お悩み解決コラムその他

永久歯が生えてこない…!考えられる原因と対処法まとめ

永久歯_生えてこない

203view

「お子さんの永久歯がなかなか生えてこない」と悩んでいませんか? 実のところ、「すべての永久歯が必ず生えてくる」というものではなく、一部が生えてこないケースは決して珍しいものではありません。

もちろん、ただ生えるのが遅れているだけかもしれませんが、念のために「生えてこない場合、どうするべきか」を考えておいても良いでしょう。こちらの記事では「永久歯が生えてこない理由」に加え、「一般的な対処法」を解説しています。

1.永久歯が先天的欠如歯であるケース

「永久歯が生えてこない理由」として考えられるのは「先天性欠如歯」です。この場合、永久歯が先天的に欠如しているわけですから、生えてくることはありません。

本来、乳歯の下では、「歯胚(将来、永久歯になる歯のもと)」が育っていきますが、この歯胚が存在しない場合があります。「遺伝的な理由」「母親の胎内にいた頃の栄養欠如」などが要因になり得ると考えられていますが、明確な原因がわかっているわけではありません。先天性欠如歯のほか、「先天的欠損歯」「無歯症」などと呼ぶこともあります。

1-1 先天的欠如歯のある子供は約10%!

日本小児歯科学会が2010年におこなった調査によると、先天性欠如歯がある子供の比率は10.09%でした。実数では1万5,544名のうち、1,568名に「1本以上の先天性欠如歯」が認められています。

ですから、先天性欠如歯は決して珍しい現象ではありません。病気というわけではなく、「歯の形成異常」という表現をするのが普通です。

参照URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd/48/1/48_29/_pdf

1-2 先天的欠如歯になりやすい歯はどれ?

日本小児歯科学会の調査結果によれば、上顎(うわあご)に先天性欠如歯がある子供の割合は4.37%、下顎は7.58%でした。「先天性欠如歯が生じやすい部位」を高確率だった順番に並べると、「下顎第二小臼歯(6.2%)」「下顎側切歯(前から2つ目の前歯:3.81%)」「上顎第二小臼歯(2.98%)」「上顎側切歯(2.65%)」となっています。明確に、第二大臼歯・側切歯の欠如が目立ちました。

ちなみに、これは子供を対象とした調査なので、親知らずの欠如は含まれていません。親知らずが生えないのを「先天的欠如」に含めると、「先天的欠如歯のある人」は全体の30%近くになります。

1-3 先天的欠如歯の場合、乳歯が抜けない!?

本来、乳歯の下で永久歯が育ってくると、だんだん上に向かって生えてきます。これを萌芽と呼びます。永久歯が萌芽すると、乳歯の根(歯根)が圧迫され、だんだんと吸収されていきます。要するに、乳歯の歯根が溶けて短くなっていくわけです。

先天的欠如歯の場合は永久歯が生えてきませんから、乳歯が抜け落ちることもありません。乳歯の歯根吸収が起こらないからです。つまり、永久歯が生えてこないかわりに、乳歯が残るわけです。

1-4 先天的欠如歯がある場合は、どのように対処する?

永久歯が生えてこない場合、歯医者さんでレントゲン撮影をすると「先天的欠如なのかどうか」が判別できます。6~7歳になっても乳歯の下に永久歯が映らないのであれば、先天的欠如と考えて良いでしょう。

先天的欠如歯であることがわかれば、「乳歯をできる限り長く使い続けること」を考えなければなりません。乳歯が生え変わることがないので、当面は乳歯を使えば問題なく噛むことができます。ただ、乳歯は永久歯に比べて歯根が短く、エナメル質・象牙質の厚みも半分くらいしかありません。どんなに長くても、20~30代までにはダメになると考えてください。当然、20代後半あたりまで乳歯を使い続けるためには、定期的に歯医者さんで検診・クリーニングを受ける必要があります。

また、乳歯は永久歯より小さいので、たいてい「歯と歯の隙間」ができてしまいます。噛み合わせが乱れる原因になるので、必要なら歯列矯正を検討しても良いでしょう。歯列矯正をする場合は「乳歯を抜いて、残った永久歯だけで安定した歯列をつくる」という選択肢もあり得ます。このあたりは「顎・歯の大きさ」などによって事情が変わってくるので、歯医者さんで相談するようにしてください。

乳歯を残した場合、いずれ「乳歯がダメになる時期」がやってきます。そのときは、ブリッジ・義歯・インプラントなどで失った歯をおぎなう「補綴(ほてつ)」をおこなうことになります。

2.永久歯が埋伏歯であるケース

さて、永久歯が生えてこない場合は「埋伏歯である疑い」も存在します。埋伏歯の場合、先天的欠損歯と異なり、永久歯そのものは存在しています。ただ、正常に生えてくることができず、歯茎・骨の中に埋まっているのです。

2-1 埋伏歯には「完全埋伏歯」と「不完全埋伏歯」がある!

埋伏歯には「全体が埋まっている完全埋伏歯」と「斜めに生えるなどして一部が埋まっている不完全埋伏歯(半埋伏歯)」があります。このうち「永久歯が生えてこない」と錯覚する場合があるのは、完全埋伏歯です。

2-2 埋伏歯の場合、どのように対処する?

埋伏歯への対処法は、2通りが考えられます。1つは「埋伏歯を抜歯する方法」、もう1つは「埋伏歯を牽引して、正常な位置に誘導する方法」です。

抜歯する場合、歯茎を切開して抜歯します。多くの場合、歯が欠損することによる悪影響を避けるために歯列矯正を勧められるでしょう。

埋伏歯を保存するのであれば、「開窓・牽引」をおこないます。歯茎を切開して、埋伏歯に矯正装置を取りつけ、ほかの支点にして牽引します。無事に表面まで出てくれば、埋伏歯を保存できます。ただ、牽引だけで「本来、あるべき位置」に誘導できる例はまれです。たいてい、牽引後に歯列矯正で歯並びを整える必要が出てくるでしょう。

3.まとめ

先天的欠如歯・埋没歯とも、それほど珍しい例ではありません。「永久歯が生えてこない」というのは「日常的に見られる出来事」です。「なかなか永久歯が生えてこないな…」と思ったら、早めに歯医者さんに相談しましょう。将来の悪影響を最小限に抑えるためにも、早期に対処したほうが賢明です。

高村歯科医院_永久歯_生えてこない

ページトップへ