歯の異変

歯を噛むと痛いときの原因7つを解説!症状別の対処法も

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物を噛んだり、重い物を持ち上げたりなど、歯を噛み合せたとき、弱い力であっても歯が痛むことはありませんか?

噛んだときに歯に痛みを感じると、食事をするのも辛くなります。

虫歯以外にも噛むと歯が痛む原因はさまざまありますが、最も多い原因として、歯根膜という歯と骨の間にある組織に炎症が起きている可能性が考えられます。

この記事では、噛むと歯が痛いときに考えられる原因と治療法、対処法、予防法などについて詳しく紹介しています。

歯を噛み合わせたときの痛みに悩んでいる人はぜひ読んでください。

1.歯を噛むと痛い原因7

1章では、歯を噛むと痛いときに考えられる、7つの原因について解説していきます。

主な原因を図にすると、以下のようになります。

図表

1-1.虫歯

虫歯

象牙質(ぞうげしつ※)に達した虫歯(C2

虫歯とは、歯磨きの際に磨き残した食べカスといった汚れから作られた酸によって、歯が溶かされる病気を言います。虫歯の進行度は「C0」「C1」「C2」「C3」「C4」の5段階に分けられます。

冷たいものや甘い物がしみる、といった痛みが発生するのは「C2」以上の虫歯と言われています。

※歯は、エナメル質、象牙質、セメント質の3つの組織から成り立ちます。歯の中央には歯髄とよばれる歯の神経があります。エナメル質は一番外側にあり、歯冠部(歯の見えている部分)全体を覆っています。

◆治療法

虫歯が進行する可能性が高い場合は、「コンポレットレジン」と呼ばれる歯科用プラスチック樹脂で治療をおこないます。

進行する可能性が低い場合は、経過観察になることもあります。コンポレットレジンでの治療は型どりをする必要がないため、その場で治療が終わることがほとんどです。

しかし、虫歯が象牙質に達した場合、虫歯になっている部分を削り取り、詰めものや被せものをすることが多いため、治療が複数回に及ぶこともあります。

C2の虫歯の治療では、痛みに応じて麻酔をすることも多くあります。

一般的に、虫歯が歯のエナメル質を溶かすだけに留まる「C1」と呼ばれる初期虫歯では、痛みはほとんど感じられないとされています。そのため、自分では気づきにくく、歯医者さんでなければ発見するのは難しいといえます。

神経まで達した虫歯(C3

根管治療

神経に達するほどの虫歯になると、歯と顎の骨をつなぐ歯根膜(※)にも虫歯菌が感染することがあります。虫歯が原因で歯根膜の炎症が起きている場合は、症状の改善に時間がかかることがあります。

※歯根膜は歯の根っこである歯根と、骨である歯槽骨の間に存在し、歯にかかる力を吸収し和らげるクッションのような役割を担います。神経に達するほど虫歯が進行すると、歯根膜にも細菌が感染し、炎症が起きることがあります。

◆治療法

細菌に感染した歯の神経を取り除き、洗浄、消毒をおこないます。リーマー、ファイルといった針金のような器具を根管内(歯の根っこの中)に入れて、歯の神経である歯髄を除去します。その後、中にある細菌をかき出します。この処置を、抜髄(ばつずい)と呼びます。

その後、薬剤で洗浄、消毒し、仮蓋をします。症状によっては何度か消毒をおこない、症状がなくなったら根管内に薬剤を入れます。この処置を、根管治療と呼びます。

根管治療が成功するかどうかは、根管内の細菌をどれだけ取り除けるかにかかっています。しかし、根管内は直径1mm以下と細く、硬くなったり曲がりくねったりしている場合があります。そうした形状から、根管内は見えにくく、器具が通りにくいため、細菌を完全に取り除くのは難しいと言えます。

そのため、薄いゴム製のシートであるラバーダム(※1)や、患部を数十倍に拡大できるマイクロスコープ(※2)を使用することは根管治療の成功率を上げることにつながります。

ただ、保険診療の範囲においては、ラバーダムやマイクロスコープは通常は使用できないことがほとんどです。

※1口腔内の唾液や細菌による根管内の感染を防ぐために使用します
※2ラバーダム、マイクロスコープは自費診療の場合があります。

根管治療後に起きる炎症

痛みのある女性

根管治療が終わっても、噛んだときの歯の痛みが残っている場合、いくつか原因が考えられます。

根の先の神経を刺激したことによる痛み

根管治療では、歯根の先の神経を取り除きます。しかし、歯の近くにある神経はそれだけではなく、周りにもさまざまな神経が通っています。その個人差はありますが、治療後、まわりの神経に一時的に痛みが出ることがあります。

◆治療法

通常は2、3日たてば痛みは治まります。根管治療後は、化膿止めや痛み止めを処方されることがほとんどです。処方されなかった場合は歯医者さんに相談し、痛みがあることを相談しましょう。

根管内に細菌が残っている

根管内に細菌が残っていると、噛んだときに歯が痛んだり、歯茎が腫れたりする症状が出ます。再発している場合は、レントゲンで確認すると影が見えることがほとんどです。

◆治療法

影を確認できた場合は、根管治療のやり直しを試みます。それでも痛みが治まらない場合には、抜歯となるケースがあります。

1-2.歯周病

歯周病

歯周病は、歯垢(プラーク)や歯石の付着により、歯を支える歯茎や骨が破壊されていく病気です。歯周病が進行すると、根の周りにある歯根膜にも炎症が起こることがあります。

歯周病がひどくなると歯がぐらつき、歯を失う原因となる場合もあります。

そうなる前に、毎日の歯磨きで歯垢を除去したり、定期的に歯医者さんを受診し歯石を除去してもらったりすることをおすすめします。

歯周病は、日本人の成人のうち約8割がかかっている(※)と言われています。

【参考】公益社団法人 日本歯科衛生士会
https://www.jdha.or.jp/health/topics1.html

◆治療法

歯がぐらつき、歯根膜の炎症を引き起こすほどの歯周病は、重度であることが考えられます。歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)が6mm以上の「重度歯周病」(※1)では、「フラップ手術」(※2)という外科手術をおこなうことがあります。

※1歯周ポケットの深さと重度歯周病について
重度歯周病の診断基準は統一されておらず、医師会や診療ガイドラインによって重度歯周病とする歯周ポケットの深さは異なります。ここでは、厚生労働省が明記している深さを基準として解説しています。

【参考】e-ヘルスネット 歯周ポケット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-033.html

※2フラップ手術とは、歯茎をはがして歯周ポケット内の感染部位を除去する手術です。
基本診療が終了し、口腔ケアができる場合に限られますが、さまざまな理由からフラップ手術をおこなうことができなければ、歯周病は進行しやすくなります。

1-4.食いしばり・歯ぎしり

上下の歯は、わずかに離れているのが一般的です。

唇を閉じたときに上下の歯を噛み合せているなら、食事で噛み合せるとき以外でも、歯を噛み合せてしまう「食いしばり」の癖があるかもしれません。

夜に寝ているときの「歯ぎしり」や、起きている間の「食いしばり」は、長期にわたると歯への負担が大きく、歯根膜の炎症を引き起こすことがあります。

◆治療法

マウスピース

食いしばりは、意識することである程度防ぐことができます。歯ぎしりは、寝るときにマウスピースを使うといった方法を検討し、歯にかかる負担をやわらげましょう。

なお、マウスピースはオーダーメイドで作製してもらうのが一般的です。保険診療内で作ることができ、料金の目安は5000円~7000円程度です。

1-5.歯の外傷

転倒や衝突、転落などによって歯に強い衝撃を受けると、歯が欠けることがあります。

特に、まだ歩行が安定しない幼児に起きやすいとされています。乳歯の場合は神経の治療を行うことができないため、次の永久歯が生えるまで定期的な経過観察が必要です。

◆治療法

神経にまで達しているかどうかで処置が変わります。神経に影響が及んでいない場合は、欠けた歯を歯科用の接着剤で接着し、修復します。

大きく欠けて神経にまで達している場合は、神経の治療を行い、型どりをして被せ物を作ります。永久歯の位置から被せ物をすることが難しい場合は、乳歯を抜いて入れ歯を入れることもあります。

1-6.咬合異常(こうごういじょう=咬み合わせが悪いこと)

本来あるべき噛み合せとは、物を噛む際にすべての歯が均一に当たる状態です。(※)悪い咬み合わせは、一部ないし数カ所が強く当たる状態のことをいいます。

特定の歯ばかりに強く力がかかると、当たりが強くなる部分の歯に負担がかかり、歯根膜にも炎症が起こることがあります。

【参考】咬合異常の診療ガイドライン
http://www.hotetsu.com/s/doc/GAIDE-02_21649.pdf

◆治療法

噛み合せの調整を行い、全体の歯が噛み合うようにします。歯にかかる負担を和らげられれば、歯根膜炎の炎症が改善する場合があります。

1-7.上顎洞(じょうがくどう)の炎症

上顎洞とは、副鼻腔(ふくびくう=鼻と隣り合う骨の中に作られた空洞)の一つです。鼻の横の歯に近い部分にあります。上顎洞の粘膜に細菌が入り、炎症が起こることを「上顎洞炎」と言います。

炎症が歯根膜におよんだり、炎症によって奥歯の神経が圧迫されたりすると、噛んだときに痛みを生じることがあります。

◆治療法

上顎洞炎の治療と、炎症の原因となった虫歯や歯周病の治療を、同時におこなう必要があります。上顎洞炎に対する治療は、上顎洞の洗浄や、抗生物質の投与であることが多いです。

2.歯を噛むと痛いときの対処法

噛むと歯が痛いとき、すぐに歯医者さんを受診できない場合は、以下の対処法を試しましょう。その上で、できるだけ早めに歯医者さんを受診しましょう。

2-1.鎮痛剤を服用する

鎮痛剤

歯の痛みを感じるものの、すぐに歯医者さんを受診できないときは、鎮痛剤を服用しましょう。一時的に痛みが和らぐ場合があります。

※市販の鎮痛剤を使用する際は薬剤師に相談し、使用上の注意をよく読んだ上で用法・用量を守って正しく使いましょう。

2-2. 患部を外側から冷やす

歯の痛みがあり、腫れがある場合は、冷やすことで痛みが和らぐ場合があります。

濡れたタオルに氷や保冷剤を包んで冷やすようにしましょう。氷や保冷剤などで直接冷やすと、血行不良を起こすことがあるため、避けましょう。

3-3.痛みを感じる歯を噛み合わせない

歯を噛み合わせると痛いときは、痛くない別の歯で噛むことを検討しましょう。なるべく痛みを感じる歯を噛み合わせないようにすることが大切です。

3-4.手で触らない

痛みのある歯を手で触ることで、手についていた細菌が歯に移り、余計に症状が悪化してしまうことがあります。手で触らないようにしましょう。

3-5. 早めに歯医者さんを受診しよう

以上の対処法は、痛みを和らげることはあっても、痛みの原因である原因を改善するものではありません。早めに歯医者さんを受診し、原因を探り、適切な治療を先生に提案してもらうことをおすすめします。

3.歯のトラブルを防ぐためにできること

3-1.普段からの歯磨き

歯磨き

歯のトラブルを未然に防ぐためには、日々の歯磨きが大切です。毎日歯みがきをしているのに歯のトラブルに悩まされている人は、自分の歯磨きの癖を知り、正しい歯磨きの仕方を確認しましょう。歯医者さんでは、正しい歯磨きの仕方を指導してもらえます。受診の際に聞いてみるのもおすすめです。

3-2.歯の定期健診

定期健診

虫歯は、C1(エナメル質で留まる虫歯)までは初期虫歯と呼ばれ、自覚症状が出ることはほとんどありません。初期虫歯であれば1日で治療が完了することも多いですが、症状が出てしまってからでは治療が複数回に渡るケースがほとんどです。

定期的に歯医者さんを受診し、虫歯ができていないかどうかのチェックと、歯周病の原因となる歯石を除去してもらいましょう。

3-3.食いしばり・歯ぎしりをなくす

食いしばりや歯ぎしりは歯の表面をすり減らせ、冷たいものがしみる知覚過敏や、歯のヒビに繋がります。重い物を持ち上げたり、スポーツで集中したりすると、歯を食いしばることがありますが、ストレスがかかったときにも同様のことをしがちです。

起きている間は、気づいたときに食いしばりをやめるよう心がけ、寝ている間は、マウスピースを装着することも検討しましょう。

4.まとめ

噛むと歯が痛くなる原因はさまざまあります。虫歯や歯周病、歯のヒビといった細菌の感染によるものや、食いしばりや歯ぎしり、噛み合わせの悪さから歯に力がかかっているなど、原因によって治療法も異なります。痛みがある場合は、早めに歯医者さんを受診し、適切な処置をおこないましょう。

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執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関するお悩み解決をサポートするべく、各お悩みに関する症状・原因・治療内容などのお役立ち情報を掲載。お悩み解決コラムの全記事を歯科医師が監修しています。

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