朝、鏡に映る自分を見て「なんだか歯が汚いな…」と思ったこと、ありませんか? 歯磨きも毎日欠かさずしている方でも、この悩みを抱えていらっしゃる方も多いことでしょう。
それが原因で、自分の歯の汚れが気になってしまい、人前で気持ち良く笑えないなんてことも。そうならないためにも、この記事では歯が汚れてしまう様々な原因と、その対処法をご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
1.歯が汚くなる4つの原因とそれぞれの対処法
歯が汚れるというのも、様々な原因があります。磨き残しによる歯垢、歯垢が固まって出来る歯石、たばこのヤニ、飲み物などによる着色ステインなど。その原因一つ一つをご紹介していきますので、ご自分の状態と照らし合わせてご覧ください。
1-1 歯垢による汚れ
歯垢というと、虫歯の原因の代表として多くの人に知られています。では、具体的にどういったものを歯垢と呼び、どのように対処していけば良いのでしょうか。
◆具体的な状態と原因
歯垢とは、歯の表面に付着した細菌を指します。菌なので、放置すれば虫歯の原因となります。歯の表面にぬめりが出ていたり、少し黄ばんで見えるのが特徴です。
◆対処法
歯垢は歯磨きで落とすことが可能ですが、正しい歯磨きの方法を用いていないと、歯の隙間や、奥歯に溜まりがちです。歯医者では歯垢の除去を行ってくれる他、正しい歯磨きの方法も教えてもらえます。
◆自分で出来る対処法
繰り返しになりますが、やはり正しい歯磨きを心がけることが大切です。それに並行して、後述する歯石除去と共に、定期的に歯医者へ通うことをおすすめします。
1-2 歯石による汚れ
歯垢と共に多くの人に知られているのが歯石。白く固まって見えるもので、こちらも人の目が気になってしまいがちです。そんな歯石の原因とは何なのでしょうか。
◆具体的な状態と原因
前項の歯垢とは細菌であるとご説明しました。その歯垢に唾液に含まれるカルシウムなどが沈着し、石灰化したものを歯石と呼びます。歯垢を放置した結果、文字通り石になってしまったものです。
◆対処法
歯垢とは違い、こちらは歯磨きで取り除くことが出来ないので、歯医者に除去してもらう必要があります。歯石を放置すると歯周病などの原因となりますので、見つけたら速やかに歯医者へ行きましょう。
◆自分で出来る対処法
出来てしまった歯石は自分ではどうしようもありませんが、その原因である歯垢を溜めないことが大切です。日頃からの入念な歯磨きを心がけましょう。
◆歯科へ行く以外で気を付けるべきこと
歯石の原因である歯垢は、食べかすなどが主な要因になります。可能であれば、外出中でも食事を摂った後に歯磨き出来る環境を作ることが望まれます。
1-3 たばこのヤニによる汚れ
喫煙者であれば誰もが抱える悩みであると言えます。汚れの他に口臭の原因にも挙げられるもので、多くの方が当てはまります。
◆具体的な状態と原因
ヤニによる汚れと言えばやはり黄ばみ。ヤニが歯の表面に付着し、固まってしまった状態です。もともと白いはずの歯が黄色くなってしまい、少し不潔な印象も。
◆対処法
一度黄ばんでしまった歯を綺麗にするには、ホワイトニングが必要です。歯医者へ通えば、それなりの費用と期間が必要になりますが、もとの白い歯に戻すことが可能です。
◆自分で出来る対処法
たばこを吸わない、というのがもちろん第一ですが、歯が黄ばみ始める前に、主に着色物を落とす清掃剤(研磨剤とも)入りの歯磨き粉を用いて歯磨きすることで、予防することが可能です。
◆歯科へ行く以外で気を付けるべきこと
食事と違い、喫煙は一日に何度も行うものです。歯の黄ばみがどうしても気になる方は、出来る限り回数を減らし、食後の一服後すぐに上記の方法で歯磨きを行いましょう。
1-4 飲料などの着色による汚れ
歯がくすんでいるように見えたり、少し黄ばんでしまっていること、ありませんか? そういった着色汚れは、飲料などが原因になっている場合があります。
◆具体的な状態と原因
主な原因として挙げられるのが、紅茶やコーヒー、ワインなどの色素が強い飲み物です。こういったものが溜まって沈着したものを着色汚れ、ステインと呼びます。
◆対処法
やはり、たばこの項でも挙げた方法が有用です。一度固まってしまったステインを落とすことは困難ではありますが、たばこのヤニとは違い、セルフケアが比較的やりやすいです。
◆自分で出来る対処法
基本的には、やはり清掃剤入りの歯磨き粉で歯を磨くことが大切です。歯の表面を傷つけずに研磨することが出来る歯磨き粉も多く販売されているので、おすすめです。
◆歯科へ行く以外で気を付けるべきこと
ステインの原因としてもご紹介した、コーヒーなどの色素の強い飲料を避けること、日々の正しい歯磨きで軽減することが可能です。紅茶などを飲んだ後にうがいをすることでも、少しですが効果はあるでしょう。
2.綺麗にした歯のアフターケア方法
ここまで、様々な原因と改善方法をご紹介しましたが、せっかく改善したのに同じことを繰り返してしまっては意味がありません。改善後、どうすれば再発を防ぐことが出来るのでしょうか。
2-1 改善後のケア方法
やはり重要なのは、改善前と同じことをしてしまわないことです。歯医者では、あなたに合った具体的なアフターケアの方法をレクチャーしてくれます。よく聞き、日々の生活に活かしましょう。
2-2 自分で出来る方法
歯の汚れというのは、日々の些細な意識によって抑制出来ます。歯の磨き方、食べるものや飲むものの選択など、少しのことで劇的に改善されることもあるので、ご自分に合った方法でケアされることをおすすめします。
2-3 絶対にしてはいけないこと
自分の歯が綺麗になったからといって、そこで関心を捨ててしまってはいけません。むしろそのキレイな状態を保つことが本当の目的なのです。歯の汚れを改善してからがスタートであるということを肝に銘じておきましょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。ここでご紹介した内容は、生活習慣の改善で予防することが出来るものばかりです。生活習慣を見直し、規則正しい生活を送っていただくことが一番の予防法です。また、違和感はなくとも、年に数回は歯医者で検診を受けることも大切でしょう。
1975年 東京歯科大学 卒業
1975年~1977年 新宿ビル歯科 勤務
1978年 早川歯科医院 開業
現在に至る
執筆者:
歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。