口臭が気になるとき、自分でケアを行うだけでなく、歯科医院や医療機関に相談する方法があります。
口臭の原因は、歯垢や歯周病、舌苔、口の乾燥、飲食物、喫煙、全身疾患などさまざまです。
そのため、原因を確認したうえで対策を行うことが大切です。
この記事では、口臭外来で行われる検査や治療の流れ、自宅でできる口臭対策について解説します。
この記事の目次
1.口臭外来で行う口臭治療
1-1 口臭外来とは何か?
口臭外来は、口臭の原因を調べ、状態に応じた対策を検討する診療窓口です。
歯科医院や病院に設けられている場合があります。

口臭外来では、口臭測定器などを用いた検査や、口腔内の状態確認を行うことがあります。
診療内容や保険適用の有無は医療機関によって異なります。
自由診療となる場合もあるため、費用や検査内容は事前に確認しましょう。
1-2 口臭の原因を探って治療方針を決める
口臭外来では、まず口臭の原因を調べます。
口臭の原因によって対策は異なります。
例えば、歯周病やむし歯が原因であれば歯科治療が必要になります。
口の乾燥が関係している場合は、唾液の分泌や生活習慣の見直しが必要になることがあります。
原因を推定したうえで、医師や歯科医師が治療方針を検討します。
1-3 口臭外来での治療の流れ
口臭外来での一般的な流れは以下の通りです。
①予約
②初診・問診・検査
③検査結果の説明
④原因に応じた治療や生活指導
⑤必要に応じた再診
通院期間や通院頻度、検査時間、費用は医療機関や検査内容によって異なります。
事前に確認しておくと安心です。
1-4 口臭治療の検査の内容
口臭外来では、次のような検査が行われることがあります。
口臭測定器
口腔内のガスや吐いた息から、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物などを測定する機器です。
揮発性硫黄化合物には、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどがあります。

MSハリメーター
揮発性硫黄化合物の濃度を測定する機器です。
呼気や鼻からの息を調べることがあります。
ブレストロン
揮発性硫黄化合物を測定する口臭測定器の一つです。

BBチェッカー
口臭、呼気臭、鼻臭などを測定する機器として使用されることがあります。
インキュベーター
唾液のにおいを確認するために用いられることがある機器です。
「舌診(ぜっしん)」で舌をチェック
舌の色、乾燥状態、舌苔の付着などを確認し、口臭との関係を調べます。
「唾液検査」による唾液の状態をチェック
唾液には、口の中を洗い流す働きや、酸を中和する働きがあります。
唾液の量や性質を確認することで、口臭やむし歯、歯周病リスクを把握する参考になる場合があります。
その他の検査
・レントゲン検査
歯や歯周組織、噛み合わせ、口腔内の状態を確認するために行われることがあります。
・官能検査
医師や歯科医師が口臭を直接確認する検査です。
実施方法は医療機関によって異なります。
検査後は、口臭の原因を推定し、治療方針を検討します。
口臭の種類には以下のようなものがあります。

※口腔内検査と尿検査に関しては「2章」で説明していきます
・病的口臭(口内の病気と身体の病気)
・食べ物や飲み物、喫煙による口臭
・生理的口臭
・心理的口臭
2.口臭の種類とそれぞれの治療法
2-1 病的口臭の治療法
病的口臭には、むし歯や歯周病など口腔内の病気が関係するものと、全身疾患が関係するものがあります。
口臭の原因は口腔内にあることが多いとされています。
その場合は、歯科医院で原因に応じた治療を受けることで、口臭の改善につながる場合があります。
全身疾患が疑われる場合は、必要に応じて医科での診察を受けることがあります。
「口腔内検査」で口内の病的口臭をチェック
口腔内検査では、むし歯、歯周病、舌苔、入れ歯の清掃状態、口腔粘膜の状態などを確認します。
◆歯科医院で治療する病気
歯周病の場合
歯周病は、主に歯垢中の細菌によって歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。
歯垢や歯石がたまると、歯周病が進行し、口臭の原因になることがあります。
治療法
歯科医院では、歯垢や歯石を取り除く処置を行います。
スケーリングでは、専用の器具を使って歯石を除去します。
必要に応じて、歯周ポケット内の清掃やルートプレーニングを行うこともあります。
歯周病が進行している場合には、歯周外科治療が検討されることもあります。
むし歯の場合
むし歯も口臭に関係することがあります。
むし歯が進行すると、歯に穴が開き、食べかすや細菌がたまりやすくなります。
治療法
むし歯治療では、むし歯部分を取り除き、レジンや詰め物、被せ物などで修復します。
過去の詰め物や被せ物の内部でむし歯が進行している場合もあるため、歯科医院で確認してもらいましょう。
◆その他医療機関で治療する病気
口腔内に明らかな原因が見つからない場合、以下のような疾患が関係することがあります。
・耳鼻咽喉科領域の疾患
・呼吸器疾患
・消化器疾患
・糖尿病
・肝疾患
必要に応じて医科での検査を検討
口臭の原因として全身疾患が疑われる場合は、歯科医院や口臭外来から医科への受診をすすめられることがあります。
原因となる病気がある場合は、その病気に対する治療が必要です。
2-2 喫煙による口臭の治療法
喫煙は口臭や歯の着色、歯周病リスクに関係することがあります。
喫煙によるヤニ汚れが気になる場合は、歯科医院でクリーニングを受けることで見た目や清掃状態の改善につながる場合があります。
口臭対策としては、禁煙や喫煙本数を減らすことも選択肢になります。
2-3 「心理的口臭」の治療法
心理的口臭とは、実際には強い口臭が確認されないにもかかわらず、自分の口臭を過度に気にしてしまう状態を指します。
自臭症と呼ばれることもあります。
口腔内に問題がない場合は、歯科的治療だけでは改善が難しいことがあります。
必要に応じて、心療内科や精神科、カウンセリングなどの利用を検討することがあります。
3.口臭外来を訪ねる前にセルフチェック
口臭外来では詳しい検査を受けることができますが、自由診療となる場合もあります。
まずは自分で口腔内の状態を確認し、むし歯や歯周病が疑われる場合は歯科医院を受診しましょう。
むし歯による口臭
□穴の空いた歯がある
□詰め物や被せ物の周囲に違和感がある
□差し歯や被せ物がある
むし歯が進行すると、歯に穴が開き、汚れがたまりやすくなることがあります。
また、過去に治療した歯の内部でむし歯が進行している場合もあります。
気になる症状がある場合は歯科医院を受診しましょう。
歯周病による口臭
□歯ぐきの腫れや赤みがある
□歯磨き時に出血する
□歯ぐきが下がってきた
□歯と歯の隙間が広がってきた
□歯ぐきから膿が出る
歯周病では、歯ぐきの炎症や出血、排膿などが口臭に関係することがあります。
これらの症状がある場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。
4.自分でできる口臭予防と改善策
口臭外来での治療だけでなく、自宅での口腔ケアも大切です。
毎日の歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシなどを活用しましょう。
4-1 デンタルフロスで口臭の目安を確認
デンタルフロスは、歯と歯の間の歯垢を取り除くための清掃用具です。
使用後のフロスに強いにおいがある場合、歯間部に汚れが残っている可能性があります。
ただし、フロスのにおいだけで口臭の有無や原因を断定することはできません。
気になる場合は歯科医院で相談しましょう。
4-2 歯垢の溜まりやすい場所に注意してケアする
歯垢は以下のような場所にたまりやすい傾向があります。
・歯と歯の間
・歯と歯ぐきの境目
・奥歯の溝
・被せ物や詰め物の周囲
・歯並びが重なっている部分
歯垢が溜まる“磨き残し”の多い場所

歯と歯ぐきの境目を磨くときは、歯ブラシの毛先を軽く当て、小刻みに動かしましょう。

強く磨きすぎると歯ぐきを傷つけることがあるため注意が必要です。
4-3 歯間ブラシやワンタフトブラシを活用
歯間ブラシは、歯と歯の隙間が広い部分やブリッジの周囲の清掃に役立ちます。
サイズが合っていないと歯ぐきを傷つけることがあるため、歯科医院で適切なサイズを確認してもらうとよいでしょう。
ワンタフトブラシは、奥歯、歯並びが複雑な部分、歯と歯ぐきの境目などをピンポイントで磨くための補助清掃用具です。
通常の歯ブラシだけでは磨きにくい場所の清掃に役立ちます。
ワンタフトブラシの「ペングリップ」での持ち方

歯と歯茎の境目をなぞるように磨いて歯垢を落とす

4-4 「生理的口臭」の対策
生理的口臭は、口の中が乾燥し、唾液の分泌が少なくなることで強くなることがあります。
起床時、空腹時、緊張時などに起こりやすい口臭です。
対策としては、
・水分を取る
・よく噛んで食べる
・キシリトールガムなどを活用する
・口呼吸を避ける
・舌苔が気になる場合は舌ブラシを使う
などがあります。
舌ブラシを使う場合は、強くこすらないように注意しましょう。
舌を傷つけると、かえって違和感や炎症の原因になることがあります。
5.まとめ
口臭が気になる場合は、口臭外来で原因を調べる方法があります。
口臭外来では、口臭測定、口腔内検査、唾液検査などを通じて原因を推定し、状態に応じた対策を検討します。
口臭の原因には、
・むし歯
・歯周病
・舌苔
・口腔乾燥
・喫煙
・飲食物
・全身疾患
・心理的要因
などがあります。
自分でできる対策としては、
・丁寧な歯磨き
・デンタルフロスや歯間ブラシの使用
・ワンタフトブラシの活用
・水分補給
・舌の清掃
などがあります。
口臭が続く場合や、歯ぐきの腫れ、出血、むし歯がある場合は、まず歯科医院で相談しましょう。
【参考サイト】
・日本口臭学会
https://www.jaos.jp/
・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/
・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本歯周病学会
https://www.perio.jp/
・日本口腔衛生学会
https://www.kokuhoken.or.jp/
1975年 東京歯科大学 卒業
1975年~1977年 新宿ビル歯科 勤務
1978年 早川歯科医院 開業
現在に至る

執筆者:
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