ホワイトニングに興味はあっても、どのようにやるのかわからないという人は多いのではないでしょうか。
ホワイトニングには主に3種類あり、自分のペースで出来る「ホームホワイトニング」と、歯科医院など専用のクリニックで行う「オフィスホワイトニング」、2つのホワイトニング長所を兼ね備えた「デュアルホワイトニング」です。
白い歯で相手に与える印象は大きく変わります。しかしその一方で、妊娠中や授乳中などホワイトニングができないケースもあるため注意が必要です。
この記事では、歯を白くするホワイトニングやホワイトニング以外の方法や、どういったときにホワイトニングをおこなうことができないのかについてもご紹介します。
この記事の目次
1.ホワイトニングはどのくらい白くなるのか
ホワイトニングとは、遺伝や加齢により色が付いてしまった歯を漂白していく方法です。比較的短時間で白くする事が可能であり、繰り返し施術する事で自分に好みの白さにする事ができます。しかし、白さは永久ではなく、個人差があるので注意しましょう。
2.ホワイトニングの種類と、メリット・デメリット
ホワイトニングは主に3種類あります。それぞれのメリットとデメリットを以下にまとめています。
メリット | デメリット | |
ホームホワイトニング | ・歯のダメージが少ない ・自分の望む白さまで出来る ・3つの中では費用が低い ・自宅で好きな時間に出来る ・白さが長続きする(約1~2年) | ・白くなるまで時間が掛かる ・自分で用意するので、手間が掛かる |
オフィスホワイトニング | ・白くなるのが早い ・歯医者で治療するので手間がからない ・数回通院する事がない | ・白さの持ちが短い ・ホームホワイトニングよりは費用が高くつく |
デュアルホワイトニング (2つを合わせたホワイトニング) | ・白くなるのが早く、長続きする | ・費用が高くつく |
3.白さが長持ち!ホームホワイトニング
3-1.ホームホワイトニングとは
歯医者さんでオーダーメードのマウスピースを作成して、その中に薬液をいれて歯を白くするホワイトニングです。自宅で自分のペースで出来る為に「ホームホワイトニング」と呼ばれています。
3-2.どのような人が向いているのか
時間に余裕があり、長く白さを保ちたい方にお勧めです。白くしたい歯の本数が多い場合は、1本あたりの費用計算をする方法より経済的です。また好きな時間に行う事が出来て、歯に対する刺激も少ないです。
3-3.ホームホワイトニングの費用
ホームホワイトニングの費用は、2万円~5万円程度です。
なぜこの様に差があるのかというと、各医院で使う薬剤やマウスピースの制作費が違うからです。自由診療になるので、治療を行う前にはしっかり医師と費用に関しては相談しましょう。
3-4.ホームホワイトニングの流れ
4.すぐに白くしたいならオフィスホワイトニング
4-1.オフィスホワイトニングとは
歯医者さんで行うホワイトニングの方です。歯に薬を塗布して光を当てて治療します。薬剤がホームホワイトニングで使用するものよりも強いのですぐに白さを実感しやすいです。
ただ、白さ継続する期間がホームホワイトニングよりも短い点と、1歯当たり3000円程度かかる場合が多いので、全体的に行いたい方はホームホワイトニングの方が経済的です。
4-2.どのような人が向いているのか
結婚式や同窓会など、一時的なイベントがある方に向いているでしょう。歯科医師の指導で歯科衛生士が施術をしてくれるので、自分一人で行うのが不安な方にはおすすめです。
4-3.オフィスホワイトニングの費用
オフィスホワイトニングの費用相場としては2~10万円程度です。保険適用外で自由診療であることは覚えておきましょう。
4-4.オフィスホワイトニングの流れ
5.スピード感と持続性を両立させたデュアルホワイトニング
5-1.デュアルホワイトニングとは
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの両方の良い点を備えたホワイトニングです。目標の白さになるまでは他の2つの方法よりも早く、白さを保つ期間も延ばすことが可能です。
ただ、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを両方行いますので費用が高いのが難点です。
5-2.どのような人が向いているのか
予算に余裕がある方に向いています。やはり両方兼ね備えているだけ合って働きも早く、歯科医師に相談しながらも出来るので取り組みやすいでしょう。
5-3.デュアルホワイトニング費用
目安としては5万~12万円程度です。
5-4.デュアルホワイトニングの流れ
6.ホワイトニング以外で白くする方法
6-1.PMTCで歯を掃除する
PMTC(professional mechanical tooth cleaning)は歯を白くするのに有用です。
ホワイトニングよりは白くなる事はありませんが、PMTCというのは専門家の人に機械を使って掃除してもらえるので、汚れで色がついている人は白さを期待できます。治療費の目安は1回5000円程度になります。
◆PMTCの流れ
6-2.ラミネートベニアで白くする
歯の表面を少し削って、セラミック製の薄い板を特殊な接着剤で貼り付ける方法です。ホワイトニングでは出せない色にすることも可能です。
デメリットとしては、歯の表面のエナメル質を削るため、一度取り付けたら取り外しが出来ないことと、費用が高いことです。また、セラミックシェルを作成する時間が1~2週間程度かかります。平均的な耐久年数は10~20年ですが、接着剤も劣化をするため、施術後3年を目処に、定期的な歯医者さんでの経過観察が必要です。費用は一本あたり5~15万円程度です。
◆ラミネートベニアの流れ
7.ホワイトニングが出来ない人とは
◆人工の歯を白くしたい人
ホワイトニングは生きている歯でないと作用しません。人工の歯や入れ歯などは出来ないので注意しましょう。それでも、プラスチックやセラミックの歯を白くしたいのであれば、歯医者さんに行きクリーニングするのか、詰め物自体を取り替えるしかありません。
◆妊娠中や授乳中の方はホワイトニングが出来ない
妊娠中の方はホワイトニングが出来ません。
理由としては胎児への影響が分かっていないためです。直接調べる方法がない為に指針として禁止となっています。
◆未成年の方は注意が必要
18歳以下の場合は、これから成長する歯に影響する場合が考えられるので、ホワイトニングには向きません。歯の検査次第になりますが、14歳未満の場合は特に注意が必要です。歯の表面のエナメル質が十分な大きさになっていないことがあり、薬剤などで影響を受けやすいと考えられています。
◆虫歯や歯に亀裂がある場合
虫歯治療とホワイトニングを同時にやる事は、あまりおすすめではありません。ホワイトニングで使用する薬剤は、虫歯治療の後に入れる詰め物との密着度を不安定にさせてしまうことがあります。なかには同時にやってくれる医院もありますが、強い痛みを感じる虫歯や亀裂の入っている歯がある場合などは、治療後にしたほうが良いといえます。
◆知覚過敏がある場合
知覚過敏のある方もホワイトニングは向きません。理由はホワイトニングの薬剤が歯にしみてしまうからです。まずは歯科医師に診断を受けてからホワイトニングを受けましょう。
◆無カタラーゼ症
無カタラーゼ症とは過酸化水素を分解するカタラーゼが不足している病気の事です。ホワイトニングの薬剤には過酸化水素が含まれているので、体内に入ってしまうと分解できずに進行性口腔壊死(※)になってしまう可能性があります。
※進行性口腔壊死:口内がただれて細胞が死んでしまう疾患
8.まとめ
ホワイトニングにはさまざまな施術があり、自分のお口の状態や、生活スタイル、かけられる予算によっても適した方法は異なります。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、主治医と相談の上、自分に合ったやり方でおこないましょう。
・2003年3月 日本歯科大学卒業
・日本歯科大学附属病院研修医
・2004年 開業医院勤務
・2008年 「ホワイトニング東京」勤務
・2010年 同医院理事就任
・2014年 麻布十番クレールデンタルクリニック開業
現在に至る
執筆者:
歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。