歯が痛い!歯痛の薬をタイプ別に紹介&すぐできる対処法も

歯が痛い!歯痛の薬をタイプ別に紹介&すぐできる対処法も

歯の痛みは思いもよらぬ場面でやってくることがあります。オフィスや学校、電車やバスの中、車の運転中に突然痛み出すこともあります。我慢できない痛みが発生しているにも関わらず、いますぐ歯医者さんに行けないときは、歯痛に効く薬で応急処置を施しましょう。

歯の痛みを和らげる薬には、飲み薬や塗り薬がありますが、服用する人の年齢や状態など、人それぞれに合った薬の選び方があります。

この記事では、いざというときに手元に用意しておきたい歯痛の薬を4つ選んでみました。痛みを鎮める効果はもちろん、飲みやすさや使いやすさ、さらにリスクや身体への影響も考慮して紹介します。さらに、薬がない場合に簡易的にできる歯痛の鎮め方や、歯痛の原因にも触れていきます。

この記事の目次

1.持ち歩ける便利な錠剤・顆粒タイプの薬

突然の歯痛に効く薬として、自宅に保管しておいたり、いつでもカバンの中に常備したりできる「錠剤タイプ」が販売されています。また、外出先でも薬局で購入することが可能です。

1-1 胃に優しい成分配合のロキソプロフェンナトリウム水和物

ロキソプロフェンナトリウム水和物は鎮痛剤としてよく知られています。一般に市販されているものもあり、生理痛に効くだけでなく、歯痛にも有効な薬として知られています。さらに、胃に優しい成分「酸化マグネシウム」を配合したタイプの薬も販売されています。胃への負担を心配する方でも、突然の歯痛のときに服用することができます。

成分である「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が、痛みの発生と原因物質を抑制し、痛みに速く有効的だと言われています。胃に優しい成分が配合されたものも鎮痛作用がきちんと認められています。

ただ、15歳未満の方、妊娠中の方(出産予定日12週以内の妊婦)の服用は安全性が確立されていないものがありますので、使用するのは避けてください。また、高齢者(65歳以上)の方の使用については、薬剤師としっかり相談してから判断するようにしましょう。

1-2 有効成分の持続性が高い頓服薬

「アセトアミノフェン」と「エテンザミド」を含む歯痛を抑える頓服薬(穀粒)があります。痛みに速く効くだけでなく、持続性も高い製品として知られるものもあります。眠くなりにくい成分も配合されています。

上記のロキソプロフェン水和物と違う点として、15歳未満の方でも服用できるものがあるといことですが、使用される際は用法用量をきちんと確認し、不安であれば薬剤師に確認してご利用ください。小児の場合は、保護者の指導監督のもとでご利用ください。

2.歯痛に直接作用する塗り薬

歯痛には、痛みの伴う歯に直接作用する塗り薬が存在します。この章で紹介する塗り薬は、歯痛薬として知られており、さらに身体へのリスクも低い製品です。優れた2つの塗り薬(液体タイプとゲルタイプ)を紹介します。

2-1 数分で効く!液体タイプ

虫歯の影響で歯が痛む場合、液体タイプの塗り薬で痛みを緩和させることができます。カンフル・フェノール・アルコールを配合したキャンフェニック処方を応用して作られた薬は、痛い部分に直接塗り込むことで、有効率も高いといわれています。さらに、その効き目は数分で現れるという利点のある製品なのです。

歯茎や唇に塗布するとかゆみや発疹などの副作用がでる場合がありますので、用法用量はきちんと確認して正しく使用してください。

 

2-2 塗りやすく持続性がある!ゲルタイプ

歯痛の部分に直接塗り込む薬でゲルタイプのものもあります。ゲルタイプなので、痛みの部分に塗りやすいのが、この製品の特徴です。歯医者さんでもしばしば用いられる「EPC処方(オイゲノール、フェノール、カンフル)」の製品は持続性がありますし、一般用医薬品としても販売されています。歯痛を長時間抑えることが期待できるので、すぐに歯医者さんに行けないときに助かる製品です。なお、こちらも歯茎や唇に使用するのは避けてください。

2-3 子供からお年寄りまで使えるメリット

「2章」で紹介している2つの塗るタイプの薬は、歯が生えている乳幼児から、お年寄りまで使用できるのが大きなメリットです。痛みのある歯に直接作用する特徴があり、誰でも使いやすい薬です。ただ、お子さんが使用する場合は、歯茎に付けたりするなど、誤った使い方を避けるように、保護者の方が注意することが必要です。

また、妊娠中の方や授乳中の方でも使用できます。1回に使う量が微量であるため、胎児や母乳に影響することはないと言われています。

小さなお子さんやお年寄りがいる家庭は、突然の歯痛を引き起こした場合に常備しておくと良いかもしれません。

3.薬以外の歯痛の対処法

歯が痛み出したとき、手元に薬がないときは、それ以外の方法で痛みを緩和させる方法が2つあります。誰でもすぐにできる対処法なので、ぜひ試してみてください。

・氷で痛い歯を冷やす

・歯痛に効くツボを押す

3-1 氷を使って痛みを緩和

痛い歯を冷やすことは、痛みの緩和につながります。氷を口に入れ、痛みのある歯に当てて神経を麻痺させてしまいます。氷のうや冷やしたタオルも効果的です。ただ、ひどい虫歯の症状ですと、逆に痛みを増してしまう可能性があるので、注意しましょう。

3-2 手の甲と手の平の“ツボ”を刺激

もっとも簡易的に歯痛を和らげる方法が“ツボ”を刺激することです。歯痛には、「手の甲」と「手の平」にあるツボが効果的なのです。

まず、手の甲にある『合谷(ごうこく)』と呼ばれるツボ(下記イラスト参照)です。このツボをやや強めに押し、痛みが消えるまで揉んであげましょう。

合谷(ごうこく)と呼ばれるツボ

合谷(ごうこく)

合谷を押しても効果が表れない場合は、手の平にある『歯痛点(しつうてん)』と呼ばれるツボ(下記イラスト参照)があります。こちらも、やや強めに押して揉んでみることで効果を発揮します。

「歯痛点(しつうてん)と呼ばれるツボ

歯痛点(しつうてん)

 

4.歯痛の原因と治療

薬を使わなければいけないほど、歯に痛みを感じているということは、まさに根本的な治療が必要であるということです。歯痛の原因はさまざまですが、主に下記のような場合で歯が痛む場合、歯医者さんに予約をして、治療を進める判断をしてもらいましょう。

◆歯医者さんで治療可能

・虫歯

・歯周病

・歯ぎしり

・歯のひび

・親知らず

また、歯痛には、主に下記のように身体の一部が異常をきたした場合に痛みを伴うケースもあるのです。このような場合、各医療機関と連携して治療を進めることが考えられます。

◆各医療機関で治療が必要

・三叉(さんさ)神経痛

・偏頭痛・脳腫瘍

・狭心症・心筋梗塞

歯痛の原因と治し方について詳しくは『症状5つでわかる歯痛の原因と治療後や精神面で発生する痛み』を参考にしてください

5.まとめ

歯痛を鎮めるには、すぐに効き目が表れるかどうか、効き目が長持ちするか、は選び方の重要な基準になるといえます。また、使う方の年齢や身体の状態も大事な要素となってきます。こうしたポイントを押さえた4つの薬をこの記事で紹介してきました。

ただ、薬で痛みを抑えただけでは本当の解決策にはなりません。歯医者さんを予約して、きちんと治療してもらうことが何より大切なのです。

経歴

1975年 東京歯科大学 卒業
1975年~1977年 新宿ビル歯科 勤務
1978年 早川歯科医院 開業
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

ページトップへ