歯医者さんの治療時間や通院回数はどのくらい?虫歯の進行度別に紹介

    歯医者さんの治療時間や通院回数はどのくらい?虫歯の進行度別に紹介

    歯医者さんに通うのは時間がかかるというイメージを持っている方も多いでしょう。実際、虫歯の治療が一度で済むことはほとんどなく、数回の通院が必要になるのが一般的です。では、なぜ歯の治療には何度も通わなければならないのでしょうか?

    治療にかかる時間は、虫歯の進行度によって異なります。この記事では、虫歯の進行度に応じて必要な通院回数や、一回あたりの治療時間について詳しくご紹介します。

    この記事の目次

    虫歯の進行度別の治療時間と通院回数

    虫歯治療は虫歯の程度によってかかる時間が異なります。それぞれどのくらいの治療時間がかかるのか知っておきましょう。

    C0(ごく初期の虫歯)

    1回の治療時間:15〜30分程度
    治療内容:ブラッシング指導やフッ素塗布を行います。
    通院回数:1回

    C1(エナメル質に達している虫歯)

    1回の治療時間:20〜30分程度
    治療内容:虫歯部分を取り除き、削った箇所に詰め物を詰める治療をします。
    通院回数:1~2回程度

    C2(象牙質に達している虫歯)

    1回の治療時間:30分~
    治療内容:場合によっては麻酔を使って虫歯部分を除去し、削った箇所に詰め物を詰めます。
    通院回数:2~3回程度

    C3(歯髄に達している虫歯)

    1回の治療時間:20〜30分程度
    治療内容:歯の神経を取り除く根管治療を行ったあと、歯全体にクラウンを被せる治療を行います。
    通院回数:4~5回程度

    C4(末期の虫歯)

    1回の治療時間:20〜30分程度
    治療内容:歯を残せない場合は抜歯をして、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどを行うことになります。
    通院回数:場合によって異なるが、最低4回以上

    なぜ何度も通院が必要なのか?

    1回あたりの治療時間が短く、何度も通院が必要なのには以下のような理由があります。

    1回の治療時間が短い理由

    レセプト(診療報酬)の上限があるため

    一日に何点までという診療方針が決まっているので、1回に何でも行うことができないケースがあります。

    予約を取りにくくしないため

    一人の患者さんに何分も使ってしまうと、予約がとりにくくなり患者さんの不便、不満にもつながります。

    効率よく治療するため

    もし長時間予約がキャンセルになった場合、その時間、担当医は、何もしないで待つことになってしまいます。

    通院回数が多い理由

    段階を踏んだ治療が必要なため

    虫歯治療は一足飛びにはできません。虫歯が進行しているほど、上記のように段階を踏んでいろいろな治療を行わなければならず、一回にすべてを終えることができません。たとえば、レントゲンを撮って治療方針を決める、削る、詰め物の型を取る、詰め物を入れる、フッ素塗布するといった過程があり、型取りと詰める作業は通常別々の日に行います。

    時間がかかるものも多いため

    補綴物などは歯科技工士に外注するので、制作に一定の時間を要します。その間に歯の様子を経過観察する必要もあり、一回で済ませるわけにはいきません。

    良い歯医者さんの探し方は?

    基本的に1回の診療時間があまりに短く、回数ばかりかさむような歯医者さんは避けるほうがよいです。しかし単に時間短縮を考えるのではなく、自分に合った良い歯医者さんに通うことが大切です。良い歯医者さんを見極めるために、以下のチェックポイントを参考にしてみてください。

    なるべく歯を残すような治療をしてくれる

    深い虫歯は神経を取ってしまう治療が一般的ですが、神経を失った歯は寿命が短くなります。いまは歯の神経を残す方法も開発されているので、なるべく歯の神経を残すような治療を行う歯医者さんのほうが良いといえるでしょう。

    CTを活用して治療・説明してくれる

    難症例の場合にCTを使って根を確認しながら治療する歯医者さんは、手探りではなくきちんと治療してくれているといえます。さらに丁寧に説明も行ってくれる歯医者さんなら、なお良いでしょう。

    1回の治療時間を十分にとってくれる

    歯医者さんは予め何分に一人という診療ペースを決めて予約をとっています。このペースが30分以上ある、つまり1時間に2人までしか予約を取らない歯医者さんなら、一回にきちんとした治療を行ってくれるといえるでしょう。

    最新の専門機器を備えている

    神経治療など、最新の機器を使うことで大幅に治療時間が短縮されるケースがあります。専門機器をいち早く導入している歯医者さんなら、時間内に密度の濃い治療をしてくれるといえます。

    まとめ

    通院する側としては、できるだけ少ない回数で治療を済ませたいと思うものですが、診療にはさまざまな制約があり、そうもいかないことが多いです。しかし、中には患者さんの都合を考慮して、なるべく少ない回数で治療を進めてくれる歯医者さんもありますので、諦めずに相談してみましょう。

    また、実際に通い始めてからの転院は難しくなるため、評判を聞いたり、サイトをチェックしたりして、自分に合った良い歯医者さんを見極めてから受診することをおすすめします。

    経歴

    歯科医歴:25年
    1990年 日本歯科大学 卒業
    1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
    1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

    執筆者:歯の教科書 編集部

    執筆者:歯の教科書 編集部

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