差し歯の寿命を知りたい!交換時期・費用・長持ちさせる方法は?

差し歯の寿命を知りたい!交換時期・費用・長持ちさせる方法は?

「差し歯」は、人工の歯を装着する治療方法のひとつです。虫歯やケガで歯が大きく欠けてしまった場合でも、歯の根が残っていれば、その上に土台を設置し、人工の歯を被せる治療が行われます。
差し歯は材質や使用部位、口腔内の状態によって使用年数が異なります。適切なケアを行うことで長期間使用できるケースもありますが、歯や歯ぐきへの負担、虫歯や歯周病などによって寿命が短くなる場合もあります。
この記事では、差し歯の種類ごとの特徴や寿命の目安、交換費用の目安、長持ちさせるためのポイントについて解説します。

差し歯の寿命や費用など種類ごとの特徴のほか、寿命を延ばすためにできることも紹介します

※本記事に掲載している自由診療の料金は、2026年4月時点でEPARK歯科に掲載されている歯科医院の税込み料金情報を参考にしたものです。料金は地域や施術内容、使用する機材、歯科医院の方針等によって異なります。実際の料金や副作用、リスク等については受診予定の歯科医院へご確認ください。

この記事の目次

1.差し歯の寿命と特徴!種類ごとに解説

差し歯は材質によって特徴や耐久性が異なり、保険診療で使用できるものと自由診療のものがあります。一般的には、自由診療の素材のほうが審美性や耐久性に優れる傾向があります。
前歯のように見た目が気になる部位なのか、奥歯のように強い力がかかる部位なのかによって、適した素材は異なります。治療前に歯科医師へメリット・デメリットを確認したうえで選択することが大切です。

*それぞれの使用年数は日々のメンテナンスや口腔内の状態により変化します。

2.差し歯はなぜ寿命がある?原因と予防策

差し歯の寿命は、材質だけでなく、日々のケアや噛み合わせ、歯ぎしりなどの生活習慣にも影響を受けます。ここでは、主なトラブルと予防策について解説します。

2-1 金属の劣化

金属製の差し歯や土台は、経年によって劣化する場合があります。また、金属は天然歯より硬いことがあり、噛む力によって差し歯との間にわずかな隙間が生じることがあります。
その隙間から虫歯が発生し、差し歯の再治療が必要になるケースもあります。

◆予防策

・金属以外の素材を検討する

セラミックなどは変色しにくく、表面性状の違いから汚れが付きにくいとされています。

・ファイバーコアを使用する(自由診療)

グラスファイバー製の土台(ファイバーコア)は、天然歯に近いしなやかさがあるとされ、歯根への負担軽減が期待されます。

2-2 プラスチックの変色

レジン素材は飲食物の色素を吸収しやすく、経年的に変色する場合があります。
コーヒー、紅茶、ワイン、喫煙習慣などによって着色しやすくなることがあります。

◆予防策

・変色しにくい素材を選択する

セラミックは表面が滑沢で、レジンと比較すると着色しにくいとされています。

2-3 歯ぐきの変色

金属を使用した差し歯では、金属成分の影響により歯ぐきが黒っぽく見えることがあります。一般的に「メタルタトゥー」と呼ばれることがあります。
機能的な問題がない場合でも、審美面が気になり交換を希望するケースがあります。

◆予防策

・金属を使用しない素材を選択する(自由診療)

セラミックやファイバーコアなど、金属を使用しない治療方法が選択される場合があります。

2-4 歯根破折(根が折れる)

神経を取った歯は、時間の経過とともにもろくなる場合があります。強い噛み合わせや歯ぎしりなどの負荷によって、歯根が割れることがあります。

◆予防策

・歯ぎしりや食いしばりへの対策を行う

歯ぎしりや食いしばりがある場合、マウスピースを使用することで歯への負担軽減が期待できます。

・噛み合わせを確認する

噛み合わせの不調和があると、一部の歯に強い負担が集中することがあります。違和感がある場合は歯科医院で相談しましょう。

・歯に近い硬さの素材を選択する

素材によっては天然歯への負担軽減が期待されます。ただし、適応は歯の状態によって異なります。

2-6 歯周病

歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、差し歯を支えられなくなる場合があります。

◆予防策

・定期検診を受ける

歯科医院で定期的にクリーニングや検査を受けることで、歯周病や虫歯の早期発見につながります。

・歯磨き指導を受ける

毎日のセルフケアが不十分だと、歯周病リスクが高まることがあります。適切な磨き方を確認してもらうことも大切です。

3.差し歯の寿命が来たら!交換の費用目安

差し歯は永久的に使用できるものではなく、状態によって交換が必要になる場合があります。費用は保険診療か自由診療かによって異なります。

3-1 保険診療の場合

・硬質レジン前装冠:約5,000円~8,000円
・CAD/CAM冠:約6,000円~10,000円(条件に当てはまる場合)

※ここでは2026年(令和8年)の3割負担の場合の保険診療の費用を記載しています。初診料やレントゲンは含んでいません。治療内容や区分、制度の改定でも変動しますので、あくまで目安としてください。

保険適用の範囲内であれば、比較的費用を抑えて治療できる場合があります。
なお、保険適用範囲は治療部位や条件によって異なるため、詳細は歯科医院で確認しましょう。

3-2 自由診療の場合

・オールセラミック:約60,000円〜150,000円
・ジルコニア:約80,000円〜170,000円
・ファイバーコア:約10,000円〜30,000円
・CAD/CAM冠:約40,000円~70,000円(条件に当てはまれば保険診療)

※2026年4月時点のEPARK歯科掲載自由診療税込み料金情報を参考に編集部集計

自由診療では、使用する素材や歯科医院によって費用が異なります。また、保証制度を設けている歯科医院もありますが、保証内容や期間は医院ごとに異なります。
事前に費用や保証内容を確認しておくことが大切です。

4.まとめ

差し歯は、素材や使用環境、メンテナンス状況によって使用年数が変わります。適切なセルフケアや定期検診を継続することで、長く使用できる可能性があります。
また、歯ぎしりや噛み合わせなどが差し歯へ負担を与える場合もあるため、気になる症状があれば歯科医院で相談しましょう。
差し歯以外にも、ブリッジやインプラントなどの治療方法が選択肢となる場合があります。保険適用の有無やそれぞれの特徴について、歯科医師と十分に相談しながら検討することが大切です。

【参照サイト】
・日本補綴歯科学会
https://www.hotetsu.com/
・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/
https://www.jda.or.jp/park/trouble/index18.html
・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/

広島大学 名誉教授
濱田泰三名誉教授監修
略歴・プロフィール

【略歴】
1969年 大阪大学歯学部 卒業
1973年 大阪大学大学院 修了
1981年 広島大学 教授
2008年 広島大学 名誉教授
東北大学 教授
2012年 東北大学 客員教授
東北大学 教育研究支援員
東北大学 学術研究員
今日に至る。

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執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

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