虫歯で肩こりが起こる?考えられる4つの原因と治し方を解説

    虫歯で肩こりが起こる?考えられる4つの原因と治し方を解説

    現代病とも言われる肩こりは、長時間同じ姿勢でパソコンを使ったりテレビを見たりすることで筋肉に負担がかかり、肩こりの原因になることが広く知られています。しかし、虫歯が原因で肩こりがひどくなるケースもあります。

    この記事では、虫歯と肩こりの関係についてご紹介します。虫歯がどのように肩こりの原因となるのか、そして虫歯を治療すれば肩こりが解消するのかなど、肩こりの治し方についても説明します。

    この記事の目次

    虫歯で肩こりが起こる4つの原因

    虫歯と肩こりは一見関係なさそうですが、以下のようなことが原因で、肩こりを誘発してしまうケースがあります。

    無意識に虫歯の歯を避けて食べている

    虫歯になると、痛みや冷たいもの、甘いものがしみるといった症状が現れます。その状態で虫歯のある側で食べ物を噛むと、さらに痛みが増します。そのため、虫歯になると無意識に虫歯のない側で噛むようになります。片側だけで噛む癖がつくと、体の歪みを引き起こし、肩こりの原因となってしまいます。

    奥歯の神経が炎症を起こしている

    奥歯が虫歯になり、歯の神経が炎症を起こすと、歯茎も炎症を起こし、その炎症が顎関節周囲の筋肉やリンパ腺にまで広がることがあります。同様に、親知らずが虫歯になった場合も、炎症が広がる可能性があります。

    このように、顎関節周囲の筋肉やリンパ腺に炎症が広がると、首や肩に痛みが出てきます。そのため、奥歯や親知らずが虫歯になると、肩こりを引き起こす可能性が高くなります。

    痛みを我慢して奥歯を嚙みしめている

    虫歯が進行して痛みを感じるようになると、その痛みを我慢しようとして奥歯を噛み締めることが増えます。また、顎や肩に力を入れることもあるでしょう。こうした行為は筋肉に負荷をかけ、筋肉が緊張して疲れてしまいます。この筋肉の疲労が血行不良を招き、肩こりにつながります。

    痛みを我慢して首を傾けている

    虫歯で痛みを感じると、痛みを我慢しようとして奥歯を噛み締めたり、顎や肩に力を入れたりすることがあります。また、痛い方に首を傾けることもあるでしょう。痛みが続く間、首を傾けて約5~6kgの頭を支える姿勢を続けると、筋肉が硬くなり血行が悪くなります。その結果、首や肩のこりが現れます。

    虫歯による肩こりを治す方法

    虫歯と肩こりに関係があることはご理解いただけたと思いますが、では、虫歯が原因の肩こりを治すためにはどのような方法があるのでしょうか。

    虫歯を治療する

    まずは虫歯を治療することが大切です。冷たいものや甘いものがしみるのも、奥歯の神経が炎症を起こしているのも、そして日常的に痛みを感じるようになるのも、虫歯が進行している証拠です。

    虫歯で自覚症状が出るまで進行した場合は、ほぼ予防処置だけでは治りません。きちんと治療しないとますます虫歯は進行し痛みも強くなります。それに伴って肩こりもひどくなってしまいますので、まずは歯医者さんへ行って虫歯をしっかり治療するようにしましょう。

    整体で施術を受ける

    虫歯が原因の肩こりは、体の歪みや筋肉疲労による血行障害が原因で起こることが多いです。そのため、整体で歪みを改善したり、筋肉疲労を解消したり、血行を促進する施術を受けると、肩こりが軽減されるでしょう。

    ただし、体の歪みや筋肉疲労は生活習慣ではなく虫歯が原因で起きているため、根本原因である虫歯を治療しないと肩こりが再発してしまいます。ですから、まずは歯医者で虫歯治療を優先し、その上で整体の施術を受けることをおすすめします。

    鎮痛剤を使用する

    「虫歯は治療しないといけない」ということはわかっていても、仕事や育児などで、すぐに通院の時間が取れないという方もいるでしょう。そのような場合は、抗炎症薬を含んだフェルビナクや、消炎鎮痛成分を含んだサリチル酸グリコールなどを使用することで、一時的に痛みを和らげることができます。

    しかし、一時的にしのぐためのものですので、時間を見つけてきちんと歯医者さんへ行くようにしましょう。

    虫歯治療後も肩こりが起こるケースも

    虫歯が原因の肩こりの場合、虫歯を治療すれば肩こりも解消するケースが大半です。しかしごく稀に、治療後に肩こりが起こるも考えられますので、その原因と対処法をご紹介します。

    肩こりが起こる原因

    虫歯治療後にも関わらず肩こりが起こるのは、治療による噛み合わせの変化が原因として考えられます。虫歯治療のために歯を削り詰め物をするときに、歯医者さんは細心の注意を払いますが、それでもわずかに噛み合わせが変化してしまうこともあるのです。変化がごくわずかなものでも、肩こりにつながる場合があります。

    肩こりを治す方法

    再治療を受ける

    歯医者さんで再度噛み合わせを整えてもらいましょう。具体的には、治療した歯の周囲の歯を微量削ったり、場合によっては詰め物を作り直すこともあります。わずかな噛み合わせの違和感は本人にしかわかりませんので、その違和感がなくなるまで何度も相談し、調整してもらうことが大切です。

    定期的にメンテナンスを受ける

    虫歯の治療後や再治療後に噛み合わせの違和感がなく、肩こりも解消されても、時間が経つにつれて噛み合わせが変化することがあります。これは、加齢によって歯がすり減ったり、詰め物が欠けたりすることが原因です。そのため、治療直後に違和感がなくても、虫歯予防や正しい噛み合わせを保つために、定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。

    まとめ

    虫歯の進行は、歯の痛みや炎症を引き起こすだけでなく、肩こりの原因にもなります。そのまま放置すると、虫歯が悪化するだけでなく、肩こりも慢性化してしまうでしょう。そのため、早めに歯医者に行って虫歯の治療を受けることが重要です。必要であれば、整体などの施術も受けることをおすすめします。そして、再び虫歯が原因の肩こりにならないよう、健康的な生活を心がけましょう。

    飯田尚良 先生監修
    経歴

    1968年 東京歯科大学 卒業
    1968年 飯田歯科医院 開院
    1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
    1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
    1983年~2009年 東京歯科大学 講師
    現在に至る

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

    歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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