唇がヒリヒリするのはなぜ?口唇炎・口唇ヘルペスの症状と治療法を解説

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唇に湿疹・炎症ができてヒリヒリする場合、口唇炎を起こしている疑いがあります。口内炎と同じように「自然治癒を待つ」という選択肢もありますが、症状によっては医療機関を受診したほうが良いかもしれません。

こちらの記事では、「唇がヒリヒリする場合」に考えられる原因をまとめ、一般的な治療法を紹介しています。

1.唇がヒリヒリする原因は…?

唇がヒリヒリと痛む場合、いくつかの原因が考えられます。まずは、「どういうときに唇が痛くなるのか」を列挙することにしましょう。

1-1 接触性口唇炎

簡潔に説明するなら、「唇に発生した接触性皮膚炎」です。炎症の原因物質に接触することで発生し、「発赤」「腫れ」「湿疹」「水疱」などの症状をきたします。発症メカニズムによって、「一次刺激性接触性口唇炎」と「アレルギー性接触性口唇炎」の2種類に区分することが可能です。

一次刺激性接触性口唇炎

洗剤・石鹸などに含まれる「刺激物質」が原因になることが多いようです。刺激の強い物質に触れたことで、唇が炎症を起こすわけです。原因物質の毒性が高ければ高いほど、口唇炎の症状も強くなります。

アレルギー性接触性口唇炎

アレルギーの原因物質に触れることで発生する口唇炎です。アレルギーの原因となる物質は人によって違いますから、「何に触れたとき、口唇炎を起こすか」は体質次第です。「化粧品・リップクリームに含まれる成分」「山芋・銀杏・マンゴーなどの食品」「歯科治療に使われた金属」などがアレルギーの原因になります。

症状の程度は「本人の体質次第」です。そのため、「原因物質の毒性」と「症状の強さ」は比例しません。山芋のように毒性がないはずの食品に触れて、顕著な症状をきたすこともあり得ます。

1-2 アトピー性口唇炎

アトピー性皮膚炎と同様、原因不明の口唇炎です。「アトピー性皮膚炎が唇に発生した」という状態なので、基本的にはアトピー性皮膚炎の素因を持っている人が発症します。唇がカサカサに乾燥し、「亀裂」「ヒリヒリした痛み」「かゆみ」などが生じます。

原因ははっきりしていませんが、アトピーによる炎症のメカニズムは徐々に解明されてきています。近年、有力視されているメカニズムは、アトピー性皮膚炎における「表皮バリア破綻説」です。

本来、皮膚の表面にある「角質層」には角質細胞が並んでいて、細胞の隙間を細胞間脂質が埋めています。細胞間脂質は「水分」と「脂質」が幾重にも重なった「ラメラ構造」をとり、角質層の水分を維持します。この構造は、同時に外部からの刺激をシャットアウトする「バリア機能」の役割も果たしています。

しかし、何らかの理由で角質層の水分が失われると、ラメラ構造が崩れ、バリア機能は破綻します。ラメラ構造が壊れると「角質層の水分保持能力」が低下するので、さらに角質層が乾燥し、バリア機能が弱まっていくことになります。こうして、負のスパイラルに陥ると、外部刺激に弱いアトピー肌となるのです。ここにアレルギー反応が加わって慢性的炎症が生じれば、「アトピー性皮膚炎(唇なら口唇炎)」となります。

1-3 光線口唇炎

光線口唇炎は、紫外線を浴びたことによる炎症です。日光口唇炎と呼ぶこともあります。ヒリヒリとした痛みがあり、水ぶくれを生じます。

長年にわたって紫外線を浴び続けると、「日光角化症」を起こすこともあるので、注意が必要です。日光角化症は皮膚癌(唇で発生すれば口唇癌)に変わることもある前癌病変で、扁平上皮癌・有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)に変化する恐れがあります。

1-4 剥離性口唇炎

剥離性皮膚炎は、大人より子供に多い口唇炎です。唇表面のターンオーバー(新陳代謝)が活発になりすぎて、未熟な細胞が表面に出てくると発症する傾向にあります。唇に黄褐色の湿った「かさぶた」ができて、皮がポロポロ剥がれたり(落屑)、ヒリヒリ痛んだりします。

原因がはっきりしているわけではありませんが、頻繁に唇をなめると剥離性口唇炎を誘発することがわかっています。唇をなめすぎたことによる剥離性口唇炎は「舌なめずり口唇炎」と呼ばれることもあります。

1-5 口唇ヘルペス

口唇炎ではなく、「単純ヘルペスウイルス1型」によるウイルス感染症―口唇ヘルペスの場合もあります。口の周りがヒリヒリして、その後に赤く腫れ、水ぶくれが生じます。初感染したときは発熱などの全身症状をきたすこともありますが、成人の再発例なら「口の周りに水ぶくれができる症状」だけで終わるのが普通です。

2.唇がヒリヒリするときの一般的治療法

唇がヒリヒリと痛むときは、どのように対処すれば良いのでしょうか? もちろん、口唇炎の多くは自然治癒するので、保湿剤などを塗って経過観察しても構いません。

ただ、「かきむしるほどのかゆみ」「耐えられないほどの痛み」が生じたとき、2~3週間が経過しても改善の兆候がないときは、必ず医療機関を受診してください。皮膚科・歯科口腔外科などで診察を受けることができます。

2-1 口唇炎の治療法

医療機関を受診した場合、一般的には外用薬による治療がおこなわれます。「かゆみ」または「ヒリヒリした痛み」が強い場合は「抗ヒスタミン薬」で炎症を抑えるなど、対症療法が基本です。慢性的に炎症を起こしている症例では、「ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)」による消炎をおこなうこともあります。

2-2 口唇ヘルペスの治療法

口唇ヘルペスはウイルス感染症なので、「抗ウイルス薬」による治療をおこないます。「アシクロビル」「ビダラビン」といった抗ウイルス薬により、単純ヘルペスウイルスの増殖を抑えることが可能です。

口唇ヘルペスはウイルス感染症なので、ステロイドなど「免疫を弱めて炎症を鎮める薬」は逆効果になります。たとえば、「口唇炎だと自己判断して市販のステロイド剤を塗る」などの行動をとると症状を増悪させる恐れがあります。この意味で、口唇炎と口唇ヘルペスの判別は重要です。

3.まとめ

唇がヒリヒリする場合、主に「口唇炎」と「口唇ヘルペス」が疑われます。それぞれに治療法が異なるので、まずは「口唇炎なのか、口唇ヘルペスなのか」をきちんと判別しましょう。また、2~3週間を経過しても症状がひかない場合、必ず皮膚科・歯科口腔外科を受診するようにしてください。

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