【7月25日は知覚過敏の日】知覚過敏の治療法を解説!

【7月25日は知覚過敏の日】知覚過敏の治療法を解説!

7月25日は、「グラクソ・スミスクライン株式会社」が制定した『知覚過敏の日』です。この日は、「夏氷」と「725」の語呂合わせとして、「かき氷の日」でもあります。冷たいかき氷を食べて歯がしみたら、知覚過敏を疑ってみましょう。

歯がしみるという「知覚過敏」の不快な症状を改善したいという方は、歯医者さんで治療する方法と自宅で改善する方法の2つに分けられます。これはご自身の症状のレベルによって、どちらを選択するべきなのかが変わってきます。

しみる症状が軽ければ、自宅で改善させることができるかもしれません。ただ、症状が重い場合、歯医者さんで診断してもらい、治療の方法を探ってもらう必要があります。

この記事では、知覚過敏のレベルに合った治療法と、知覚過敏の原因が歯周病や歯ぎしりであった場合の治療法、症状が似ている虫歯との判別の仕方も紹介していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事の目次

1.知覚過敏のレベルとそれぞれの治療法

知覚過敏の治療は、その症状のレベルによってさまざまなやり方があります。しみる感覚が生じた場合、歯医者さんで一度診断してもらうことが第一ですが、忙しくてなかなか時間が取れないという方も大勢いると思います。

まずは、自宅で行う歯磨きのやり方を見直してみましょう。それでもよくならない場合、セルフケアでは改善できないレベルに達している可能性がありますので、歯医者さんで根本的な治療を施してもらう必要があります。この章では、症状によって異なる知覚過敏の治療法について紹介していきます。

1-1 症状が軽度の場合の治療法

自宅での歯磨きで改善

歯がしみるという症状を初めて感じた場合、まずは自宅での歯磨きの仕方を工夫してみましょう。ポイントは3つあります。

①やわらかい歯ブラシを使用する

②「約300g」の軽い力で磨いていく

③再石灰化を促す歯磨き粉を使用する

①の理由として、硬い歯ブラシを使うことで歯や歯茎を傷めてしまう可能性があるからです。知覚過敏が生じている場合は、圧力がかかりにくい“やわらかい”歯ブラシがおすすめです。

②は、①の歯や歯茎を傷めないための適した圧力を示しています。一度キッチンストッカーで「約300g」の感覚をつかんでみてください。その感覚を意識しながら磨くことが大事な要素です。毛先がつぶれないように軽い力で磨くのがポイントです。

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③の理由は、歯の再石灰化を促す歯磨き粉を使用することで、歯質を強化し、知覚過敏の症状を防ぐことができるのです。

1-2 症状が中度の場合の治療法

歯医者さんで薬剤やコーティング材を塗布

しみる症状が日常生活にも支障が出るようなレベルに達した場合、まず歯医者さんの診断を受けましょう。知覚過敏は歯の表面のエナメル質がすり減り、象牙質が露出したために、しみる感覚が起きるのです。

薬を塗って症状を解消させる作用を促したり、「歯科用セメント」や「レジン」といったコーティング材を塗布したりして、象牙質をガードする方法もあります。

レーザー照射による治療

知覚過敏が起きている部分にレーザーを照射することで、エナメル質の表面の神経に痛みが伝達するのを防ぐことが可能です。これにより、しみるという症状を解消させることが可能です。

1症状が重度の場合の治療法

歯医者さんで歯の根元の露出を補修する

歯の根元が露出しているために知覚過敏を発症している場合は、根元を覆うためにセメントやレジンを使用して補修する方法があります。重度の知覚過敏の治療として用いられる方法です。

また、症状がさらにひどい場合は、神経を抜く処置を行う場合も考えられます。

2.歯周病や歯ぎしりが原因の治療法

知覚過敏の症状は、歯周病による歯茎の退縮や歯ぎしりによるエナメル質のすり減りが招いている可能性もあります。その根本的な原因を断つことが、症状を改善させる近道です。この章では、歯周病や歯ぎしりの治療法について紹介していきます。

2-1 歯周病が原因の治療法

歯周病が原因で歯茎が退縮してしまった場合、象牙質が露出することで知覚過敏の症状が生まれます。この場合、歯周病の治療を行わないと症状は改善されません。

歯周病は知らないうちに悪化して、最終的には大切な歯を失う状況に陥ります。そのような最悪の事態を招かないためにも、早い段階での対策が必要なのです。

対策として、歯医者さんで歯石除去を行ってもらってください。歯石を取ってもらったあと痛みが激しくなる可能性がありますが、これは象牙質に付着していた歯石がきれいに取り除かれて露出したために痛みが発生するのです。

歯石除去を行ったあとは、「1-2」で紹介した薬やコーティング材で知覚過敏の治療を行います。

2-2 歯ぎしりが原因の治療法

夜寝ている間に歯ぎしりを無意識に行ってしまう人は、歯医者さんで自分に合ったマウスピースを作製してもらい、歯がすり減るのを防ぐ必要があります。

歯ぎしりの原因は日常のストレスや精神的な不安から起こるといわれていますので、心当たりがある方は、自分なりのストレス解消の仕方を見つけることも大切です。

3.知覚過敏の治療費

この章では知覚過敏の治療をする際にかかる費用について紹介していきます。治療にかかるおおよその費用を下記の表にまとめてみました。

治療項目費用
薬剤塗布150円(保険適用)
セメントやレジンを使用した補修1000円前後(保険適用)
レーザー治療1000~2000円(原則、保険適用外)

軽度の知覚過敏の場合、保険適用で「150円」という金額で薬剤を塗布してもらうことができます。こうしたおおよその費用の他、根本的な原因が歯周病や歯ぎしりだった場合、別途費用がかかってきます。

4.歯がしみる原因が虫歯である場合もある

歯がしみるという感覚は、知覚過敏の他に虫歯によって歯がしみているというケースがあります。もし原因が虫歯だった場合、治療法はまったく異なります。この章では、虫歯と知覚過敏の違いを判別する方法と、しみる虫歯の状態とその治療の流れについて紹介していきます。

4-1 虫歯と知覚過敏の判別の仕方

虫歯と知覚過敏の“しみる”痛みは似ているようで違う側面があります。ここでその違いがわかるように判別の仕方を紹介していきましょう。

虫歯と知覚過敏の共通の痛み

  • 冷たいものや熱いものを口にしたとき
  • 甘いものを口にしたとき

「虫歯」特有の痛み

  • 痛みが慢性的に続く
  • たたくと響いたように痛い

「知覚過敏」特有の痛み

  • 痛みは一時的
  • たたいても痛みを感じない

冷たいものや熱いもの、甘いものを口にしたときにしみる感覚は、虫歯も知覚過敏も共通しています。判別のポイントは、痛みが慢性的なものなのか、一時的なものなのか、というところです。また、歯をたたいてみて痛みを感じるかどうかも重要なポイントとなります。

4-2 歯がしみる虫歯の状態と治療の流れ

知覚過敏に似たしみるという症状が起きている場合、虫歯でいうと「C1」や「C2」の状態であるといえます。この状態の虫歯は、虫歯の部分を削ったあとに詰め物を施して治療が完了です。

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虫歯「C1」治療の流れ

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「C1」は、歯に小さく穴が空いてしまい、その部分が黒や茶色に変色してしまいます。強い痛みを伴うわけではありませんが、冷たいものを口に含むとしみる可能性があるため、知覚過敏と勘違いしてしまう場合があるのです。

虫歯「C2」の治療の流れ

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「C2」は、虫歯が進行して象牙質まで及び、冷たいものや熱いものを口に含むとしみる可能性があります。「C2」の状態をそのままにしていると、やがて虫歯が歯髄まで達し、何もしなくても激しい痛みを伴います。

5.知覚過敏にならないための歯科検診

知覚過敏が軽度の場合、自宅での歯磨きで解消させることが可能ですが、普段の歯磨きがきちんと行われているか、「プロの目」でチェックしてもらうことも大切です。歯医者さんで定期検診を受けてみましょう。

お口の中には、下記のように歯垢が溜まりやすい箇所が存在します。

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自分でしっかり磨いているつもりでも、落としきれない歯垢は存在します。歯医者さんで検診してもらい、自分で落とせなかった歯垢や、こびり付いてしまった歯石を除去してもらうことで、虫歯だけでなく歯周病も防ぐことができます。

2-1で紹介したように、歯周病は知覚過敏を招く口腔疾患です。歯周病が進行すると歯の骨を溶かし、歯茎が下がった状態になって、しみる症状が強くなってしまうのです。

6.まとめ

知覚過敏は症状のレベルによって治療の仕方が異なることがわかりました。軽度の場合は普段の歯磨きの仕方を工夫すれば解消できますが、症状が重ければ歯医者さんでの治療が必要になってきます。

知覚過敏の原因が歯周病や歯ぎしりの場合もあります。また、しみる症状が虫歯と似ているため、判別の仕方を理解して歯医者さんで治療してもらうことが大切です。

毎日のセルフケアが正しく行われているか、歯医者さんでは定期検診も行ってくれますので、ぜひ、近所の歯医者さんで検診を受けることをおすすめします。

プロフィール&経歴

目指したきっかけ:医療には関心あったが、やはり一番は両親の教育が大きかったのではないかと思う。
やりがい:大学のときは他の職種とは違う特殊性に惹かれていたのですが、実際歯科医になってからはお礼を言われる部分です。

松本歯科大学卒業後、同病院勤務。
琉球大学医学部付属病院歯科口腔外科にて
顎顔面領域悪性腫瘍治療に従事。
その後都内複数歯科医院勤務後、
麻布シティデンタルクリニックを開院。
現在に至る。

執筆者:歯の教科書 編集部

執筆者:歯の教科書 編集部

歯の教科書では、読者の方々のお口・歯に関する“お悩みサポートコラム”を掲載しています。症状や原因、治療内容などに関する医学的コンテンツは、歯科医師ら医療専門家に確認をとっています。

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