冬場は、唇が乾燥して”かさかさ”になったり”ひりひり”と痛くなったりしたりしますよね。男女問わず、経験したことがある人も多いと思います。そんなときリップクリームを塗るなどのケアだけで終わっていませんか?
今回は、昭和大学・歯学部・歯周病学講座・山本松男教授に話を聞き、唇の乾燥と虫歯・歯周病との関係を紹介していきます。
唇が乾燥して痛い、気になる方は参考にしてください。
唇が乾燥するのは“口呼吸”だから
唇が乾燥する理由として”口呼吸(こうこきゅう)”があげられます。
鼻で無理なく呼吸が出来ていれば唇は乾燥しづらいですが、口呼吸が多いと流速がはやいので唇が乾燥したり“ひりひり”と痛くなったりしてしまいます。
唇の乾燥は虫歯や歯周病を悪化させる?
口呼吸になってしまうと、唇だけではなく口内も乾燥してしまいます。
口内の唾液の水分が奪われると”粘稠度(ねんちょうど)”が高くなり、唾液のなかにある自浄作用や抗菌作用が失われてしまいます。
それが原因で虫歯や歯周病が悪くなることがわかっています。
唇が乾燥しているときの対処方法
リップクリームの使用は、あれている表面を保護する作用しかありません。唇の乾燥の原因に、口呼吸がある場合は、鼻づまりや唇を閉じにくい他の理由があるかもしれません。
例えば、花粉症の薬を飲むと『鼻水はとまるけど唾液の量が少なくなる』など、アレルギーの体質や薬の種類によって唇の乾燥につながるものがあります。
リップクリームの使用だけでなく、歯科、内科、耳鼻いんこう科の先生に相談してみてはいかがですか。
まとめ
唇が乾燥しているとき、リップクリームを塗って対応する方が多いと思います。ですが、それ以外に原因があるのかもしれません。
根本の原因を取り除くことで、唇の乾燥を防ぐことができるかもしれません。
相談してみてはいかがでしょうか。
※詳しくはこちらでチェック「【教授に聞く】唇が乾燥して痛い!どの診療科に通うべき?」
平成4年 東京医科歯科大学歯学部卒業
平成8年 東京医科歯科大学大学院修了・博士(歯学・歯周病学)
平成9年 米国アーカンソー州立医科大学内分泌部門・骨粗鬆症センター(ポスドク)
平成12年 鹿児島大学歯学部助手(歯周病学)
平成14年 鹿児島大学生命科学資源開発研究センター助教授
平成17年 昭和大学歯学部教授(歯周病学)
執筆者:
歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。