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口の端が切れる…!口角炎の応急処置・治療法を総まとめ

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あくびをした瞬間、食事の途中…、ふとした拍子に口の端が切れることはありませんか? もし、口の端が頻繁に切れるようなら、「口角炎」を起こしているのかもしれません。きちんと医療機関を受診して、治療を受けたほうが良いでしょう。

こちらの記事では「口の端が頻繁に切れる…」と悩んでいる人に向けて、口角炎の治療に関する基礎知識をお届けしています。原因別の治療法を掲載していますので、ぜひ、参考にしていただければ幸いです。

1.口の端が切れる原因は「口角炎」かも…!?

1回、2回、口の端が切れただけなら、「ちょっと乾燥して亀裂が入っただけ…」と判断しても構いません。しかし、何度も切れる場合はきちんと治療したほうが良いでしょう。恐らくは、「口角炎」を起こしているからです。

「口角」は、「唇の両端」を意味する言葉です。口角が炎症を起こしているから、口角炎です。慢性的に口角炎を起こしている場合、自然治癒を待つだけでは、なかなか治らないでしょう。何かの拍子に治る可能性はありますが、今まで治らなかったのですから、時間がかかると思います。

基本的に「2週間が経過して自然治癒しない炎症」は、放っておいてもすぐには治らない…と考えましょう。ですから、自然治癒を期待するのは2週間までにとどめてください。2週間で治らないなら、医療機関を受診するのが賢明です。

1-1 経過観察は2週間! 自宅でするべきケアは…?

さて、「口の端がよく切れる…」と気づいたら、最初の2週間は自宅で様子を見ていて構いません。とはいえ、何のケアもしないで眺めているのでは、「経過観察」というより、単なる放置です。せっかくですから、少しでも早く治るように手を打ってみましょう。

患部が不衛生だと、炎症は長期化・拡大する傾向にあります。そこで、まずは低刺激の石鹸・洗顔料を使い、患部を衛生的に保ちましょう。余分な香料などの入っていない無添加石鹸が望ましいと思います。

その上で、口の端に「白色ワセリン」を塗って保湿しましょう。黄色ワセリンは、不純物が多く、近年、人の肌にはあまり用いられません。精製された白色ワセリンのほうが、低刺激でおすすめです。

1-2 自己判断でやってはいけないケアもある…!

市販薬が存在する以上、軽症の病気に対して「市販薬で自己治療を試みること(セルフメディケーション)」を頭から否定するつもりはありません。しかし、素人判断のセルフメディケーションが症状を悪化させるケースも、確かに存在しています。

実際、口角炎の場合、ある種の市販薬を使用すると、症状が悪化する恐れがあります。自己判断で用いていただきたくないのは、「抗生物質」と「抗真菌薬」です。いずれも市販の外用薬(軟膏など)がありますが、自己判断で口角炎に用いるのはNGです。

ここからの話をわかりやすくするため、まずは抗生物質と抗真菌薬について、それぞれの効能を解説したいと思います。

◆抗生物質
真正細菌(バクテリア)を殺菌するか、増殖を抑える薬です。殺菌するものを「殺菌性抗菌薬」、増殖を抑えるものを「静菌性抗菌薬」と呼びます。真菌と呼ばれるグループの菌には、まったく効果がありません。
◆抗真菌薬
真菌(カビ・酵母など)を殺菌するか、増殖を抑える薬です。真正細菌には効果がありません。ちなみに「特定の相手だけを攻撃する毒性」を「選択毒性」といいます。抗真菌薬は、真菌に選択毒性を示す薬…というわけです。

さて、真正細菌と真菌は基本的にライバル関係にあります。真正細菌が増殖すれば真菌が追いやられ、真菌が増殖すれば真正細菌が追いやられる関係性…ということです。つまり、抗生物質は「真正細菌を減らす代わりに、真菌を増やす恐れがある」ということで、抗真菌薬は「真菌を減らす代わりに、真正細菌を増やす恐れがある」ということです。

ということは、「真菌が原因の炎症に抗生物質(真正細菌を減らし、真菌を増やす)を投与した場合」と「真正細菌が原因の炎症に抗真菌薬(真菌を減らし、真正細菌を増やす)を投与した場合」は、むしろ病原菌を増加させる…という結果を招きます。

その上で、重要なのが「口角炎には細菌性と真菌性が両方存在する」という事実です。そのため、自己判断で抗生物質・抗真菌薬を用いると、かえって症状を増悪させる恐れがあります。

口角炎の種類 使用する薬剤 結果
カンジダ性(真菌) 抗真菌薬 治癒が早まる
カンジダ性(真菌) 抗生物質 悪化・長期化リスクの増大
細菌性 抗真菌薬 悪化・長期化リスクの増大
細菌性 抗生物質 治癒が早まる

口角炎が「真菌によるものか、細菌(真正細菌)によるものか」は医療機関で検査しないとわかりません。ですから、自己判断で正しく投薬する手段は存在しないのです。自己判断による抗生物質・抗真菌薬の使用は、1/2の確率で事態を悪化させる行動…ということになります。

以上から、最大2週間の経過観察中、市販の抗生物質・抗真菌薬を用いてはいけません。経過観察の間は、白色ワセリンによる保湿にとどめましょう。

2.口の端が切れる…!口角炎の種類

先ほど、「口角炎には真菌性と細菌性の両方が存在する」と解説しました。口の端が切れる口角炎の原因は真菌・細菌のほかにも、さらに2つありまして、4種類に区分することができます。

2-1 カンジダ性口角炎

カンジダ菌と呼ばれる真菌によって、口角炎を発症しているケースです。もっとも一般的な口角炎といえます。真菌感染症なので抗真菌薬を用います。特に「アゾール系抗真菌薬」「アリルアミン系抗真菌薬」が用いられる傾向です。

2-2 細菌性口角炎

黄色ブドウ球菌・レンサ球菌など、真正細菌による口角炎も存在します。真正細菌が原因であれば、抗生物質による治療をおこないます。黄色ブドウ球菌・レンサ球菌ともに「グラム陽性球菌」と呼ばれる種類の細菌なので、グラム陽性球菌に奏効する「テトラサイクリン系抗生物質」などがもちいられます。

2-3 接触性口角炎

接触性口角炎は、化学物質・アレルゲンに接触したことで生じる口角炎です。化学物質に毒性に反応したものを「一次刺激性接触性皮膚炎」、アレルゲンによるアレルギー反応を「アレルギー性接触性皮膚炎」と呼びます。

いずれにしても、根本解決のためには、「原因となる物質に触れないようにすること」が必要です。炎症を抑える対症療法としては、「ステロイド剤」「抗ヒスタミン剤」などを用いるのが一般的です。

2-4 アトピー性口角炎

アトピー性口角炎は、「アトピー性皮膚炎が口角に発生したもの」です。アトピーの素因を持った人に発生する口角炎になります。皮膚に生じるアトピーと同様、「ステロイド剤」「タクロリムス軟膏(商品名:プロトピック)」などを用いて、消炎を図ることになります。

3.まとめ

ことあるごとに口の端が切れる…という場合、口角炎が疑われます。口角炎は原因によって「使用するべき薬の種類」が異なるので、自己判断での投薬は禁物です。自宅で経過観察する場合は「患部を清潔にして、白色ワセリンで保湿する」程度にとどめてください。2週間ほど経過しても治癒しなければ、念のために医療機関を受診しましょう。

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