失った歯の機能を取り戻すためのインプラント治療は、身近な治療法として知られるようになっています。しかし、その治療に掛かる費用について、はっきりとイメージがわく人は少ないのではないでしょうか。
『インプラントに掛かる費用の相場は一体いくらなのか?』『格安インプラントを受けるのは危険なのか?』この記事では、インプラントの費用に関する悩みを整理します。
※本記事に掲載している自由診療の料金は、2026年4月時点でEPARK歯科に掲載されている歯科医院の税込み料金情報を参考にしたものです。料金は地域や施術内容、使用する機材、歯科医院の方針等によって異なります。実際の料金や副作用、リスク等については受診予定の歯科医院へご確認ください。
1.インプラント治療に掛かる費用の実態を詳しく知っておこう!
1-1 インプラントは重い外傷や先天性の病気など一部を除き保険が適用されない
歯科医院で初めてインプラントをすすめられて、料金にびっくりされる方は多いかと思います。日本歯科医師会では、インプラントは基本的に保険適用外の自由診療で、治療費は医療機関ごとに異なると説明されています。
インプラントは失った歯の代わりとして、人工の歯根や歯冠などを使って、自然に近い状態で噛む機能の回復を目指す治療法です。
ただし、一定の条件を満たす場合は、保険診療として「広範囲顎骨支持型装置埋入手術」などが認められることがあります。

一般的な虫歯や歯周病、加齢による歯の喪失に対するインプラント治療は、基本的に自由診療です。保険診療の対象となるかどうかは、病状や欠損範囲、施設基準などによって判断されるため、医療機関で確認しましょう。
1-2 “歯1本あたり”埋め込むのにかかる費用
保険適用外のインプラント治療に支払う費用は、医療機関、治療内容、使用する材料、検査内容、骨造成など追加処置の有無によって異なります。
インプラント1本あたりの費用目安は約350,000円~500,000円となっています。
※2026年4月時点のEPARK歯科掲載自由診療税込み料金情報を参考に編集部集計
これは基本的なインプラント治療の場合であるため、骨造成の場合や全身麻酔、静脈内鎮静をする場合、1日で仮歯まで入れる場合などは追加費用がかかります。
費用を確認するときは、検査費、インプラント本体、上部構造(被せもの)、手術費、仮歯、メンテナンス費、保証内容などが総額に含まれているかを確認することが大切です。
1-3費用は妥当なのか?ブリッジ治療と比べて考えてみる
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を支えにして人工の歯を装着し、抜け落ちた歯を文字通り“橋渡し”させる非外科的治療法です。
ブリッジは保険診療で行えますが、材料や設計、見た目の希望によっては自由診療となります。失った歯が1本の場合、両隣の歯と連結させ3本分の被せものが必要になるため高額になる可能性があります。
また、ブリッジは周囲の歯を削る必要があり、支えとなる歯に負担がかかることがあります。それに対してインプラントは、周囲の歯を大きく削らずに治療できる場合があります。ただし、外科手術が必要で、全身状態や顎の骨の状態によって適応が変わります。
インプラント治療に対する価値観は人によって異なります。費用だけで判断せず、口腔内の状態、治療期間、リスク、メンテナンスの必要性、保証内容を含めて歯科医師と相談しましょう。
2.インプラント治療に掛かる費用の内訳
2-1 費用の内訳についてきちんと知っておく
よりよいインプラント治療を受けるためには、治療に掛かる費用の内訳を事前に確認しておくことが望ましいといえます。

※2026年4月時点のEPARK歯科掲載自由診療税込み料金情報を参考に編集部集計
設備、使用するメーカー、骨の状態、全身状態など歯科医院、人によって金額は大きく変動します。
見積もりを受け取る際は、総額だけでなく、どの処置が含まれているのか、追加費用が発生する可能性があるのかも確認しましょう。
2-2 治療に使われる被せ物の費用についても確認しよう!
インプラント治療に掛かる費用は、治療に使われる素材や治療内容によっても違いが生まれます。例えば、被せ物にジルコニアやセラミックなどを使う場合、費用が高くなることがあります。
ジルコニアは歯科用材料として使われることがあり、強度や審美性を考慮して選択される場合があります。ただし、どの素材が適しているかは、噛み合わせ、治療部位、口腔内の状態、希望する見た目などによって異なります。費用も歯科医院によって大きく異なるため、医師と相談して自身に合った治療法を決めることが大切です。

※2026年4月時点のEPARK歯科掲載自由診療税込み料金情報を参考に編集部集計
※参考価格であり、接続方法、コネクト部分の有無、使用する素材や医療機関によって費用は異なります。
3.インプラント治療に掛かる費用の負担を少しでも和らげる方法
3-1 医療費控除を申告する
インプラント治療は、一定の条件を満たす場合、医療費控除の対象となる可能性があります。
医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が一定額を超える場合に、所得控除を受けられる制度です。
医療費控除の金額は、国税庁の説明では『実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額-10万円』で計算します。その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%を差し引きます。控除額の上限は200万円です。
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。対象になるかどうかは、治療内容や支払額によって異なるため、国税庁の情報や税務署などで確認しましょう。
3-2 “分割払い”ができる「デンタルローン」を活用する!
デンタルローンとは、歯科治療に掛かる費用を信販会社などが立て替え、患者さんが分割で支払う仕組みです。利用条件、手数料、支払回数、利用限度額は信販会社や医療機関によって異なります。
利用する場合は、金利や手数料、総支払額、途中解約や繰り上げ返済の条件を確認してから申し込みましょう。
4.『インプラント10年保証』を確認しよう!
インプラント治療では、医療機関やメーカー、保証会社によって保証制度が設けられている場合があります。
保証制度を利用する場合は、保証期間、保証対象、上限額、免責事項、定期メンテナンスの受診条件、転院時の扱いなどを確認しておくことが大切です。保証がある場合でも、すべての破損や再治療が無償になるとは限らないので注意が必要です。
5.インプラント治療を受ける歯科医院の選び方
5-1 「専門医」のいる歯科医院を選ぶ
インプラントは高額な費用を支払うこともあるため、納得して任せられる歯科医院を選ぶことが大切です。その際に、インプラント治療に関する研修歴や症例経験、設備、説明の丁寧さ、メンテナンス体制に加え、「専門医」などの資格も参考になります。
ただし、専門医であることだけで治療結果が保証されるわけではありません。治療内容、リスク、費用、保証、メンテナンスについて十分に説明を受け、納得したうえで治療を受けましょう。
5-2 一般の歯科医院と大学病院で受ける治療の違い
インプラントは「一般の歯科医院」と「大学病院」とでは治療に違いがあるのか、また、どちらで受けた方が良いのか、という疑問にお答えします。
一般の歯科医院の場合は、自分の都合に合わせて予約が取りやすかったり、仕事帰りに通いやすかったりするメリットがあります。インプラントの治療後に定期的なメンテナンスに通う場合は、通院しやすさも重要です。
一方で、大学病院は施設や設備が充実している場合があり、全身疾患がある方や難症例では選択肢となることがあります。
どちらで治療を受けるかは、医師との信頼関係、治療計画、通院のしやすさ、メンテナンス体制を踏まえて選ぶことが大切です。
6.まとめ
インプラントの費用は、自由診療となることが多く、医療機関や治療内容によって大きく異なります。
治療費の総額だけでなく、検査費、手術費、上部構造、追加処置、メンテナンス費、保証制度、医療費控除の対象になるかどうかも含めて確認しましょう。デンタルローンや医療費控除を上手く活用し、料金に惑わされず、自分にとってより良い治療法を見つけることが大切です。
【参考サイト】
・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/consultation/vol-34.html
・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
・国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm
・日本口腔インプラント学会
https://www.shika-implant.org/
出身校:日本大学大学院松戸歯学研究科
歯科医暦:13年
歯科医師を目指したきっかけ:元々細かい作業が好きだったのと、大学時代アルバイトで歯科医院で働いた事があり、そこから歯科の臨床・教育・研究をされている姿を見てから、臨床の勉強をしたい!と強く思ったためです。
歯科医師のやりがい:歯医者にいらっしゃる方は、痛い方や悩みがある方、解決策がわからずお困りになって歯医者に来られます。私たちは専門でやっているので、歯科のことに関しては対応できることが多いです。ずっと歯科専門でこだわって勉強してきたので、困っている方の役に立つということがとても嬉しく、やりがいを感じます。
2004年3月 日本大学松戸歯学部卒業
歯科保存学入局
千葉県の歯科医院、都内の歯科医院を勤務
松島歯科にて副院長を努める
2014年3月 日本大学大学院松戸歯学研究科卒業
日本大学松戸歯学部口腔病理学非常勤講師
2014年10月2日 丸の内 帝劇デンタルクリニック開院
現在に至る

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