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夜、歯が痛い!就寝時の痛みを解消する基礎知識【歯痛に役立つコラム】

夜_歯が痛い

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「夜になると歯が痛い」「横になると歯が痛い」と訴える人が、少なからずいらっしゃいます。また、「就寝中に限って、歯の痛みで目が覚めることが何日か続く」といったケースもあるようです。なぜ、寝ているときに歯が痛くなるのでしょうか?

こちらの記事では、「夜に歯が痛い」という人に向けて、「夜間、歯痛が悪化しやすい理由」「夜間歯痛の主な原因」を解説することにしました。

1.夜に歯が痛くなる理由とは?

夜、歯が痛むときは、たいてい、脈拍に合わせてドクドク痛みます。このような痛み方を「拍動痛(はくどうつう)」と呼んでいます。拍動痛が見られる場合、歯の内部にある血管が膨張して、血液が流れるたびに神経を圧迫しています。しかし、なぜ、夜に歯が痛むときは拍動痛が多いのでしょうか?

1-1 首から上への血流が増加する!

当然ですが、眠っているときは身体を横たえています。そのため、重力の関係上、立っているときと比べて頭部への血流が増加します。「姿勢の違いくらいで…」と思う方もいるかもしれませんが、姿勢による影響はかなり大きなものです。

長時間しゃがんだり、座ったりした状態から急に立ち上がったとき、「立ちくらみ」を覚えたことはありませんか? これは、重力の影響で、一気に血液が下半身へ流れたことによるものです。頭部の血流が急に減ったので、頭がクラッとするわけです。

さて、寝ているときは、頭部への血流が増します。すると、「血管が膨張して神経を圧迫する」という状況が起こりやすくなります。血流が増えるほど、血管は膨張しやすくなるからです。当然、拍動痛は起こりやすく、強まりやすい…という帰結になります。

1-2 副交感神経優位の状況になる!

人間の自律神経系には、交感神経と副交感神経の2つがあります。緊張・興奮時には交感神経が、リラックス時には副交感神経が優位になります。もちろん、眠っているときにはリラックスしていますから、副交感神経が優位です。

さて、副交感神経が優位になると、人間の身体には「体温上昇」「血流増加」などの変化が現れます。血流が増加すれば、それだけ血管は膨張しやすくなります。こうして、血管が神経を圧迫することによる拍動痛が起こるわけです。

2.夜に歯が痛いとき、考えられる原因と対処法

それでは、夜中に歯が痛くて目覚めてしまうとき、考えられる原因を探ってみましょう。原因ごとに、治療法・応急処置法は変わってきます。

2-1 虫歯に起因する歯髄炎

虫歯が悪化し、歯髄(神経)に達すると「歯髄炎」と呼ばれる炎症を起こします。炎症によって血流が増加するため、神経が圧迫されて強い痛みを覚えます。血管が膨張するごとに痛みが強まるので、ズキズキと一定のリズムを刻む「典型的な拍動痛」を伴います。

歯髄炎の治療法・応急処置法

歯髄炎を起こすのは「C3:歯髄の仮性露出」と呼ばれる段階で、かなり進行した虫歯です。歯科医院で神経を抜く処置(抜髄)をおこない、歯の内部を無菌化する「根管治療」を受けることになります。

夜中に痛み出した場合、朝まで我慢しなければならないことも多いでしょう。自宅でできる応急処置は、「市販の痛み止めを服用すること」「患部を冷やすこと」の2つです。患部を冷やせば、血流が低下するので拍動痛が軽減されます。

ただし、歯髄に直接、冷たいものをあてるとしみるので、頬の上から冷やすようにしてください。氷を口の中に含む…といった方法は、かえって痛い思いをすることも多いです。

2-2 虫歯に起因する根尖病巣

過去に歯科治療で神経を抜いた場合、その歯には神経がありません。また、極度に虫歯が悪化した場合、神経は死んでしまいます。こういった事情で神経の失われた歯を「失活歯(しっかつし)」と呼んでいます。失活歯の虫歯がさらに悪化するか、神経を抜いた歯で虫歯が再発した場合、痛みを感じることはありません。気づかないうちに、どんどん進行していきます。

歯の内部を進んだ虫歯菌は、やがて歯根(歯の根っこ)に到達します。そして、歯根周辺の歯茎内部で炎症を起こすのです。この「歯根付近の炎症」を「根尖病巣」と呼びます。歯茎には神経がありますから、炎症を起こすと再び痛みに襲われます。歯茎が強く腫れ、膿が溜まるなどすれば、内部からの圧迫で激痛を伴うこともあるでしょう。やはり、血管が膨張したときに痛みが強まる傾向があるので、「拍動痛」を示します。

根尖病巣の治療法・応急処置法

根尖病巣を起こしている場合も、歯の内部を無菌化しなければなりません。「感染根管治療」をおこない、歯の中にある感染組織を除去します。その後、再感染を防ぐための薬剤を詰めて、無菌状態の維持を試みます。

根管治療で無菌化することが難しければ、さらに「歯根端切除術」を実施します。歯茎を切開して、歯根を露出させ、歯根の先端3mm程度を切り取るのです。そして、歯根の切断面から薬剤を詰める「逆根管充填」をおこない、内部の無菌化を目指します。

夜中に痛くなった場合の応急処置ですが、有効な手段は「市販の鎮痛薬を飲むこと」くらいしかありません。激痛に耐えかねているなら、医療用と同じ鎮痛成分(ロキソプロフェン)を主成分とする「ロキソニン」がおすすめです。

2-3 歯ぎしりによる咬合性外傷

就寝中に歯ぎしりをする癖があると、歯の痛みで目覚めることがあります。歯ぎしりの負荷により、歯根膜などの歯周組織が炎症を起こすからです。細菌感染を伴わない歯根膜の炎症は、「単純性歯根膜炎」と呼びます。単純性歯根膜炎に代表されるような「物理的負荷によるトラブル」を「咬合性外傷」と総称しています。

歯ぎしりによる咬合性外傷の場合だけは、「拍動痛」を示さないことも多いです。「噛み合わせた瞬間に強く痛む」「冷たいものがしみる」などの痛み方が一般的です。

咬合性外傷の治療法・応急処置法

歯ぎしりが原因であれば、歯ぎしりのダメージを抑えるためのマウスピースを用いるのが一般的です。就寝時にマウスピースを装着することで、物理的負荷を分散し、歯・歯周組織が損傷を受けるのを防ぐことができます。

痛みが生じた場合の応急処置法としては、鎮痛剤を飲むくらいしかありません。歯ぎしりが度重なると歯周病を誘発することもあるので、早めに歯医者さんを受診しましょう。

3.まとめ

夜間にだけ歯が痛むことを「夜間就寝時痛」といいます。「横になると歯が痛い」「就寝中に歯が痛む」といった症状があるなら、なるべく早く歯医者さんを受診しましょう。歯髄炎・歯根膜炎の場合は、悪化すると抜歯に至ることもあります。朝までに痛みが引いたとしても、きちんと歯医者さんに相談してください。

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