親知らず抜歯後の穴はいつ塞がる!?難抜歯・ドライソケットのケースも解説

親知らず_抜歯後_穴

15,697view

最近は「顎の小さい人」が増えていて、親知らずが真っ直ぐ生えてくることのほうが稀(まれ)になっています。そのため、親知らずが生えてきたら「問題が起きる前に抜いてしまおう」と考える人も多いようです。

さて、抜歯すれば「親知らずに起因する口腔トラブル」は解決しますが、今度は「抜歯した穴が痛い」などの問題に悩まされます。一時的なものとはいえ、人によっては激しい痛みを訴えることもあります。こちらの記事では、「抜歯した穴が痛い」という悩みを最小限にとどめるための基礎知識をお届けします。

1.親知らずの抜歯方法で、傷口にあいた穴の治癒期間が変わる!

親知らずは、人によって生え方が異なり、生え方によって抜歯の難易度が変わります。通常、斜めを向いて生えてきたくらいなら、それほど抜歯で苦労することはありません。一方、横向きになって埋まっている親知らずは、抜歯にかなりの困難を伴います。親知らずの抜歯には3種類が存在していて、抜歯が簡単なほうから順に「普通抜歯」「難抜歯」「埋伏歯」と呼ばれます。

1-1 普通抜歯による傷口の穴

多少、斜めに生えていたとしても、抜歯を困難にするほどの問題がなければ普通抜歯となります。「テコの原理で歯を脱臼させる」という処置だけで抜ける歯は、「容易に抜歯可能(=普通抜歯)」です。

抜歯した傷口の穴を「抜歯窩(ばっしか)」と呼びますが、普通抜歯の抜歯窩はそれほど大きくありません。そのため、自然治癒に任せ、縫合しないことが多いです。抜歯から1時間くらいで、血液が抜歯窩の穴を満たします。血液はゼリー状に固まり、かさぶたのように傷口を保護します。この「ゼリー状になった血の塊」を「血餅(けっぺい)」と呼びます。

さて、抜歯から2~3時間で麻酔が切れ、しばらくは痛みが続きます。普通抜歯であれば、耐えられないほどの痛みにはならないと思いますが、おおむね2~3日は若干の痛みが続くと考えてください。とはいえ、処方された鎮痛剤を服用していれば問題なく過ごせるのが普通です。3日も経てば痛みはなくなりますが、傷口が完全に塞がり、歯茎がしっかり固まるまでは平均1か月かかります。

さて、抜歯直後の注意点ですが、抜歯窩に形成された血餅を外さないようにしなければなりません。「過度のうがい」「歯ブラシの接触」など物理的刺激を加えると、血餅は外れることがあります。血餅がなくなると、抜歯窩は「歯槽骨(歯を支える骨)」まで直通の穴になってしまいます。この状態を「ドライソケット」と呼んでいます。ドライソケットについては、後述します。

1-2 難抜歯・埋伏歯など切開した場合の穴

歯根が複雑な形状をしている場合など、抜歯を難しくする理由があれば「難抜歯」の扱いになります。さらに、横向きの親知らずが歯槽骨に埋まっている場合は、「水平埋伏智歯抜歯術」が必要です。これらの処置では「歯茎の切開」と「骨開削」をおこないますので、抜歯窩の傷口は大きくなります。

特に「水平埋伏智歯抜歯術」をおこなった場合、歯茎を大きく切開して、横向きの親知らずを露出させる必要があります。「歯を2つに割って上半分を摘出し、それから下半分を引き抜く」という術式をおこなうからです。

傷口が大きい場合、抜歯窩を縫合します。ただ、最終的に穴が塞がり、歯茎がきちんと固まるまでには3か月~半年を要することもあります。

2.親知らずの抜歯窩が骨まで直通の穴に…!ドライソケット

親知らずを抜歯した後、傷口がうまく塞がらず、骨までむき出しの状態が続くことがあります。何らかの理由で血餅ができなかったり、外れたりすると、傷口を塞ぐことができないからです。傷口が骨まで直通になった状態のことを、一般にドライソケットと呼んでいます。正式名称は「抜歯窩治癒不全」ですが、ドライソケットと呼ぶのが普通です。

2-1 ドライソケット最大の問題は、激しい痛み!

普通は抜歯から2~3日で痛みが引いてきますが、ドライソケットになると抜歯2~3日でむしろ痛みは悪化します。特に食べ物・飲み物を口に含んだとき、飲食物の一部が抜歯窩に入ることで激しい痛みが現れます。歯槽骨が直接刺激を受けるので、かなりの痛みを訴える人が多いです。痛みは、2週間~1か月ほど継続します。

2-2 ドライソケットで、骨が感染を起こすリスクとは…?

ドライソケットの穴に食べ物が入り、内部で雑菌が増殖すると、歯槽骨が感染を起こす場合もあります。歯槽骨が感染すると、急性歯槽骨炎を起こします。炎症が拡大すれば、「リンパが腫れて高熱が出る」など、風邪をこじらせたような症状が出ることもあります。

また、歯槽骨の炎症が重症化すれば「骨壊死」、炎症が周囲に拡大すれば「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」を起こすリスクもあります。広範囲の骨が壊死すれば外科手術が必要になりますし、蜂窩織炎に発展すれば舌・顎までが大きく腫れあがり全身症状をきたします。骨に感染した場合は、少なからぬリスクがある…と考えなければなりません。

2-3 ドライソケットは治療することができる?

1か月ほどで痛みがひいてからも、食事中に不便を感じることがあります。ドライソケットの穴がなかなか塞がらず、ご飯粒が入るなどの問題が起こるからです。ただ、多くの場合、2~3か月で穴が塞がり、自然治癒します。それなりの期間、痛み・不便に耐えることにはなりますが、決して治らないものではありません。

ただ、稀(まれ)には穴が塞がらず、ドライソケットの穴が残る…というケースもあります。そういうケースでは「抜歯窩再掻把(ばっしかさいそうは)」をおこなう場合もあるでしょう。抜歯窩再掻把は、麻酔をかけて傷口を再び出血させ、あらためて治癒を促す術式です。

3.まとめ

親知らずを抜歯した傷口が塞がるまでの期間は、状況によって大きく異なります。通常抜歯で何事もなく終われば1か月以内に塞がりますが、ドライソケットを起こした場合は時間がかかります。親知らずを抜歯したときは、歯科医師の注意をしっかりと聞いて、きちんと治癒するように心がけましょう。

高村歯科医院_親知らず_抜歯後_穴

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
コメント(オプション):
ページトップへ