0」の強い酸性を示します。食後は薄まりますが、それでも「pH4.0」くらいの酸性です。そのため、嘔吐・逆流性食道炎などで、頻繁に胃酸が口に戻ってくると酸蝕歯になることがあります。

実際、過食嘔吐をはじめとする摂食障害、つわりなど、頻繁に嘔吐する状態では、酸蝕歯になるリスクが大きく上がってしまいます。

2-4 酸性ガスの吸引による酸蝕歯

日常的に酸性のガスを吸いこむ環境では、酸蝕歯のリスクが向上します。具体的には「ガラス細工の工場」と「メッキ工場」が該当します。こういった職場で働く人にとって、酸蝕歯は職業病のようなところがあります。

3.酸蝕歯の予防方法を詳しくチェックする!

酸蝕歯になると、最初にエナメル質が溶けていきます。悪化すると象牙質が露出し、最終的には歯のあちこちに凹みができることもあります。虫歯と同じように、歯の見た目・機能を大きく損なう恐れがあるわけです。

それでは、酸蝕歯の原因を踏まえた上で、予防方法の詳細を解説することにしましょう。原則として、酸蝕歯の予防は「原因となる生活習慣を取りのぞく」という方向性になります。「原因をいかに減らすか」という視点で考えていきましょう。

3-1 食習慣を見直し、口腔内が中性の時間をつくる!

最初にするべきことは「食事の時間を決めて、なるべく間食をしないこと」です。だらだらと食べ物を口にしていると、口腔内はずっと酸性のままになってしまいます。もちろん、酸性の飲み物を頻繁に飲むのもNGです。水分補給は、なるべく緑茶・ウーロン茶など中性の飲み物にしましょう。

3-2 酸性の食品を口にしたら、水・お茶などでゆすぐ!

「酸性の食品をゼロにする」というのは、非現実的です。そこで、酸性の食品を口にしたら、すぐに水・お茶などで口の中を洗い流すようにしましょう。問題なのは「口腔内に酸性の食品が長く残ること」です。すぐに洗い流してしまえば、それほど悪影響はありません。

3-3 食後30分が経過してから歯を磨く!

口の中を衛生的に保つことは大切ですが、食後、すぐに歯を磨くのはNGです。酸性の食品を口にした直後は、歯の表面が柔らかくなっています。その状態でゴシゴシと歯を磨くと、歯の表面を削り取ってしまいます。

3-4 フッ素を配合した歯磨き粉を使用する!

フッ素は、歯の表面を強化する作用を持っています。特に「耐酸性(酸に対する抵抗力)」を強める働きに着目したいところです。エナメル質が溶けにくくなるぶん、酸蝕歯のリスクは低減します。毎日使用する歯磨き粉を変えるだけでリスクを減らせますから、ぜひ、取り入れてみましょう。

4.まとめ

酸蝕歯は、虫歯と同じように「歯の見た目・機能性を損なう口腔トラブル」です。ただ、食習慣を見直したり、歯磨き粉を変えたりするだけでもリスクを低減できるぶん、「心がけ次第で予防しやすい」という特徴があります。ぜひ、酸蝕歯のリスクを減らすために、ご自身の生活習慣を振り返ってみてください。

高村歯科医院

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):
ページトップへ