歯の黄ばみを落とし白く美しい歯を保ちたい人のための対策法

歯の黄ばみを落とし白く美しい歯を保ちたい人のための対策法

鏡を見て、自分の歯が黄色くなっていることにがっかりした経験はないでしょうか? 白く美しい歯は誰もが憧れるものだけに、何も考えずに毎日歯磨きを行っているだけでは、白い歯を保ち続けることはできません。

この記事では、歯が黄ばんで見える原因を追究し、その結果浮かび上がってきた事実の対策法をお伝えしています。

歯の黄ばみを落として、白く美しい歯を保ちたい―。そんな“美”意識の高い方に納得してもらえる内容となっています。ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事の目次

1.自宅で行う歯の黄ばみ解消法

歯の黄ばみを解消するやり方には、「自宅で行う方法」と「歯医者さんで行う方法」の2つがあります。まずは自宅で行う方法として、歯の白さを取り戻す働きが期待できる歯磨き粉を使ってみましょう。

1-1 歯の表面を修復できる歯磨き粉を使う

歯磨き粉でも歯の着色汚れを落とすことができます。しかし、歯磨き粉には、歯の黄ばみの原因になる「ステイン」や「その他の着色汚れ」を“磨いて落とす”研磨剤が配合されていて、その作用で歯が白く見えているのです。

そのため、研磨剤が配合された歯磨き粉で磨き過ぎると、歯の表面のエナメル質が傷つき、その下にある象牙質(黄色みががった白色)が浮き出て余計に黄色く見えてしまったり、歯の表面が傷つくことで着色物質が付着しやすくなってしまうのです。

歯の白さを取り戻すには、歯の黄ばみを落とし、歯の表面を修復できる歯磨き粉を選ぶことが大事です。そのためには、研磨剤が配合されていない歯磨き粉がよいでしょう。

1-2 白い歯を取り戻すための歯磨き粉2選

自宅で行う、白い歯を取り戻すための効果的な歯磨き粉を2つ選んでみました。共通点は歯の表面のエナメル質を修復できるということです。

◆エナメル質ケアに作用する歯磨き粉

エナメル質の小さな傷も修復してくる『薬用ハイドロキシアパタイト』と呼ばれる成分が含まれている歯磨き粉がおすすめです。この成分の作用により、歯の表面を滑らかにすることで、着色汚れを付きにくくします。歯そのものの白さを取り戻すにはよい歯磨き粉といえます。

『薬用ハイドロキシアパタイト』の含有量が多い製品は、歯医者さんで取り扱っています。

◆白い歯の持続と口臭予防にもよい歯磨き粉

エナメル質を修復してくれる『薬用ハイドロキシアパタイト』や、タバコのヤニなどの汚れも溶かす「マクロゴール400」などが配合されている製品もあります。さまざまな成分を含むことでホワイトニングに加えて口臭予防の効果を発揮する歯磨き粉もあります。街の薬局でも販売されているものもあり、購入しやすい製品です。

1-3 歯の白さを保つ成分を知る

歯の表面は半透明のエナメル質から透けて見えるかたちで、その下の象牙質(黄色みがかった白色)が存在します。つまり、エナメル質にダメージが与えられ、削られていくことで黄ばんで見えてしまうのです。エナメル質をガードすることは、歯を白く保つために大切なことなのです。

「1-2」で2つの歯磨き粉を紹介してきましたが、この2つに共通する成分が、歯の白さを保つことができる『ハイドロキシアパタイト』です。この成分は、水とタンパク質に次ぐ歯を構成する上で欠かすことができない成分であり、エナメル質に「97%」、象牙質に「70%」含まれています。

歯を構成する成分が含まれていることで、歯の表面のミクロの傷を修復することができ、歯を滑らかにすることができます。これにより、虫歯や歯周病の原因になる歯垢や、着色汚れを付きにくくさせることができるのです。

エナメル質を修復し、着色汚れを付きにくくさせる『ハイドロキシアパタイト』は、歯そのものの白さを取り戻すことができる作用があり、この成分が配合された歯磨き粉を使うことで、自宅での歯の黄ばみ解消法が実現するのです。

◆歯を白く保つために知っておくべき歯の構造

歯の構造

2.歯医者さんで行う歯の黄ばみ除去

歯医者さんで歯の黄ばみを除去するやり方は、「ホワイトニング剤」を使って歯を漂白するという方法で、保険は適用されないことになっています。その種類には、「オフィスホワイトニング」、「ホームホワイニング」、「デュアルホワイトニング」と3つあり、それぞれやり方が違ってきます。では、その違いについて順番に説明していきます。

2-1 すぐに白さを感じやすい「オフィスホワイトニング」

オフィスホワイトニングとは、歯の表面に高濃度の薬剤を塗り、その部分にレーザーの光を当てて歯を漂白していくというやり方です。オフィスホワイトニングの特徴は、すぐに白さを実感しやすいことです。1回受けるのに掛かる時間は「30分~1時間」です。白さの持続期間は長くても6ヶ月ほどなので、タイミングを見計らって再びホワイトニングを行うことで、白い歯を常に保つことができます。

◆オフィスホワイトニングの流れ

歯肉に薬剤が付かないように、専用のジェルで保護する

オフィスホワイトニングの流れ 歯肉の保護

 

歯の表面に高濃度の薬剤を塗っていく

オフィスホワイトニングの流れ 薬剤を塗る

 

レーザーの光を当てて、歯を漂白する

オフィスホワイトニングの流れ レーザーを当てる

 

オフィスホワイトニングの完了

オフィスホワイトニングの流れ 完了

2-2 自宅で行う持続性のある「ホームホワイトニング」

ホームホワイトニングとは、歯医者さんで自分に合ったマウスピースを作ってもらい、その中に低濃度の薬剤を入れ、自宅で装着して歯の漂白を行っていく方法です。装着時間は1日2時間程度で、1~3週間続けていくことで徐々に歯を白くしていきます。即効性はありませんが、持続期間が1~2年とオフィスホワイトニングよりも長いのが特徴です。

◆ホームホワイトニングの流れ

マウスピースを用意する

ホームホワイトニングの流れ マウスピースの準備

 

マウスピースの中に低濃度の薬剤を入れる

ホームホワイトニングの流れ マウスピースに薬剤を入れる

 

マウスピースを歯に装着させ、漂白する

ホームホワイトニングの流れ マウスピースを歯に装着

 

ホームホワイトニングの完了

ホームホワイトニングの流れ 完了

2-3 はやさ+持続性=「デュアルホワイトニング」

デュアルホワイトニングとは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行っていく方法で、歯をすぐに白くさせる作用と、白く保つ持続性を融合したホワイトニングのやり方です。従って、掛かる費用も高くなりますが、歯を徹底的に白くしたいという方にはおすすめの方法です。

2-4 自分に合ったホワイトニングを選ぶ

3つのホワイトニングのうち、自分に合ったホワイトニングを選んでみてください。何かの事情でいますぐ歯を白くしたいという場合は、オフィスホワイトニングが向いているでしょう。また、即効性よりも歯の白さを長持ちさせたいという場合には、自宅で行うホームホワイトニングが良いでしょう。どちらも両立させたホワイトニングを目指すなら、デュアルホワイトニングがおすすめです。

種類費用治療期間持続期間適した人
オフィスホワイトニング約3万円2~4回(1回30分~1時間)3~6ヶ月すぐに歯を白くしたい人
ホームホワイトニング約2万円1~3週間(1日2時間程度)1~2年白く保つ期間を長くし、自宅でホワイトニングをしたい人
デュアルホワイトニング約5万円約1~2ヶ月1~2年費用は高額でもいいので、徹底的に歯を白くしたい人

3.着色汚れが付きやすい習慣

3-1 毎日の食生活による黄ばみ

歯が黄ばんで見えるのは、エナメル質のダメージによるものだけでなく、食事の際に付着した「着色汚れ」が原因です。コーヒーや紅茶、赤ワインなどをよく飲む人は、「ステイン」と呼ばれる着色汚れが歯の黄ばみの原因を生んでしまいます。

ではここで、着色汚れの原因になる食べ物や飲み物、調味料を一通り紹介していきます。

◆着色汚れの原因になる主な食事

食べ物飲み物調味料
カレー、ミートソース(スパゲッティ)、キムチ、ネギ、にんにく、柑橘系の果物、ベリー系の果物、チョコレートコーヒー、紅茶、赤ワイン、烏龍茶、抹茶、ジュース類、コーラ、ココア醤油、ソース、味噌、ケチャップ、からし、わさび

 

歯に黄ばみが付着しやすい習慣

我々が普段から摂取しているものばかりなので、これらを全て制限することは難しいですが、摂り過ぎには注意して、ホワイトニングを行っている期間は、着色汚れの付きやすいものは避けるように心掛けましょう。

◆すぐにできる対策

すぐにできる対処法として、着色汚れの付きやすい食べ物を口にしたあとは、口の中を水でゆすいでみることです。また、口の中が渇くと汚れが付きやすくなるため、ガムを噛んだりして唾液で口内を潤すことで、汚れの付着を防いでくれます。

3-2 タバコのヤニによる黄ばみ

タバコをよく吸う人は、タバコのヤニによって歯が黄色く見えてしまうことがあります。また、タバコのヤニは口臭の原因にもなり、歯周病にかかりやすく、悪化もしやすいといわれています。

◆歯医者さんで行う「PMTC」による対策

対策としては、「1-2」で紹介した歯磨き粉を使用することや、歯医者さんで「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」と呼ばれる歯のクリーニングを行ってもらうことで、黄ばみを落とすことができます。

4.まとめ

私たちの歯は、毎日の食生活で黄ばんできたり、タバコのヤニが原因だったりします。また、歯磨きをする上で歯の表面のエナメル質を傷つけてしまうと、象牙質が浮き出て黄ばんで見えてしまいます。毎日の歯磨きには、研磨剤が無配合のエナメル質を修復できる歯磨き粉を選んで使ってみましょう。また、歯医者さんで「ホワイトニング」や「歯のクリーニング」をしてもらい、健康で白く美しい歯を保つ対策をしていきましょう。

経歴

1975年 東京歯科大学 卒業
1975年~1977年 新宿ビル歯科 勤務
1978年 早川歯科医院 開業
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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