歯を磨いていたら歯ぐきから血が出た、ということはありませんか?歯ぐきが腫れている、歯ぐきから血が出るなどの症状は、歯周病が関係している場合があります。
歯ぐきから血が出る原因として、歯周病は代表的なものの一つです。一時的な出血でも、歯周病の初期状態である歯肉炎などが関係している場合があります。
歯周病は、初期の段階であればセルフケアの見直しや歯科医院での処置によって、炎症の改善につながる場合があります。悪化すると、歯を支える組織が破壊され、歯がぐらついたり抜けたりすることがあります。また、歯周病は糖尿病や心疾患、呼吸器疾患など、さまざまな全身疾患との関連が報告されています。
この記事では、歯ぐきから血が出る原因と、出血が気になるときに見直したいセルフケアについて紹介しています。ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
1.歯ぐきから血が出る8つの原因
1-1 歯ぐきからの出血は歯周病が原因かも
歯ぐきから血が出る原因として、歯周病は代表的なものの一つです。
厚生労働省の患者調査では、「歯肉炎及び歯周疾患」による推計患者数が公表されています。ただし、患者数は調査年によって変わるため、古い統計を使用する場合は最新情報の確認が必要です。
なぜ血が出るの?
歯磨きが十分でないと、歯と歯ぐきの間に歯垢が溜まり、歯ぐきに炎症が起こることがあります。
歯ぐきが赤く腫れると、歯ブラシで擦ったときに血が出やすくなります。
歯周病の3つの段階
歯周病は、歯肉炎、軽度から中等度の歯周炎、重度の歯周炎へと進行することがあります。
初期の歯肉炎であれば、毎日の歯磨きや歯科医院での清掃指導、歯石除去などによって炎症の改善が期待できる場合があります。
しかし、歯肉炎が悪化して歯周炎になると、歯を支える骨などの歯周組織が破壊され、最終的には歯が抜けてしまう可能性もあります。
また、歯周病は糖尿病との関連が強く報告されています。心疾患、呼吸器疾患、脳血管疾患などとの関連も報告されていますが、すべてが直接の原因として証明されているわけではありません。
自分の状態をセルフチェックするには
「もしかして歯周病?悪化を防ぐチェック方法」
を参考にしてください。
自分の状態をセルフチェックするには「もしかして歯周病?悪化を防ぐチェック方法」を参考にしてください。

1-2 歯周病以外で血が出る7つの原因
①ホルモンバランスの変化
更年期や妊娠など、ホルモンバランスに変化が起こる時期は、歯ぐきの炎症が起こりやすくなる場合があります。
妊娠中は歯肉炎が起こりやすいことが知られているため、毎日の歯磨きや歯科医院でのチェックを心がけましょう。
②歯ぐきを傷付ける磨き方
歯を磨く力が強すぎて、歯ぐきから血が出ている場合があります。
口内は敏感なので、歯ぐきが腫れていなくても、硬い歯ブラシや強すぎる力でのブラッシングは出血を引き起こすことがあります。
③薬の副作用
抗凝固薬や一部の降圧薬などは、出血や歯ぐきの腫れに関係する場合があります。
一部の降圧薬では歯肉が増殖し、歯周ポケットが深くなることで汚れが取りにくくなることがあります。そうなると、歯ぐきが腫れて出血しやすくなる場合があります。
また、抗凝固薬など血液を固まりにくくする薬を服用している場合、出血が止まりにくくなることがあります。服薬中の薬がある場合は、自己判断で中止せず、医師や歯科医師に相談しましょう。
④ドライマウス
ドライマウスとは、唾液量が減少して、口内が乾燥してしまう状態のことをいいます。
唾液の分泌量が減少すると、汚れが十分に洗い流されにくくなり、食べカスなどが残って歯ぐきの炎症につながる場合があります。
ドライマウスの原因には、薬の副作用、生活習慣、ストレス、加齢などが挙げられます。
ドライマウスが気になる場合は、飲んでいる薬の確認や、よく噛んで食事をすること、口腔保湿剤の使用などが検討される場合があります。症状が続く場合は歯科医院や医療機関で相談しましょう。
⑤タバコ
喫煙は歯周病のリスク要因とされています。タバコに含まれる成分は血流や免疫反応に影響し、歯周病の進行に関係することがあります。
禁煙は歯周組織の健康維持に役立つ場合があります。
⑥歯ぎしりや噛み合わせ
歯ぎしりが強い、または噛み合わせに問題がある場合、歯や歯周組織に負担がかかることがあります。
歯や歯ぐきへの負担が疑われる場合は、噛み合わせの確認やマウスピースの使用が検討される場合があります。
⑦病気
歯ぐきから出血しやすくなる原因として、糖尿病や白血病などの全身疾患が関係している場合もあります。
多くの場合は歯周病や磨き方が関係しますが、出血が続く、出血量が多い、体調不良を伴うなどの場合は、歯科医院や医療機関で相談しましょう。
2.歯ぐきからの出血が気になるときの4つのセルフケア
2-1 研磨剤が含まれていない歯磨き粉を使用も検討
歯ぐきへの刺激が気になる場合は、低研磨・低刺激タイプの歯磨き粉を選ぶ方法があります。
ジェル状の歯磨き粉は泡立ちが少ないものもあり、歯磨き中に口の中を確認しやすい場合があります。
ただし、歯磨き粉の成分や効果は製品によって異なります。薬用成分の効能を確認し、自分の症状に合うかどうかは歯科医院で相談しましょう。
2-2 バス法で歯を磨く
毎日の歯磨きをバス法というやり方に変えることで、歯ぐきの境目の汚れを落としやすくなる場合があります。
歯ブラシは、歯に対して45度の角度にします。
小刻みに左右に振動させ、歯と歯ぐきの境目を優しく磨きましょう。
歯の汚れだけでなく、歯と歯ぐきの間の汚れも清掃しやすくなります。
汚れが溜まると、歯ぐきが炎症を起こしてしまうことがあるため、汚れを残さないようにすることが重要です。
■バス法のポイント
・歯ブラシは歯に対して45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当てる(裏表ともに)
・振動させて歯を磨くイメージ(2~3ミリ)
・前歯の裏側は歯ブラシの“かかと”で磨く
2-3 歯ブラシは硬さ「ふつう」か「やわらかめ」、毛先が広がらない程度の軽い力で
歯ぐきから血が出る場合は、炎症を起こしている可能性があるので、歯ブラシの硬さと力加減に気をつけましょう。
刺激を抑えるためには、毛先の硬さは「ふつう」または症状に応じて「やわらかめ」の歯ブラシが選択肢になります。
歯ぐきを傷つけないよう、気持ち良いと感じる程度の力加減で磨きます。
硬い歯ブラシでゴシゴシと磨くと、痛みや出血につながる場合があります。
一方で、軟らかい歯ブラシでも力を入れ過ぎると歯ぐきを傷つけることがあります。
箒で掃き掃除をするとき床へ押しつけずに穂先を使うのと同じで、歯ブラシも毛先を使って磨くことが大切です。
出血が続く場合や痛みがある場合は、自己判断で様子を見続けず、歯科医院で相談しましょう。
2-4 デンタルフロスで落としにくい汚れを取り除く
歯と歯の間は汚れが溜まりやすく、歯ブラシだけでは落としづらいので、デンタルフロスを使うのがおすすめです。
無理に歯ぐきに入れると、出血することがあるので注意しましょう。
デンタルフロスの使い方に関しては「デンタルフロスの使い方を詳しく図解!正しく使ってお口をキレイに保とう」を参考にしてください。
3.歯科医院での歯周病治療
3-1 軽度の場合
保険内でのクリーニング
歯周病を治療するには、口内を清潔に保つことが必要です。
歯科医院でクリーニングをすることによって、歯に付着した歯石を除去することができます。
自由診療のPMTC
クリーニングで、自由診療のPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という施術があります。
歯科衛生士などが、専用の機器を使って歯のクリーニングをおこないます。
歯を清掃するだけでなく、むし歯や歯周病、口臭予防の補助として行われることがあります。
歯科医院によっては、粒子が細かいパウダーを吹き付けて、こびりついたバイオフィルムを落としていく方法を用いることもあります。
自由診療とされ、歯面への負担に配慮した方法として用いられることがあります。
クリーニングの費用に関して詳しくは「費用はいくらかかるの?歯とお口の健康を守る歯石除去」を参考にしてください。
3-2 歯周病が中度~重度の場合
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
スケーリングが歯の表面に付着した歯石を取り除く処置であることに対し、SRPでは、歯根面、つまり歯ぐきに覆われた歯周ポケット内部の歯石や汚染物質を取り除きます。
スケーリングやSRPは、歯周病の状態に応じて保険診療でおこなうことができる場合があります。
歯根に歯石が付着していると、その上から歯垢が付着し、歯周ポケットの改善を妨げることがあります。
そのため、専用の器具で歯根についた歯石を取り除く必要があります。
検査を含め数回に分けて処置していくことがあり、通院回数は症状や処置範囲によって異なります。
歯周病の外科治療(フラップ手術)
歯周病の外科治療(フラップ手術)とは、歯ぐきの入り口から取ることが難しい奥の方に付着した歯石などを、麻酔をして歯ぐきを開き、取り除く方法です。
手術時間や術後の処方内容は、症状や処置範囲によって異なります。
4.まとめ
一時的に血が出た場合でも、歯肉炎や磨き方、薬の影響などさまざまな原因が考えられます。毎日の歯ブラシを丁寧におこない、セルフケアを見直しましょう。
しかし、頻繁に出血が起きる、歯がぐらぐらする、歯ぐきが腫れている、痛みがあるなどの場合は、歯周病が進行している可能性もあります。
できるだけ早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
【参考サイト】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-01-006.html
・厚生労働省「令和6年歯科疾患実態調査」の結果(概要)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59190.html
・日本歯周病学会「ガイドライン(指針)」
https://www.perio.jp/publication/guideline.shtml
・国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm
歯肉の出血予防は 歯肉のマッサージが最も大切です。しっかり時間をかけて気持ちの良い優しい力で歯肉をマッサージしましょう。rn

執筆者:
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