発熱で歯が痛む!それは虫歯だけでなく他の病気が潜んでいる可能性が!

発熱で歯が痛む!それは虫歯だけでなく他の病気が潜んでいる可能性が!

発熱のあるときに強い歯の痛みを感じることはありませんか。熱が出るような体調不良のときは免疫力が落ちているので、歯周病菌や虫歯菌が暴れ出すためといわれています。

この記事では、虫歯と発熱が同時に起きた際に考えられる原因や注意点を解説します。

この記事の目次

1.発熱と虫歯の関係は?痛みへの応急処置は

1-1 発熱時に虫歯が悪化することも

人間の体には免疫力が備わっていて、病気を引き起こす原因菌に抵抗することができます。
しかし、インフルエンザなどで発熱しているときには免疫力が落ちてしまします。

虫歯が深く歯の内部(歯髄)にまで及んでいるときに体温が上昇すると、痛みを生じることがあります。
歯髄には神経や血管が絡み合って存在しているため、体温が上がって毛細血管の血行がよくなり内圧が高くなると、炎症のある歯髄の神経が圧迫されるためです。

虫歯でなく、歯肉や歯を支えている骨が歯周病にかかっているときも、免疫力・抵抗力が低下することで炎症がひどくなったり、急性の発作の痛みが出たりする場合があります。
風邪などが治まり体力が戻ってくれば、歯の痛みが治まることもあります。

1-2 発熱時に歯が痛いときの応急処置

すぐに歯医者さんに行ける状況にないときは、次のような応急処置でその場をしのぎましょう。

・濡れタオルなどで冷やす
・ロキソプロフェンなどの市販の痛み止めを飲む

内科などで薬を処方してもらうときは、痛み止めを一緒に飲んで良いか相談してみましょう。

※市販薬を使用する際には薬剤師の指示に従い、用法用量を守って使用してください。

2.虫歯が関係する発熱のある症状

2-1 副鼻腔炎で鼻水や発熱

上顎の奥歯は鼻の副鼻腔(ふくびくう)に近いため、歯の根から出た細菌が副鼻腔に溜まり、「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」を引き起こすことがあります。

副鼻腔炎とは鼻水や鼻づまり、頭痛などを引き起こす病気です。
発熱を伴うこともあります。

虫歯菌や歯周病菌など細菌が原因となって副鼻腔炎を発症した場合、抗生物質を飲んで治療をしますが、症状が悪化している場合には1回や2回の治療では完治できませんので、耳鼻いんこう科に相談しましょう。

もちろん、原因の虫歯を治す事は大前提にあります。

2-2 根尖性歯周炎で腫れや発熱

虫歯が進行して歯の内部にある神経(歯髄)が既に死んで、さらに歯の根元の尖端(せんたん)部分に炎症が起きることがあります。
「根尖性(こんせんせい)歯周炎」といい、尖端部分に膿が溜まってしまった状態です。

根尖端部分の骨の一部分を破って、その外側の骨膜または周囲の歯肉にまで膿が出て、感染が周囲の組織に広がることも多いです。
赤く腫れたり、痛みや発熱、悪寒などが起きたりすることがあります。

体の抵抗力・免疫力が下がったときに、急性発作を起こすことがあります。

根尖性歯周炎のイラスト

2-3 顎骨炎で高熱が続いてしまう

歯根の細菌が顎の骨の内部(骨髄)まで広がってしまい、顎骨骨髄炎になってしまう場合もあります。
そうなると、強い痛み、高い発熱など体調不良が続きます。

治療法としては、抗生物質を取り入れて治療します。
1ヶ月以上はかかってしまい、安静にする事が必要です。

3.虫歯の痛みと発熱があるときの対応と注意点

発熱と歯や歯肉の痛みがあるときは、全身的な状態の見直しと抗生物質の服用が有用です。

3-1 熱いお風呂は控えよう

熱いお風呂に入ると、血行が良くなり虫歯がより痛みだすことがあります。
軽くシャワーだけ浴びて出るのが良いでしょう。

3-2 アルコールを控えよう

アルコールも同様に痛みが増す原因の一つです。
理由としては血流が良くなり、体温が上がるためです。
炎症を起こしやすい状態なので、虫歯が痛む時は控えましょう。

3-3 気になってもさわらない

手に付着したバイ菌が虫歯をより悪化させてしまう可能性があるので触ってはいけません。

4.監修医の見解は?

Q『虫歯』が原因で『熱』が出たら非常に危険な状態なのでしょうか。
A危険な度合いは症例によって大きく幅がありますが、多くの虫歯では発熱に至ることはほとんどないとお考えください。

虫歯の症状としては発熱以前に「水が凍みる」「穴があいた」「黒くみえる」等の症状が先に起こります。そして全身的な発熱となると、細菌が骨まで到着して骨髄炎を起こしているかもしれません。

我慢しても自然治療は考えられませんので一刻も早く歯科医院を受診してください。

5.まとめ

病気で体力が落ちているときは、虫歯や歯周病の症状が出やすいといえます。
日頃から虫歯や歯周病のケアをして、急に痛みが発生するリスクを減らしておきましょう。

発熱と歯の痛みが同時に来てしまったら、まずは内科に相談してみると良いでしょう。
鼻水がひどい場合は、耳鼻いんこう科を受診することもできます。

風邪などの症状が治まってきたら、虫歯や歯周病になっていないか、歯医者さんに診てもらいましょう。

経歴

出身校:大阪大学

血液型:O型

誕生日:1956-11-09

出身地:大阪府

趣味・特技:料理

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
現在に至る

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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