本格的な夏が到来すると、気を付けなければいけないのは熱中症への対策です。ただ、こまめな水分補給は大事ですが、砂糖の入った「スポーツドリンク」を飲み過ぎると虫歯になる危険性が高まります。
この記事では、スポーツドリンクが虫歯リスクを高める理由と虫歯にならないようにするための上手な水分補給について紹介していきます。
1.スポーツドリンクに含まれる成分で虫歯に!?
スポーツドリンクにはカリウムやナトリウム、マグネシウム、カルシウムといった「電解質(イオン)」が含まれていることから『イオン飲料』と称されることもあります。水に溶けると電気を通す物質をイオンと呼び、身体の水分量を調節してくれたり、骨や歯を形成してくれたりします。
しかし、スポーツドリンクは酸性で糖分が多く含まれているため、歯の成分を溶かす「脱灰(だっかい)」が起きやすくなります。そして、やがて歯に穴が空いて、虫歯の状態になります。虫歯だけでなく「酸蝕歯」になる可能性も考えられます。
2.飲むときは適量を守り、ダラダラと飲まない
スポーツドリンクは前述の通り虫歯を招きやすいですが、夏場に大量に汗をかいたときには適した飲み物であることは間違いありません。喉を潤すだけでなく、排出されたマグネシウムやカルシウムを素早く補うことができるためです。
しかし、適量を守らずに過剰に摂取したり、「ダラダラ」と飲み続けたりすると、お口の中に糖分が残り続けてしまうことになります。これが虫歯を招く原因となります。
3.虫歯リスクを避けて水分補給をするには?
この章では、虫歯のリスクを避けて上手に水分補給する方法について触れていきます。糖分の多いスポーツドリンクの代わりになる飲み物も紹介します。
虫歯リスクを高めるのはスポーツドリンクだけではない…
虫歯リスクを高めるのは、スポーツドリンクだけではありません。糖分の多い100%果汁のジュース、コーラやサイダーといった炭酸飲料も挙げられます。どれも暑い季節には欠かせない飲み物なので、好んで飲む方は多いと思いますが、スポーツドリンクと同様に飲み過ぎには注意を払わなければなりません。
糖分の少ない「経口補水液」に注目
夏場の水分補給の際には水やお茶、麦茶といった飲み物が適しています。しかし、水分と同時に失われた電解質(イオン)も補うことが大切です。最近では、スポーツドリンクよりも糖分が少ない「経口補水液」が注目されています。
経口補水液は電解質の濃度が高いことから、お茶と比べても身体に水分が補給されやすい特徴があります。下痢や嘔吐などによる脱水症状を起こしたときに適した飲み物です。
4.子供や高齢者は水分補給が特に大切
日頃から水分が不足しがちなのが、子供や高齢者の方たちです。代謝が活発に行われる子供は保護者の方が気を配って水分補給をさせてあげなければいけません。特に夏の暑い時期は注意が必要ですが、これまで伝えてきた通り、糖分の高いスポーツドリンクを過剰に飲ませることのないようにしましょう。
年を重ねると体内の水分量も少なくなります。また、高齢者の方は喉が渇きにくく感じるようになるため、水分補給をおろそかにする傾向があります。さらに、外に出るときはもちろん、室内にいても風通しが悪かったり、直射日光の強い場所にいたりすると脱水症状を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
5.まとめ
暑い夏を迎えたらこまめな水分補給が大切です。その際、注意しなければいけないのが虫歯にならないように糖分の入った飲み物を過剰に摂取しないことです。スポーツドリンク自体は、適度な量を守れば問題ありません。上手な水分補給を心掛けて、日本の夏を乗り越えましょう。
「夏」。このワードだけで心がわくわくしてくる人は多いと思います。私個人も夏は夏フェスに繰り出したり、一日中BBQをしたりとかなりう蝕リスクが高いことをやっていると思いますが、ある程度は仕方ないと思います。汗もかきますし、のども渇きますから。そんな時は夜にしっかりと歯磨きをしてあげてください。また、イベントが終わって帰宅したら、同じくしっかりと歯磨きをしてあげてください。ドリンクだけでなく、眠気覚まし等で売られているタブレットもだらだら舐めているとう蝕リスクが高まりますので注意が必要です。
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